フィンランド、どこで何をしよう? vol.4

フィンランドで見つけた人と地球に優しい生活4つ

フィンランドで見つけた人と地球に優しい生活4つ

日本とほぼ同じ面積でありながら、国土の7割以上が森で、約18万8000個の湖を有するフィンランド。暮らしのすぐそばに自然があるフィンランドは、「2035年までにカーボンニュートラルを目指す」と発表し、SDGsに積極的に取り組んでいる国としても知られています。

たとえば、Visit Finlandでは「サステナブルに旅をする」を掲げ、自然に優しい移動手段を勧めるほか、人々と環境に敬意を持って接すること、地元の旬な食材を食べることなどを意識的に選択することを呼びかけています。

フィンランドで見つけた「人と自然に優しい生活」を紹介します。

1.ミニマルに暮らす

見た目はコンパクトだけど、驚きの快適さ。

「マヤマヤ(Majamaja)」はヘルシンキから自転車で30分ほどの場所にある小さなキャビン。

壁からテーブルと食器棚が現れた!

このキャビンのポイントは、太陽光を使った自家発電が使用されているほか、設備や機能も必要なものだけがコンパクトに設計されているところ。

部屋からの眺めよし。

バルコニーからも当然、最高!

部屋やバルコニーから、海とヘルシンキの島々の景色をのんびりと楽しむことができます。建物自体も、建設時に岩のそばに穴を開けただけでその場所に建てられており、解体してもほぼ環境を壊さない配慮がされています。

「マヤマヤ(Majamaja)」の予約は…https://majamaja.com/

2. 古いものも大切にする

クラシックな外観です。

ホテルのさまざまな場所で、懐かしさを発見できる。

国鉄本社時代、実際に使われていた案内板をそのまま保存。

古い建物を新たに活用するのもポイント。例えば、2021年にオープンした「スカンディック・グランド・セントラル・ヘルシンキ・ホテル」は1909年から鉄道会社のオフィスとして使われていた建物をリノベーション。

また、美術館「アモス・レックス」も1936年に建てられた複合型の商業施設をリノベーションして新たに生まれ変わりました。オープニング展では日本のチームラボが新作を発表したことも話題にとなりました。

不思議な空間。

廃材を活用した展示。

建物内部から見ると、新たなアートに…!

「アモス・レックス」公式ページ…https://amosrex.fi/

3. 循環させる

リサイクルマシーンにペットボトルを投入。

返金額が記載されたレシートが戻ってきます。

リサイクルマークのあるペットボトルや缶を、主にスーパーに設置されているリサイクルの機械に投入するとお金が戻ってきます。

このお金は、もともと購入時の代金に含まれているもので、リサイクルをすることで返ってくるものなのですが、そうと分かっていてもちょっと嬉しくなる仕組みです。買わせ上手。

戻ってきたお金でキャンディーを購入!

返金金額が記載されたレシートで新たに商品を購入したり、購入金額からその分を差し引いてもらったりと買い物をするときに自由に使用することができます。

このデポジットリサイクルシステムは、誰にでも開かれているので、フィンランドでリサイクルマークのついた容器のものを購入したらぜひ試してみてください。

また良いものを大切に長く使うことを大切にするフィンランドの人たちにとって、セカンドハンドショップ(リサイクル店)やフリーマーケットの活用はごく日常なのだそう。

4. 共に生きる

デパート群から程なくして立派な湖が登場。

首都ヘルシンキでも自転車で少し走るだけで豊かな湖や、気持ちいい森にアクセスできます。フィンランドには「自然享受権」があり、その土地の所有者に損害を与えない限り、全ての人に対して他人の土地への立ち入りや自然環境の享受を認められています。「誰でも自然を楽しんでいい」ということが認められているんです。

さらに少しいくと、立派な森が…!

気持ちいい!

自然の恵みを享受できること、当たり前のようでいて、ちゃんと権利として明言されていると「自分にも権利がちゃんとある!」と思えて安心感に包まれるようでした。

案内してくれたのは… https://www.heltours.com/

Photographer Tuomas Uusiheimo/Visit Helsinki

また、2018年に開館した図書館「オーディ」もみんなの憩いの場として活用されています。

リビングのようにゆったりくつろげそうなソファスペースも。

3階にある市民バルコニーは、国会議事堂に対して“同じ目線の高さ”になるよう設計されていて、市民も政治も対等であると国からのメッセージが込められているのだそう。互いを信じられること、信じているとメッセージを送り合えることは幸せの秘訣なのかも。

「図書館は誰に捧げられるべきか?」という質問に寄せられた回答がフィンランド語で書かれた螺旋階段。

オーディ公式ページ… https://www.oodihelsinki.fi/

フィンランドを旅していて気づいたのは、政府も企業も市民も、自分たちの暮らしを良くしようとひとりひとりがエコでサスティナブルなアクションを選択していること。誰かがめちゃくちゃ頑張るのではなく、みんなで少しずつ、できることを当たり前にやっていくこと。それこそまさに持続可能な取り組みなのでしょう。

(取材・文:安次富陽子)

<取材協力>
Visit Finland(フィンランド政府観光局) https://www.visitfinland.com/ja/
ヘルシンキ観光局 https://www.myhelsinki.fi/
タンペレ観光局 https://visittampere.fi/

<読者のみなさまへ>
渡航についての条件等は国内外で日々変化しています。下記に紹介するサイトなどで、信頼できる最新情報を各自でご確認のうえ、旅の計画をお願いいたします。世界中を安全に回れる状況が、1日も早く戻ってきますように。

外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

フィンランドで見つけた人と地球に優しい生活4つ

関連する記事

編集部オススメ

2022年は3年ぶりの行動制限のない年末。久しぶりに親や家族に会ったときにふと「親の介護」が頭をよぎる人もいるのでは? たとえ介護が終わっても、私たちの日常は続くから--。介護について考えることは親と自分との関係性や距離感についても考えること。人生100年時代と言われる今だからこそ、介護について考えてみませんか? これまでウートピで掲載した介護に関する記事も特集します。

記事ランキング