職場で時々失礼なことを言ってくる人や「あれ? これってもしかして嫌み?」みたいなことを言ってくる人がたまーにいるのですが、いつも「そうなんですねー」で流しています。周りのほうがヒヤヒヤして「もっとビシッと言い返したほうがいいよ」「優しすぎるよ」と言われることもあるのですが、私としては「30を過ぎた大人なのだから今さら性根を治そうとしても無駄」「そこまで労力をかけたくないし、関わりたくない」と思っています。他人に意地悪なことを言ってくる人は他でもそうするだろうし、むしろそのままで、ありのままでいてくれれば勝手に自爆するだろうなと思っています。
そういうわけで自分は決して優しくもなく、ただ無関心なだけなのですが、たまにはビシッと言い返したほうがいいのでしょうか? いや、でもそこまで労力をかけたくないんです。
絶対に相手をしてはいけない相手は…
失礼なことを言われたり、嫌みを言われたりするシチュエーションで、最も対応が難しいのは「こいつなら絶対に勝てる」と確信を持てるシチュエーションです。
言い返せばもう二度と生意気な口が聞けなくなるように、完膚なきまで叩きのめすことができる。そんな必勝確実な相手が絡んできたら、思わずムクムクっと意地悪な自分が眠りから目覚めてしまいがちです。
勝利って快感ですから、快感を貪(むさぼ)るように論破論破でフルボッコにしてしまうと、ついついやり過ぎてしまい過剰防衛で加害者側の立場になってしまうんです。
被害者だったのに気が付けば加害者、当然のごとく周囲からの評価もネガティブな印象に変わってしまいますので、他者評価という点において大きな損害を被ってしまうことになります。絶対に勝てると思う相手ほど、絶対に相手をしてはいけない。
結局は「バカはスルーに限る」という兵法が最適解なんですよ。
言い返すのなら最低でも対等と思える人にしておくこと、そして絶対に勝ってしまわないこと、ドローで手打ちにしておくことがお互いのための処世術です。
悪意がない人には…
ただ、自覚もなく失礼な物言いになってしまう人もいますし、そして悪意もなく親しみを込めたつもりが嫌みになってしまう人もいます。
文化圏の違いでコミュニケーションの質も異なりますので、「そういうことを言われると私は傷ついてしまいますよ」と一度は自己申告をしておいたほうがいいでしょう。
それを踏まえて、それでも失礼な物言いや嫌みを言ってくるような人なら、そこには明確な悪意が込められているものだと思ってください。
悪意が込められた言葉なら、華麗に身を交わし、その流麗で美しいスルースキルを見せつけてあげるだけで、相当なダメージを与えることができるでしょう。
悪意を持って攻撃してくる人の目的は、こちらの悪意を引き出して弄(もてあそ)ぶこと、そして被害者という優位な立場に立つことです。
悪意を弄(もてあそ)び、嘲笑することもできない、怒らせて加害者にすることもできなくなれば、奴らの当てが外れた結果となり、ぶつけた悪意を自分自身で処理しなければならなくなります。
自分の中に芽生えた悪意を自分自身で処理しなければならない。これが悪意を持って攻撃してくる人の最も嫌う結末ですからね。これ以上の仕返しはありませんよ。