もしかしたら「鉄」不足? やる気が出ない、疲れやすい…不調を感じたら試してほしいこと

もしかしたら「鉄」不足? やる気が出ない、疲れやすい…不調を感じたら試してほしいこと

「朝起きるのが苦手」「疲れが取れずにだるい」「睡眠はとっているはずなのに眠い」……。

「年齢のせいかな?」と思ってなんとなくそのままにしてしまっている症状の原因は鉄不足にあるかもしれません。

誰もが知る身近な栄養素「鉄」ですが、女性の不調に重要な役割を果たす鉄の最新情報を伝えるセミナー「知識をアップデート!女性の人生を好転させる“鉄”の可能性を紐解こう」が、8月3日、東京都内で開催されました。

吸水ショーツメーカーがなぜ「鉄」なの?

登壇したのは、吸水ショーツブランド「Bé-A〈ベア〉」を展開する「Be-A Japan」CEOの髙橋くみさんと、商品開発責任者でサプリメント管理士でもある中村千春さん。

「誰もが自分の可能性を信じて、望みを胸に、すこやかで豊かな人生を歩めるように」を理念とし、女性のエンパワーメントを応援することをモットーとする同社が、吸水ショーツを開発する過程で浮かび上がってきたのが、月経によって多くの鉄分を失う女性たちの「慢性的な鉄不足」という課題。その解決のために、6つの栄養素を配合したサプリメント「ベア ザ・サプリメント Fe(エフイー)」を開発し、5月に発売しました。

「Be-A Japan」CEOの髙橋くみさん

鉄が足りていないと、体内が酸欠の状態に!

鉄の豊富な血液は体内の酸素も豊富

まずは鉄の基礎知識からレクチャーがスタート。鉄と血液を結びつける人も多いと思いますが、血液は赤血球、白血球、血小板、血漿(血腫)から成り立っていて、鉄は赤血球(ヘモグロビン)の材料となるもの。*赤血球の役割は、全身に酸素を運ぶこと。つまり鉄が足りていないと、全身に酸素が運ばれず、体内が酸欠の状態に陥ります。

酸欠の状態が続くと、頭がぼーっとして思考力が落ちたり、少しの動きで息切れを起こしたりすることも。「朝がつらい、寝ても疲れが残っている、といった状態も、鉄不足が原因の場合もある。実は私自身がそうでした」と髙橋さん。

これらの症状、多かれ少なかれ、思い当たる人も多いのではないでしょうか。そんなとき、頭に浮かんでしまうのは、「私がだらしないから」「きっと年齢のせい」など、自分自身に責任を向ける言葉。そうではなく「鉄分不足という現実に目を向けて」というのが今回のセミナーの提案です。
*一般社団法人日本血液製剤協会HPより

「Be-A Japan」商品開発責任者でサプリメント管理士でもある中村千春さん

最も鉄が必要なのは、10〜14歳の成長期

日本人の女性は慢性的な鉄不足。これでは、頑張りにも限界があります。

鉄はそれほど重要な栄養素でありながら、日本人女性の鉄の摂取状況を調べたところ、なんと約半数が鉄不足という結果に*。どの年齢においても生理時にはより多くの鉄を必要とし、過多月経の人、妊婦さんなどは、さらに多くを必要とします。そして、最も鉄が必要なのは、10〜14歳の成長期。この年齢は、男女ともに大人のからだに成長する時期で、女子は生理が始まるため、男子よりさらに多くの鉄を必要とします。

それにもかかわらず、上記のデータを見ると、大人の女性も成長期の女子も鉄が不足していることが一目瞭然。大人だけでなく、育ち盛りである小学校高学年から中学生も、実は、慢性的な鉄不足という現実があります。

中学1年生の子どもを持つ中村さんは「勉強や運動を『頑張りなさい、集中しなさい』と子どもに言う前に、この鉄不足のことを大人が知識として知っておくことが大切」と、自身の経験を踏まえて語りました。

*日本鉄バイオサイエンス学会2004より

必要な鉄を食事でとるのは至難の業

鉄は日々の健康に不可欠なのに、日本人女性は慢性的な鉄分不足。鉄は体内で自らつくり出せない必須栄養素*であるため、毎日の食事からとることが必須なのですが、40代女性が1日に推奨される鉄10.5mgをとる場合、1日に豚ロース肉で3.3kg、ゆでたほうれん草なら1.1kg、納豆なら6〜7パックが必要。これだけの量を毎日食べるのは至難の業です。となると、サプリメントを上手に活用するのが賢い方法なのですが、「このサプリメントの選び方にも注意が必要」とサプリメント管理士の中村さんは訴えます。

*必須栄素とは体内でつくり出すことができないため、必ず食事から摂らなければならない栄養素。

サプリメントは、吸収率の高いヘム鉄がおすすめ

鉄には2種類あり、「ヘム鉄」の吸収率は「非ヘム鉄」の3〜10倍

サプリメントの選び方の話の前に、鉄には動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。この2つの鉄の大きな違いは吸収率。肉や魚などに含まれる「ヘム鉄」は吸収力が高い鉄、海藻や野菜などに含まれる「非ヘム鉄」は吸収率が低い鉄なのですが、厚生労働省によると日本人が食事から摂取する鉄の85%以上が非へム鉄といわれ、吸収率が低いためにとっているつもりでも不足しがち。

以上の観点から「サプリメントは、吸収率の高いヘム鉄がおすすめ」という中村さん。原材料欄を見ると、ヘム鉄は「ヘム鉄」と統一して明記してあるのに対し、非ヘム鉄は「硫酸第一鉄」「グルコン酸第一鉄」「クエン酸第二鉄」などさまざまな名称で明記してあるので、チェックするようにしましょう。

鉄不足による不調を”仕方がないもの”と思い込まないで

医学博士、産婦人科医、広尾レディース院長 で「Be-A」医療アドバイザーを務める宗田聡医師

最後に、医師で「Bé-A〈ベア〉」医療アドバイザーも務める宗田聡医師の言葉を紹介しましょう。

「女性にとって『鉄』は毎日必ずとりたい基本の栄養素、元気の源です。同時に亜鉛や葉酸などのビタミン類も必要ですが、食事で補うのは難しいので、サプリメントでとることをおすすめします。鉄は1日あたり10mgを目安にすると良いでしょう。また、日々口にするものだから品質も大切。原材料や製造方法に信頼できるものを選びましょう。朝が苦手な子どもや、忙しく過ごす女性の鉄不足による不調を”仕方がないもの”と思い込まないで、鉄分補給は試してほしいですね」

これらの知識をベースに賢くサプリメントを選んで、効率良く鉄をチャージすることで、一歩前へ踏み出す元気につながるといいですね。自分が鉄不足かどうかは血液検査でわかりますが、体調の不調は何かしらの病気のサインかもしれません。まずは、医師の診断を受けるようにしましょう。

(取材・文:川原好恵)

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