われわれの世代はmixi
スー:インターネット黎明期から書いてた感じですよね。
pha:そうですね。
スー:2ちゃんとかにいました?
pha:見てはいましたけど、そんなに書いてはないですね。ツイッターは最初期の2007年からやってました。それ以前は、ブログは、ブログ以前のウェブ日記と呼ばれていた頃から書いてましたね。
スー:ずっと「はてな」ですか?
pha:そうです。ブログになる前は「はてなダイアリー」だったんですけど、その頃から書いてました。
スー:SNSはどこから?
pha:なんだろう、mixiかな。
スー:やっぱり。われわれの世代はmixiですよね。
pha:mixi今思うと楽しかったな。
スー:サンシャイン牧場*でまた蕎麦を収穫したいですよ。牧歌的な懐古厨みたいなこと言いますけど。
*mixiで展開されていた牧場育成シミュレーションゲーム
pha:サンシャイン牧場懐かしい……。僕はIDが8000番台くらいでした。
スー:私いくつだったろう。覚えてないな。でもmixiでできた友達とはいまだに仲良かったりして。
pha:いいですね。コミュニティで知り合ってオフ会で仲良くなる、とかありましたね。今のネットとは全然雰囲気が違いますよね。今は世界が大きくなりすぎたせいか、すぐ殺伐とする。
スー:けんかだけんかだって。
pha:ちょっとうかつなことを書いたら知らない人がいっぱい寄ってきて炎上するし。
スー:燃えたことあります?
pha:僕はないかも。そんなに強く主張したり、人を攻撃したりしないからかな。ネットは強い言葉を使う人ほど自分も強い言葉でたたかれるので。
スー:自分のことさえ喋っていれば燃えないんですよね。いまはmixi時代にはなかった対立がそこかしこにある。
pha:なんですかね。昔に比べて意識が向上して問題化されるようになったこともあると思うし、そういうのはいいことだと思うけど。「#MeToo」とか。でも不毛な炎上も多いと思う。
スー:相互理解というところからは離れていってる気がします。
pha:ツイッターで男がどうとか女がどうとかの話はあまり言いたくないな。戦場なので。有益なやりとりができる気がしない。明らかにおかしいことを言ってる人がいると何か言いたくもなるんだけど、言ったところで曲解されたり屁理屈のうまい人が絡んできたりしてろくなことにならない。言わなくても分かってる人は最初から分かってるし、分からない人は言っても分からないし、あまり意味がないのでは、とか思っちゃう。
スー:と同時に、ツイッターには中毒性もあって離れられなくて。
pha:あ、結構中毒してますか?
スー:してると思います。エゴサもするし。
pha:僕もエゴサしますね。ツイッターはやめられないなあ。たまにツイッターに疲れるとfacebookを見たりするけど。ツイッターに書くと変に広まりすぎそうなことは限定公開のfacebookに書いたりします。
スー:クローズトなところですものね。でもfacebookもだいぶ人がいなくなりましたね。
pha:そうですね。高齢化してますね。若者がいない。
スー:新陳代謝してる感じないですもんね。ツイッターはまだ若い子がたまにいたりするけど。でも、もう増えないだろうな。
pha:10代の子とか、若者はネットの別の場所にいるんでしょうね。
ネットだといつまでも子どもでいちゃう
スー:ネットをやり始めた頃、われわれも若者だったじゃないですか。だけど、もう、若者ではないっていう状態と、インターネットの関係性がイマイチわかっていなくて。大人としてのインターネット上の振る舞いっていうか、ネットだといつまでも子どもでいちゃう。
pha:確かに大人っぽい使い方を思いつかない。
スー:図書館ならわかるけど、大人のインターネットの使い方ってなんなんだろう。
pha:facebookで、良いワインとか良いお寿司の写真ばっかりあげてるおじさんとかいるけど、それが大人っぽいインターネットの使い方だとも思えない。ネットをやらないのが大人らしさなのかも。
ツイッターを見ると、いい年した人がすごく大人気ないことを言ってるのをよく見るけれど、ネットは人間の子どもっぽさを引き出してしまうツールなのかもしれない。
スー:たしかにそうだ。60歳とかになっても、私はSNSやってるのかな。どうやって向き合ってるんだろう。
pha:今と変わらないんじゃないですか。エゴサしつつ、だるいとか言いつつ、変わらずネットばかりやってそう。それは大人っぽくないのかもしれないけど、それはそれで、いくつになっても子どもっぽくいられる場所があるというのはいいことなのかもしれない。