「ミュゼ」代表取締役・齋藤直美さんインタビュー【前編】

「察してちゃん」はご法度! 「女性の上下関係」を乗りこなす方法

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「察してちゃん」はご法度! 「女性の上下関係」を乗りこなす方法

「自分らしく働きたい」「自分の仕事に誇りを持ちたい」そう思って日々仕事に打ち込んでいる女性は多いことでしょう。なかには、仕事自体は満足しているけれど「人間関係に悩んでいる」という人もいるのでは?

相手を変えることは難しいもの。でも、自分の発想や考え方を変えたり、ちょっとした人付き合いの工夫をすることでコミュニケーションが円滑に進んで仕事に好影響が出ることも。

そこで、人材育成や組織活性化などの事業を手掛ける「株式会社ミュゼ」代表取締役で、『なぜ、あの上司は若手の心を開くのか』(青春出版社)などの著書もある齋藤直美(さいとう・なおみ)さんに「職場でのコミュニケーション」について2回にわたって話を聞きます。前編のテーマは「女性の上下関係」です。

女性が陥りがち「インポスター症候群」って?

――そもそも、女性上司の割合というのは増えているんでしょうか?

齋藤直美さん(以下、齋藤):劇的に増えているわけではありません。(今年4月に施行された)女性活躍推進法では「2030年までに、課長級の女性管理職の割合を30%まで引き上げる」としていますが、実は、その目標は10年前から掲げられているものなんですね。当社の人材研修サービスに対する依頼は増加していますが、女性の管理職への登用が進んでいるのは、対外的な目のある大企業や行政関係くらいなのではないでしょうか。

――まだまだ発展途上だということですね。

齋藤:女性側の意識の問題もあって、管理職に就くよう求められても、「私なんて……」と尻込みしたり、「現状維持でもいいや」と考えたりする人は多いんです。それは、女性が男性に比べて自己評価を低くつけがちだから。

「インポスター症候群」といって、何か結果が出ても「私は運がよかった」「この成功は人のお陰」と、理由を自分の力ではなく外的要因に求め続け、しまいには自信を喪失してしまうんです。インポスター症候群自体は男性にも起こりえますが、女性の方がその傾向が強いですね。フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ氏もインポスター症候群に悩んでいたことを明かしています。

女性同士の人間関係が難しい理由

齋藤:女性同士の人間関係というのは非常に難しいんです。女性のライフスタイルは実に多様で、独身で恋人アリなのか恋人ナシなのか、既婚で子どもがいるのかいないのか、親と同居しているかしていないかで、生き方が全然違いますよね。

女性には、「自分とは違うライフスタイルを持った人」に対して認められない部分というのがどうしてもあって、子持ちの女性がそうでない女性に対して「あの人は子どもがいないからわからないのよね」と愚痴ったり、逆に子ナシ女性が「子どもを理由にサボっている」と不満を募らせたりといったことが起こります。お互いのライフスタイルの違いゆえにわかり合えない。

根底にあるのは、「自分にないものを持っている」ことへの嫉妬なんです。無意識レベルですけどね。ですから、互いに相手のライフスタイルを認め、それについて評価しないのが円満な関係を築く秘訣です。

――男性は結婚したから、子どもができたからといって、そうそうライフスタイルは変わりません。一方で、女性は一人ひとり置かれている立場が違うと。

「察してちゃん」はご法度

――逆に、自分が上司の立場になった時に気をつけておかなければならないことはありますか?

齋藤:女性の上下関係で気をつけたいのは、「女性はお互い察してほしい生き物だ」ということ。自分が気を遣える分、相手にも気を遣ってもらいたいと考えるんです。これが上司部下の関係だと、ますます顕著になると思います。

齋藤:上司は「察してほしい」と思わないこと。「嫌われたくない」「孤立したくない」という気持ちも相まって指示が遠回しになってしまう人もいますが、「上司」という役割であることを認識して、率直に伝えるようにしましょう。

また部下も「こんなに大変なのに上司はわかってくれない。こんなことも上司は気づかない」と上司が察しないことに腹を立てることもあります。ですから、部下も上司も、「そこは察してくれ」という態度をやめて、きちんと言語で指示・報告をすることが重要なんです。

部下と張り合わない

齋藤:あとは、部下に対するライバル心を捨てることです。ライフスタイルの話に加えて、女性は「自分が選ばれたい」と考える傾向にあります。それは、たとえ上司になっても変わりません。できのいい部下を見ると、「自分の立場が危ぶまれる」と危惧し、攻撃的になったり、評価が厳しくなったりする人もいます。主観が入りやすくなるんです。

――「ライバル心を持たない」というのは、意識していてもなかなか難しいことですよね。具体的にはどういうことを心がければよいでしょうか?

齋藤:自分の持っているものに目を向けてください。たとえば、「子どもがいる相手に嫉妬する」というのであれば、「子ども」という、今の自分にはないものに無意識に焦点を当ててしまっています。そうではなく、独身だからこそ「自由にできる時間がたくさんある」「恋人に愛されている」という点を意識しましょう。そうすれば、ライバル心は生まれなくなります。

想像以上の働きをしてくれるのも女性

齋藤:仕事をするにあたって、男性は出世や給料を目標にしがちです。しかし、女性は男性に比べて純粋で、「人」や「職場」にやりがいを見いだす人も多いんです。信頼している上司のためなら残業もなんのその、大好きな職場に貢献するためなら多少無理してでも頑張る……。

そういったやり抜く力、潜在的な能力は非常に高いので、自己評価の低さや女性同士の嫉妬心を解消し、おのおののライフスタイルに理解を示してあげれば、想像している以上の働きをしてくれるんですよ。

(小泉ちはる)

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