なかなか落ちなくなるおなかまわりのお肉に加え、アラサー以降一気に押し寄せてくる慢性疲労やマイナー不調。さらには毎月の生理にともなう体のつらさ……と女に生まれたことを恨めしく思う時、ありますよね。
これまで4万人以上の体を改善してきた呼吸整体師の森田愛子(もりた・あいこ)先生によれば、アラサー以降の女性の体には「三大ヤマ場」があるのだとか。
今回は女性の体に訪れる「三大ヤマ場」について聞きました。
女性が不調を感じやすくなる3つのタイミング
女性が一生の中で不調を感じやすくなるタイミングは3つあるそうです。
「女の三大ヤマ場とは妊娠・出産・更年期です。おなかの環境に大きく影響を及ぼすこの時期、どう自分の体と向き合うかが、以降の人生の健康度や充実度を左右します」
子宮環境の変化と、女性の体調の変化は切っても切り離せないもの。
「自分の体や健康をうまくコントロールできなくなるこの時期、女であることを恨めしく思うことがある人もいるでしょう。
女性のおなかは初潮前後から変化があらわれ、そのめまぐるしい内側の変化は大人になった今も続いているのです」
妊活が長引く人の共通点
アラサー以降、特に意識する人が増える妊娠・出産。「近い将来子供を持ちたいと考えているのであれば、今のうちから“おなかのケア”を意識してほしい」と森田さん。
「私はこれまで不妊に悩む患者さんも数多く診てきました。彼女たちは、上腹部がカチコチに緊張していたり、下腹部が風船のように膨張していたりと、ひどい“おなかのクセ”を抱えています。これは、ふだんの呼吸が浅く止まりやすく、慢性的に“力み体質”になっていることのあらわれです」
第1回、第2回で触れたように、「呼吸が浅く体が力みやすい」とは、呼吸の中枢であるおなかを上手に使えていないということ。
「実はおなかだけでなく、それに付随する鼠蹊部(足のつけ根)や股関節も使えていない。この状態が続くと骨盤はガチガチに固まりますし、中におさまっている子宮環境にもよくありません。いつかは妊娠をしたいと思うなら、ふだんから呼吸とおなかを整え、循環のいい体をつくっておくことが大事です」
おなかの二大波乱期を上手に乗り越えて
そして、女性の一生の中で一番不調に陥りやすいのが産後と更年期。この時期は、子宮環境が大きく変わる“おなかの大波乱期”です。
「産後の体調不良、ウツ、尿漏れ、不眠といった症状も、イライラやのぼせといった更年期障害の症状も、いずれも原因は健康の土台であるおなかをうまく使えていないことにあります。
赤ちゃんを産み終えて空っぽになった産後のおなかも、閉経に向かい月経周期が乱れる更年期のおなかも、いたって不安定。そんな状態のおなかを放置すると、不調はエスカレートして、健康とは無縁の体になってしまいます」
妊娠や出産を経験する人が増えるアラサー以降、そして誰しもに訪れる40代……いつでもベストコンディションで、やりたいことは全部、思いきりエンジョイしたい。そのためにも「女の三大ヤマ場」を上手に乗り越えたいですね。
森田先生の最新著書『奇跡の3日腹ペタ – 不調が消える! 体がコンパクトに! 』が3月10日にワニブックスから刊行されました。
(江川知里)