【今週のボヤき】
ゆるすぎる職場に不安を覚えています。営業職なので、直行直帰が当たり前でやることをさえやっていれば上司もうるさいことを言いません。個人プレーがメインなので、煩わしい人間関係もありません。他社から転職してきた人は、うちの会社のゆるさに驚くと同時に居心地がよくなってしまいなかなか辞めません。
まあそれはいいと思うのですが、結婚・出産を考えると営業職をずっとやっていくつもりはないですし、他の職場での経験も積みたいのでいつかはこの会社を辞めることになると思います。ただ、今の会社のゆるさに浸かりきった自分が他の職場や会社でやっていけるのか不安です。
その厳しさが「優しさ」だったりする
上司が口うるさかったり規律が厳しかったりする職場というのは、上司や会社が社員の結果に責任を持っているところでして。
部下の不始末は上司の不始末であり、社員の不始末は会社の不始末であり、個人の責任ではなく連帯責任として捉えているところなので、そういう意味で言えば面倒見がよいのは規律が厳しいところなんですよ。
よい結果が出せるように逐一チュートリアルしてくれる環境なので迷子になることのない優しい環境でもあるわけです。
その弊害として個人の尊重が侵害されて窮屈に感じることもありますが、言うことを聞いてさえいれば全責任を問われることはありません。
上司が口うるさくて規律が厳しく、業績を上げれば会社や上司のおかげ、失敗すればお前のせい、というブラックな環境もありますが、基本的に厳しい環境というのは一緒に責任を負ってくれるところなので、あながち厳しいというわけでもないんですよ。
この世で最も厳しい環境は…
ゆるくて上司が何も言わない環境というのは、徹頭徹尾「結果がすべて」な環境であり、功績がすべて自分のものになる代わりに失敗の責任もすべて自分のものになってしまう環境でもありまして、結果が出なければ予告もなしにある日突然切られてしまう厳しい環境なんですよ。
「自由」というものほど扱いが難しいものはないもので、すべて自分で自分の行動を管理して、誰に叱咤激励されることもなく自制して仕事をして結果を出さなきゃならないわけです。
この世で最も強敵となるのは弱い自分で、弱いくせにこいつがやたら強くて、いつも苦戦は必至。そういうときに頼りになるのが、自分とは違う人の厳しい叱咤激励だったりするんですよね。
自由であるということは弱い自分とひとりで戦っていかなければならないことであり、そのためには強靭な自制心が必要なんですよ。
自由であることのひとりの厳しさから見たら、親切丁寧に口やかましく叱ってくれる人がいる環境が羨ましく思えるんです。
この世で最も厳しい環境というのは自由な環境であり、その自由な環境の厳しさというものを経験をもって理解している人は、どんなに厳しい環境でも対応できます。
ゆるい環境に甘えて楽に浸かっているうちはまだまだ経験が足りないのかもしれませんね。
自分が薄氷の上にいることを理解できるまで、もう少し今の仕事を見直してみたほうがいいと思いますよ。