花粉が多い時期、目のつらい症状がとても気になります。外出時でも自分でできるケア法が知りたく、鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長に、花粉症の目の症状をケアするツボを教えてもらいました。
目をこすらずにツボ押しでセルフケア
はじめに丸尾さんは、
「花粉が目の粘膜に付着すると、目のかゆみや充血、異物感、ゴロゴロ感、涙目、かすみ、しょぼつき、腫れなどの症状が現れます。そのときに目をこすると、角膜を傷つけて炎症が悪化することもあります。目を触らないで症状を緩和するには、ツボ押しが有用です」と話し、セルフケア時の注意点を次のように伝えます。
「目のまわりは皮ふが薄いため、強く押さないようにしてください。押しやすい指の腹で、ツメを立てずに、ツボを軽くくるくると回すぐらいで良いでしょう。ひと押し5~10秒ほどを3~5回くり返します」
目の症状をケア…目の周りのツボ5つ
どのツボも花粉症の目の症状のほか、目の疲れ、頭痛、頭重感、肩こりの緩和にも作用します。
・瞳子髎(どうしりょう)
目じりから、おや指の幅の半分ほど外側にある骨の際のくぼみ。左右にあります。
・攅竹(さんちく)
眉毛の内側の端、骨の際。触るとコリコリとするところ。左右にあります。
・睛明(せいめい)
目頭と鼻筋のあいだのくぼみ。左右にあります。目が疲れたときにここを指の腹で押さえる人は多いでしょう。
・太陽(たいよう)
眉毛の外側と目じりの中間地点の高さから、おや指の幅1本分ほど外側にある骨の際のわずかなくぼみ。左右にあります。
・四白(しはく)
瞳の中心から下へ、目の下の骨のへりからおや指の幅1本分ほど下。左右にあります。
目、鼻の症状もケア…後頭部にあるツボ2つ
次の2つのツボとも、目、鼻、耳のさまざまな症状、また頭痛、頭重感、肩こり、めまいなどに作用する万能ツボとしても知られています。両方とも、手で頭を支えておや指の腹でやや上に向かって押しましょう。またはひとさし指やなか指を揃えて、左右にさするのも良いでしょう。2つを合わせて刺激するとより有用です。
・天柱(てんちゅう)
首の後ろの2本の太い筋肉(僧帽筋)と髪の生え際が交差するところ。左右にあります。わかりにくい場合は周囲を指の腹で探り、いた気持ちいいところを探しましょう。
・風池(ふうち)
上の天柱から、少しだけ外側にあるくぼみ。左右にあります。
聞き手によるまとめ
すべてのツボを試してみたところ、花粉が多い時期によく悩む目の充血や涙、ごろごろ感などの不快感が緩和されることが実感できます。視界も広がるように思います。目の周囲や後頭部の近い場所に一連のツボがあり、覚えやすく押しやすいので、目の疲れや頭痛、肩こりのときにも継続してツボケアができそうです。
(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)