DJあおいさんと「仕事がデキること」について考えていく連載「私は仕事ができない。」47回目のボヤきは「何者かになりたい私」です。
【今週のボヤき】
新卒で大手企業に入社して10年間働いたのち、ベンチャー企業に転職しました。前職では営業をやっていたのですが、あまりやりがいを感じることができず、自分の力を試してみたいと思い転職しました。
いざ働いてみると、まわりは「何らかのプロフェッショナル」ばかりで気後れしています。少数気鋭の会社なので当然だとは思うのですが、みんな自分の“肩書き”に誇りを持ってプロの仕事をしている姿が眩しいです。
翻って自分を考えてみると、一通りの売り上げや結果を出すことはできているのですが、「私は○○をやっています!」「○○のプロです」と堂々ということができません。営業が向いてはいるけれど、もっとほかにやりたいことがあるはず……といつも心のどこかで考えています。
あなたは営業タイプ?それとも職人タイプ?
営業のような様々な人と関わる仕事に求められるのは「浅く広く」といった万能タイプの能力で、
プロフェッショナルな職人タイプの仕事に求められるのは「狭く深く」といった何かに特化した能力で、
自分の関わることを好きになることができる柔軟な人は営業に向いていて、
自分の好きになったものしか興味が持てない頑固な人はプロフェッショナルな仕事に向いていて、
営業に向いている人は外交的で協調性があり広い視野を持っている反面、個人プレーが苦手で一点に集中することができない欠点を持っていて、
職人タイプの仕事に向いている人は独創的で集中力があり深い視野を持っている反面、チームプレーが苦手で協調性に欠ける欠点を持っていたりします。
人はないものねだりをする生き物だから…
どちらも特性は一長一短で、正反対の性質を持っているものでして、お互いがお互いの欠けている部分を補い合い社会で共存しているもの。
タイプは違えどその価値は等しくどちらも社会にとってなければならないものなんですよね。
人というのは基本的にないものねだりをする生き物ですから、営業タイプの人は職人タイプの人に憧れを持っているものであり、職人タイプの人は営業タイプの人に憧れを持っているものなんですよ。
自分が持っている能力は「当たり前」って思いがち
自分の持っている能力って、それに慣れてくるとそれが「持っていて当たり前のもの」になってしまうんですよね。
それが当たり前のものになってしまうと自分に足りないものばかりが目につくようになってしまい、自分の仕事に自信を持てなくなってしまうんですよ。
そうなるとないものねだりで自分とは正反対の性質を持った人や職種への羨望が芽生えてしまうということです。
自分にとって大事なものは何?
自分の特化した能力は自分に欠けているものを補うためについた能力。欠点があるから長所ができるということ。
おそらくは職人タイプに向いていない性格だから営業タイプに特化した能力がついたんじゃないですかね。
自分の得意を活かしたほうが社会に貢献できるとは思いますが、その得意を見失っているのならあえて苦手分野に挑戦してみるのもいいのかもしれません。
回り道をして自分にとって大事なものを再確認することはよくあること。
立ち止まっているくらいなら一周回って戻ってきたほうが実りのある人生になると思いますよ。