秋山ゆかりさんインタビュー第1回

それって「ルール」を知らないせいかも…デキる人なのに評価がイマイチな理由

それって「ルール」を知らないせいかも…デキる人なのに評価がイマイチな理由
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仕事ができて優秀なのに、なぜか評価されていない女性の先輩。学生時代から優秀で同期の出世頭だったのに中間管理職になった途端、出世が止まってしまった女友だち。私のほうが真面目に仕事もして結果を出しているはずなのに、同期の男性に比べて上司からの評価がイマイチな気がする……。

「女性活躍」と叫ばれているわりには、昇進してキャリアアップする女性が少ないのはなぜ? 優秀なはずなのに評価がパッとしないのはもしかしたら「仕事」や「出世」のルールを知らないからかも……。

そんな、女性が気づきにくい「ルール」についてつづった秋山ゆかりさんの新刊『自由に働くための仕事のルール』『自由に働くための出世のルール』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が5月に同時発売されました。

20代でボストン・コンサルティング・グループ(BCG)で戦略コンサルタントとしてビジネスの基礎を学び、その後ゼネラル・エレクトリック(GE)やIBMなどのグローバル企業で管理職を歴任。現在は事業開発コンサルタントとして活躍中の秋山さんに、働き女子が知っておいたほうがいいことについて4回にわたって伺いました。

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なぜ「父がわたしに教えてくれなかったこと」なのか?

——本書は日経ビジネスオンラインでの連載「秋山ゆかりの女性キャリアアップ論」の内容を再編し、まとめたそうですね。副題に「父がわたしに教えてくれなかったこと」とありますが、副題に込めた思いを教えてください。

秋山:全米でベストセラーになった『ビジネスゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方』という本をご存知でしょうか? 原題は「母が教えてくれなかったゲーム(Games Mother Never Taught You)」で、1977年にアメリカで出版されベストセラーになった本です。40年も昔に書かれた本なのですが、「男性主導の組織で女性がどう動くのか、見えざるルールを理解しましょう」という今でも通じるルールが書かれているんです。

私のキャリアにとってバイブルのような本だったので、その本に影響を受けたことが理由の一つです。

ではなぜ「父」なのか? という点ですが、私は団塊ジュニア世代なんですが、団塊ジュニアは母親が専業主婦という人がすごく多いんですね。だから、社会のルールは、働いている父親から学ばなければいけないんですが、うちの父親は出張でほとんど家にいなかった。父親と話すことはあまりなく、本当はこういうことを父親から学びたかった、という思いもありました。

さらに、『ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方』では、結婚、出産、育児のときはできるだけ外注して、全部丸投げしてでも自分たちのキャリアを築いていこう、というメッセージが強かったんですけれど、私はそういう生き方ではなくて、仕事も家族との時間も大事にしたい。どちらも欲しいと思ったんです。

「バリキャリの母親」はもしかしたらこの本のように「どちらかを選びなさい」と言うかもしれないけれど、「父親の立場だったら違うことを言うのではないか?」 と思い、こちらの副題をつけました。

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「誰かに守ってもらう」はリスク

——この本のテーマが「出世」だと思うのですが、最近の女性は管理職になりたがらない、有名大学を卒業しても一般職を希望する(参考記事:慶大、早大、青学卒の女性も「一般職」に殺到)という話も聞きます。おそらく、仕事とプライベートの両立を考えてのことなのでしょうが……。

秋山:私もそのニュースを聞いて倒れそうになりました。一般職についたらビジネススキルは身につかないし、男女の差はますます広がっていきます。たとえ、結婚や出産にいたっても配偶者に何かあれば将来の保証はありませんよね。

私自身も結婚がすごく早く、誰かに守ってもらえれば幸せになれると思っていた時代もあるのですが、あの生き方は男性にとっても重いだろうなと思いますし、相手に一方的に依存して生きていくのはリスクだと思います。

そんな苦い経験があるので、後輩にあたる女性たちには自由を失わないためのキャリアをきちんと考えてほしいと思いますし、自分のライフイベントによって働き方をコントロールする方法をスキルとして持っておいてほしいと思っています。

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女性が知らない「ルール」がある

——もともとは男性社会であったビジネスの社会で、女性が昇進して自由を獲得するために女性が知っておかなければいけない「ルール」があるんですね。

秋山:世の中には明文化されていないけれど、多くの男性はすでに知っていて共有しているルールがあって、そのルールはいずれ変わっていくかもしれないし、自分たちで変えられるかもしれない。

でも、今の時点で運用されているルールを知らないことで著しく自分が損をしたり、居心地が悪くなったりするのであればそのルールは知る必要があると思います。そのルールを知った上で、それを使うか使わないか、そのルールに沿って生きるかどうかは自分で決めればいいこと。

この本では女性が働いていく上で「武器」になることを紹介して配っているつもりです。そして、今は「武器」かもしれないけれど、5年後、10年後にそうでなくなっていることを強く願っています。

※次回は7月10日(火)掲載です。

(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS)

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