若い頃からだるかった
スー:あ、今日はphaさんにお土産持って来たんですよ。こういうとこ、過干渉で私のよくないところなんですけど。「だるい」が口癖のphaさんに……。
pha:フォームローラーだ。
スー:ゲームをやって首が痛いとツイートしてたので。
pha:僕、一つ持ってるんですけど、最近割れたんです。上に立って遊んだりしてたせいなんですが。うれしい。ありがとうございます。
スー:私も、仕事場と家に置いてます。だるいですよね。毎日。
pha:体がね。でも僕は若い頃からだるかったんですよね。
スー:体力がないとよく書いてらっしゃいますが、他の人と比べて体力がないことを自覚したのはいつくらいなんですか?
pha:20代の頃から疲れやすいなって思ってましたね。徹夜とか昔からできなかったし。
スー:徹マンみたいなものとかは?
pha:徹マンはやってたけど、翌日はつぶれてましたね。朝まで麻雀して、学校をさぼって、夕方くらいに起きてくる、みたいな。徹夜をして次の日も何か活動するというのは昔からないから、そういう意味では40歳になってもそう変化はないですね。
40代になったのに忙しい
スー:私は最近の自分に「40代しぐさ」みたいなものを如実に感じます。疲れやすくなるとか、頑張りがきかない、みたいな。変化が楽しくもあるんですけど。ここ数年でそういう変化ってあります?
pha:じわじわ全体的に悪くなっている感じはありますね。肩こりも昔からあったけど、昔よりひどくなっているのは分かる。そういう感じ。
スー:スマホゲームとパソコンのゲーム両方やってるんですよね。
pha:やってますね。よくないんですけどね。
スー:スマホゲームは何やってるんですか。
pha:しょうもないブロックを並べて消す「Toon Blast」というのをやっています。
スー:私もジュースジャムをやり続けてます。それもやっぱりフルーツを並べて消すだけなんですけど。いま3700面。
pha:僕も3000面くらい行ってます。くだらないなと思いつつ、何も考える気がしないとき、あれならできるんですよ。
スー:そう。確実に疲れるし、目も悪くなるし、首も痛くなるのが分かっているのに、やらないと気が済まないというか。
pha:他のことは何もする気がしないくらい疲れているときにやりたくなりますね。本を読んだりする気力はなくて、複雑なゲームもできないんだけど、それならできるみたいな。
スー:分かります。大人になって、なんでこんなことしてるんだろうって情けないですけどね。
pha:スーさんは若い頃と今で体力的に違う感じって、如実にありますか?
スー:ありますね。異常に丈夫な体に産み育ててくれた親に感謝でして、今でも同世代に比べれば無理はきく。ただ、こんなに忙しくなると思っていなかったから。今は借金の利息だけ返しているような毎日。元本が全然減っていかない。本当にやりたいことに、いつまでたっても手がつけられないような焦りがあります。
pha:本で、40代になって忙しくなるとは思わなかったって書いてましたけど、それは依頼がいっぱいくるという意味で忙しいんですか。
スー:そうですね。あと上の世代の人たちは同じ仕事でも単価が高かったから、たくさん受けなくても回っていたって言います。今、周りの友達はみんな、下が入ってこないもんだからプレイングマネージャーみたいに働いてますよね。
pha:若者が育ってない?
スー:そもそも会社が採用してなくて、ひとり辞めて5人のところを4人で回して、4人で回せるなら3人でやって、と追い込まれるみたいな感じですね。
pha:若くて有能な人いっぱいいるのにね。
スー:そうなんですよ。そこのマッチングがうまくいってない。
pha:僕もわりと40代になってから忙しいというのは感じていますね。あまり忙しくしたくないので、そんなに依頼があっても引き受けないんですけど。
スー:今日は私、自分を忙しくしない方法を聞きに来たのもあるんですけど、そのphaさんも忙しいのか。
pha:でも僕の「忙しい」は多分、一般人の3分の1くらいじゃないかな。2日連続で予定が入ってると忙しいと感じるくらいのレベルなので……。活動した次の日は何も予定を入れたくない。
今月は僕ほんとにやる気がなくて、毎日8時間くらいひたすらパソコンでゲームをやってましたね。現実世界よりゲームの中の世界のほうが面白い、と思ってひたすら没入していました。まあそういう時期があってもいいんじゃないかと思います。冬は寒いですし。
※次回は3月26日(木)公開です。
(写真:宇高尚弘)