空がどんより厚い雲で覆われると、頭もズーンと重たくなる。
季節の変わり目はやる気が起こらず戦意喪失、仕事がまったくはかどらない。
ただでさえ生理の日はツラいのに、雨が降ると吐き気まで……。
と思い当たったあなたは、天気によって体調や気分が左右される、低気圧女子かもしれません! 気象予報士で、『低気圧女子の処方せん』(セブン&アイ出版)を上梓したばかりの小越久美(おこし・くみ)さんに、女子の正しい天気との付き合い方をレクチャーしていただきます。
最終回となる第8回は、症状改善のために日常生活の中でできる工夫について聞きました。
1. 発酵食品をプラスワンで腸内環境を整える
前回、「お天気日記」のつけ方を教えてもらいましたが、普段の生活の中でできることはあるのでしょうか。
「お天気と自律神経は深く関係していますので、自律神経のバランスを整えることが、低気圧女子の症状改善には効果的です。
自律神経の第一人者である順天堂大学の小林弘幸教授によれば、自律神経の働きを全体的によくしていくことが大切で、そのためにはまず、腸内環境を整えるのがいいそうです。
腸内環境をよくするには、食物繊維の多い食事を心がけること。
野菜、果物、もち麦、切り干し大根、抹茶などに多く食物繊維が含まれますが、自炊が難しい場合には、質のいい食物繊維のサプリメントを摂るのも有効だそうです。
そして、善玉菌の働きをサポートする乳酸菌も意識して摂りたいところです。
ヨーグルト、納豆、キムチ、甘酒などの発酵食品を、いつもの食事に1品足すだけで、乳酸菌の摂取量が増えます」
2. 天気によって歩くスピードも意識してみて
食事から腸内環境を変えていくには少し時間がかかりそう。もっと手っ取り早くできることがあるといいのですが……。
「お天気によって、歩く速度を変える。これなら、誰でもすぐに実践できますよね。
こちらも小林教授からのアドバイスですが、雨の日はリラックスさせる神経である副交感神経が優位になりがちなため、意識的に動いて交感神経を刺激してあげるのがいいそうです。
具体的には、お天気が下り坂のときほど早起きをして、ストレッチをしたりキッチンに立って朝食の準備をしたりする。家を出たら早歩きをする、というのがいいそうです。
反対に、晴れの日はアクティブを司る神経である交感神経が優位になりがちなので、リラックスするような行動を心がけるようにします。
晴れた日は青空を見上げ、深呼吸をして、ゆっくり歩く。空模様によって自分の行動を決めるのは、ゲーム感覚で実践できて楽しいですよ」
3. 焦る、急ぐ、イライラ…気をつけたいNG行動
自律神経の働きをよくするために、ほかにできることはあるのでしょうか。
「トータルで見たときに、忙しい現代人は交感神経が優位になってしまいがち。また、年齢的にも40歳を過ぎると、副交感神経の働きが弱くなるといわれています。
そのため、自律神経の働きをアップさせて総合力を上げるためには、日頃からリラックスを意識することが大事だそうです。
NG行動は、焦る、急ぐ、イライラ。リラックスするには、これと反対のことを心がければいいわけです。
日常生活でできることとしては、時間に余裕を持って行動する、深呼吸をする、嘘でもいいから笑顔になる、こまめにお水を飲む、夜は湯船に浸かる、寝る直前にスマホやテレビを見ない。
そして大事なことは、ストレスを溜めないこと。ですので、ここで紹介したことを全部やろうとするのは間違いなのです。自分の生活習慣に合わないことを無理やり頑張ったところで、ストレスが溜まるだけ。それでは本末転倒です。
まずは自分のできる範囲で、心地いいと感じることを習慣にして、徐々にできることを増やしていきましょう。そうする間に自律神経の働きが底上げされ、お天気に振り回されっぱなしの低気圧女子から、気づいた時には卒業できていることでしょう」
(構成:今富夕起)