「自分のカラダを変えたい」女性なら一度は抱いたことがある欲望ですよね。ダイエットに、腸内洗浄や断食のようなデトックス、エステ、脱毛、ジム通い……。30代に入ると、自由になるお金は増えるし、カラダのあちこちにガタが出てくるし、その欲望は膨らむばかり。
今回の「7坪のお茶会 消費で終わらない土曜日の午後」は、「カラダにかけたお金」がテーマ。大人女子にとって、「美」と「健康」と「消費」の幸福なバランスとは?
ーーこんにちは〜、塚本さん。今日のおやつは何ですか?
塚本佳子さん(以下、塚本):シャーレクスムムスですよ〜。
ーークスムス?
塚本:スェーデンの家庭でよく食べられているチョコレートケーキです。
ーーチョコレートケーキ!美味しそうだけど、カロリー高そう。
塚本:カロリー、気にしてるんですか?
ーー気にしてますね、なんか代謝が落ちてるのか、最近下腹がポヨポヨしてきました。
塚本:あ〜、そういう時期ってありますよね。急に代謝が落ちて太りやすくなる時期。さてと、アイシングをかけて、はい、シャーレクスムムスのできあがり。
ーーおいしそー! 代謝のことは忘れて、食べちゃお。
塚本:いいじゃないですか、私も実はダイエット中ですけどね。
ーーそういえば、塚本さんのダイエット遍歴の話はまだ聞いてなかった!
塚本:いやー、インテリアに負けず劣らず、ダイエットもいろいろと紆余曲折を経ていますよ。しかも大枚はたいて(笑)。
ーーここにも消費遍歴の一端が……。では、その大枚をはたいたダイエット遍歴、聞きたいな(笑)。
塚本:エステ、スポーツジム、整体・マッサージ、ローフード・炭水化物抜きなどの食事系、痩せるサプリ、矯正下着などなど。エステやジムにお金がかかるのはもちろんですけど、ローフードにハマった時は何万円もするハイパワーブレンダーを買ってしまいました。今では宝の持ち腐れ。
ーーさすが、期待を裏切らない消費っぷり。そもそもダイエットの目的は何だったんですか? 美? 健康?
塚本:20代から30代の中頃までは100%「美」ですよね。そもそも健康だったので、健康になりたいという発想すらなかった。足を細くしたいとか、お尻を小さくしたいとか、顔を小さくしたいとか。とにかく見た目を変えたかったんです。
ーーそれで、一番お金のかかりそうなエステに通った効果は?
塚本:正直、満足したことはないですね。いくつかのエステに通ったけど、自分がイメージしていた体型にしてくれたエステはないです。もちろん効果ゼロではないんだけど、望みが高過ぎたのかな〜。
ーー結果が出なくても、またエステに通っちゃうの……?
塚本:返す言葉がありません……。でも悲しいかな、しばらくすると別のエステに行けばやり方も違うし、今度は効果が出るかもと思ってしまうんですよ(笑)。数年おきにそんなことをしながら、その間には「やっぱり人に頼るばかりではダメ。カラダを動かさないと」とジムに通ってみたり、食べる前に飲むと太りにくくなるという怪しいサプリを飲んでラクに痩せようと思ってみたり。
ーー何なんでしょうね。その「痩せたい」「カラダを変えたい」っていう願望って。
女子特有の「デトックスしたい」という欲求
塚本:私の場合、単に太ったというだけでなく、常に何かがカラダについている気がするんですよ、余計な何かが。物理的なぜい肉だけじゃなくて、何かがカラダの中に溜まっていて、カラダのまわりにもまとわりついている感覚。体重が増えてくると、その感覚がよりひどくなる。それで、全部出したい、剥ぎ取りたいって。
ーーデトックスというやつですか?
塚本:そう! まさにデトックスですよね。
ーーデトックス願望ってありますよね、女子には。デトックスというと、究極なのが断食だと思いますが、やったことありますか?
塚本:ある! でも、ちゃんと専門家の指示を仰いでというのではなく、家で自分なりの方法でやったので3日間だけ。しかも、断食ってその後の食事の摂り方が重要なのに、反動でたくさん食べてしまって、結局意味なしの3日間でした(笑)。
ーーいろいろなモノがカラダから出ていく感じがして、スッキリするらしいですよ。何が出たのかわからないけど(笑)。
塚本:毒素排出とか物理的な現象による効果は高いんだと思うけど、物理的なモノだけじゃない気がしますよね。やりきったという爽快感とか、気持ちにまとわりついていたモヤモヤが晴れるとか。それこそ何が出ていったのか、その正体はわからないけど。
ーーそれで、またそのスッキリ感を味わいたくてデトックスしたくなるんでしょうね。
「プロに任せる」からセルフケアへ
塚本:ココロとカラダは繋がっているんだなと、つくづく思いますよね。太るとココロにもぜい肉がついてしまった気がするのかな。だから、体重が増えてくると全部出したい、剥ぎ取りたいっていう感覚が増すのかも。逆もしかりで、ココロが軽くなると、痩せてもいないのに痩せた気になることもある(笑)。
ーーココロも含めたダイエットをいろいろ試してきた結果、現在はどんな感じなんですか?
塚本:いい加減、人の力だけではどうにもならない、自分の力でコツコツ取り組んでいくしかない、ということは実感していますよ、さすがに(笑)。お金をかけるにしても、プロに求める意味が違ってきました。昔はエステシャンに対して「プロなんだから結果出せよ」と思いながら、家での食事はおかしをポリポリ。それで痩せると思っていたんだから不思議です。
ーー整体やマッサージもそうだけど、一時的な改善でしかないんですよね。2日もしたら、またカラダがカチカチ。
塚本:人にケアしてもらうと気持ちがいいし、リラクゼーションにもなる。でも、年齢を重ねていくとやっぱりいろいろとカラダに不具合が生じてくるし、メンテナンスの頻度も高くなっていきますよね。そうなると金銭的にも時間的にも厳しくなる。だから、今後はヨガなどの運動でセルフケアできるようになりたいと思っています。そのための学びには、今後も大枚をはたいてしまうかも(笑)。
〈器〉
・ケーキのお皿(ArabiaのRSUKA/6480円)
・取り皿(mishim/3996円)
・マグカップ(mishim/4104円)*金額掲載の器は「Fika」にて取扱中。
・シャーレクスムムス(チョコレートのスポンジケーキ)
・コーヒー☆シャーレクスムムスの作り方[材料]24cm×18cm×3cm(ホーローバットなど)
◎スポンジ
牛乳……55cc/バター……75g/卵……1個/グラニュー糖……90g/薄力粉……90g/ベーキングパウダー……小さじ1/2/ココア(100%)……大さじ2
◎アイシング
溶かしバター……15g/濃いめのコーヒー……10cc/ココア(100%)……5g/粉砂糖……50g/バニラエッセンス……数滴
◎トッピング
ココナッツロング……15g
[1]型にクッキングシートを貼る。
[2]鍋に牛乳とバターを入れて火にかける。バターが溶けたら冷ましておく。
[3]ボウルに卵とグラニュー糖を入れ、ふんわりと白っぽくなるまで泡立て器で混ぜる。
[4]3に粉類(薄力粉、ベーキングパウダー、ココア)をふるいながら加え、ヘラでさっくりと混ぜる。
[5]4に粉っぽさがなくなったら、2を加えてよく混ぜる。
[6]1の型に5を流し入れ、布巾などの上に軽く4、5回型を落として空気を抜く。
[7]170度のオーブンで15分ほど焼く。竹串を刺して、何もついてこなかったらOK。
[8]アイシングの材料をすべて混ぜたら、あら熱のとれた7のスポンジに塗る。
[9]8にココナッツロングをふりかける。
*アイシングが緩くなり過ぎたら、冷蔵庫に入れて少し固める。
*アイシングやトッピングなしで、スポンジだけでも美味しい。
*アイシングやトッピングなしの場合、ホイップクリームやジャムなどを添えるのもおすすめ。