冬の憂うつケア・第4回

憂うつや不安感に…ツボケア「体」編3つ【心療内科医に聞きました】

憂うつや不安感に…ツボケア「体」編3つ【心療内科医に聞きました】

冬は憂うつ感が増す、うつ病の患者さんが増えるということで、その症状や原因、またセルフケアの方法について、心身医学専門医・心療内科医で、野崎クリニック(大阪府豊中市)の野崎京子院長に連載でお尋ねしています。

【第1回】眠くてたまらない、食べすぎ…もしかして冬季うつ病?
【第2回】冬は落ち込みやすい…憂うつ、不安なときのセルフケアツボ3つ
【第3回】心療内科医に聞く、手にある「憂うつ・イライラのケアツボ」3つ

第2回は野崎医師が実践する方法として「腕」のツボケア、第3回は「手」のツボを紹介しました。引き続き今回は、憂うつ感を緩和するツボケア「体」編を教えてもらいましょう。

ツボの刺激で「気・血・水」のめぐりを改善

野崎医師はまず、ツボについて、「東洋医学ではツボは『経穴(けいけつ)』と呼びます」と話し、その役割についてこう説明します。

「心身のエネルギーである『気』と、血液を表わす『血(けつ)』、体液を示す『水(すい)』のいずれか、あるいは全部の循環が滞ると、心身に不調が現れると考えます。

ツボケアは気・血・水のめぐりを改善するために、特定のいくつかのツボを刺激して体調を回復に導こうとするものです。

憂うつな気分のときに、自分自身や親しい人とケアし合えるツボをいくつか知っておくと、便利に活用できるでしょう。また、第2回でお話ししたように、ツボを押すという行為そのものが憂うつ気分のケアになる、という可逆的な考え方もできます」

そこで、憂うつ気分をケアするための、体にあるツボを3つ挙げてもらいました。「どれも鼻から息を細く静かに吐きながら押しましょう。場所は個人差があるので、紹介する位置を目安にして、その周囲を自分で探してください。また、ツメを立てずに指の腹を使ってイタ気持ちいいと感じる程度にそっと押します。あざになるほど刺激し続けないようにしましょう」と野崎医師。

胸、背中、肩にそれぞれある3つのツボに注目

(1)ツボ・膻中(だんちゅう)を刺激する

「膻中」の「膻」は病気の原因となる邪気の侵入を防いで心臓を守る、「中」は真ん中や囲い込むという意味があり、心臓を包み込んで守るツボの意味だと言われます。不安感や恐怖感、憂うつ感、イライラなどを緩和し、動悸(どうき)や息切れ、めまい、せき、たんなどの改善にも働きます。

<ツボ「膻中」の位置>

ツボ_ダン中

左右の乳頭を一直線に結んだ真ん中にあります。

<刺激法>
両方のなか指を重ねて、ゆっくりとひと押し5~10秒ほどの刺激を3~5回くり返しましょう。

(2)ツボ・心兪(しんゆ)を刺激する

「心兪」の「心」は心臓、「兪」は邪気の体内への入り口、また邪気を追い払う場所を意味します。心臓の働きを守ってストレスを和らげるツボとして知られ、憂うつ感、イライラ、ドキドキ、頭重感、動悸(どうき)、のぼせ、胸痛、また背中や肩のはりなどの緩和に働きます。

<ツボ「心兪」の位置>

ツボ_心兪

このツボは自分では押しにくいので、誰かに見つけてもらうとよいでしょう。首を下に向けたときにでっぱる首の後ろの骨から下に、背骨のでっぱりの5つめと6つめの間のへこみを見つけます。そこから左右の外側へおや指の幅1~2本分ほど離れたところ。わかりにくい場合は、けんこう骨の下の端を結んだラインと、上の端(けんこう骨が背骨側に飛び出ている端)を結んだラインの真ん中あたりの高さを目安にします。左右にあります。

<刺激法>
誰かに手のひとさし指となか指を揃えて、左右のツボを同時にやや強く、ひと押し5~10秒ほどを3~5回くり返し押してもらいましょう。または、心兪のあたりにカイロを貼る、シャワーをあてるのもよいでしょう。

(3)ツボ・肩井(けんせい)を刺激する

「肩井」は肩の井戸という意味です。井戸は生命を維持するエネルギーが湧き出る場所を表すと言われます。憂うつ、不安感、イライラを抑え、また、頭痛、のぼせ、肩こり、首こりの特効ツボとして知られます。さらに、目や耳、歯の痛み、冷えなどの改善にも働きかけます。

<ツボ「肩井」の位置>

ツボ_肩井

乳頭から真上に行った、肩の一番高いところのへこみ。左右にあります。

<刺激法>
反対の手のひとさし指となか指で、強めにもむように、鼻から息を吐きながら5~10秒ほどの刺激を3~5回くり返します。左右とも行いましょう。

最後に野崎医師は、「憂うつや不安感を覚えたらすぐに、また、日ごろからデスクワークの休憩中やバスタイム、寝る前などにも呼吸を整えながら押してみてください。ツボをゆっくり押すというリラックスタイムを持つことも、憂うつケアのコツと言えます」とアドバイスを加えます。

さっそく試したところ、膻中と肩井は自分で押しやすく、呼吸と合わせてゆったりとケアができます。心兪にカイロを貼ると、それだけで気持ちが落ち着く感覚がありました。普段から実践してみてはいかがでしょうか。

(取材・構成・文 藤原 椋 / ユンブル)

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