若い頃のような、ハリ・コシ・ツヤのある美しい髪の毛を懐かしいと感じている方はいませんか? ヒトは加齢以外の要因でも、髪の毛にダメージを与えてしまうことがあります。例えば、紫外線やストレス、冷えや運動不足などによる血行不良によって、髪がパサついてしまうといわれています。そして日々の食習慣が髪に影響を与えることは、髪の毛が体の一部であることをふまえれば想像はしやすいはずです。これをポジティブに考えれば、食事の中身を工夫することで、髪の毛の劣化を食い止め、美しさを磨いていくことが可能であるということ。何をどう食べれば、髪の毛にとって良い効果が期待できるのでしょうか?
前回、健やかな髪の基本は「たんぱく質」であることをお伝えしましたが、今回は「ビタミン」の重要性についてのお話をしたいと思います。そしてそれらを手軽に組み合わせて、おいしい美髪メニューのレシピを2つご案内したいと思います。
美髪のためには、頭皮を健やかに保つことも重要
髪の毛の大部分は、たんぱく質。つまり、肌と同じようなアンチエイジング対策は有効で、抗酸化力の高いビタミンA、C、Eは美髪作りにも良い影響をもたらしてくれると考えることができます。さらに、髪の毛が生える「頭皮」を良い状態に保つことができるのが、A、B 6、E。それぞれ次のような作用や効果が期待できます。
【ビタミンA】
皮膚の健康維持に役立ちます。不足すると頭皮が乾燥したり髪がパサつく原因に。うるツヤ髪を目指すなら積極的に摂取したい栄養素。緑黄色野菜に含まれるβカロテンは、油脂類と一緒に食べると吸収率が上がります。
※豊富に含まれる食材
緑黄色野菜、レバー、うなぎ、卵黄、のり
【ビタミンB6】
たんぱく質の代謝に関わり、頭皮などの皮膚を正常に保つ役割があります。B6は熱や光に弱く水溶性であるため、できれば生の新鮮な食品から摂取することを心がけましょう。
※豊富に含まれる食材
マグロ、カツオ、ニンニク、玄米、そば、レバー、鶏肉
【ビタミンE】
強い抗酸化作用によって細胞の老化を抑えます。また末梢血管を拡張させて血行を良くする作用があるため、頭皮の血行改善にもつながります。肌だけでなく、髪の毛を若々しく保つためには欠かせない栄養素。ビタミンAやCと一緒に摂取すると、抗酸化作用が強固になります。
※豊富に含まれる食材
植物油、ナッツ類、アボカド、カボチャ、赤ピーマン、モロヘイヤ、菜の花、いくら、たらこ、のり、ごま
今回は、これらのビタミン類を意識しながら食材をチョイスして、ボリューム感がありながらもヘルシーな海鮮丼を作ってみましょう。また、効果的な作り置きメニューとして、パプリカをたっぷり使ったあえ物をご紹介したいと思います。
うるツヤ髪をもたらす「艶やかなマグロ丼」と「美しいパプリカマリネ」
「艶やかなマグロ丼」
【材料(1人分)】
まぐろ刺身………………………………………………………1/2柵
ごま油 ……………………………………………………………大さじ1/2
しょうゆ…………………………………………………………大さじ1
みりん風調味料…………………………………………………大さじ1
すりごま …………………………………………………………大さじ1
のり………………………………………………………………お好み量
玄米ごはん………………………………………………………どんぶり1膳分
【作り方】
(1)まぐろは刺身として食べやすいように切ってボウルに入れる。醤油、みりん風調味料、すりごま、ごま油であえて、30分~1時間冷蔵庫内で漬けておく。
(2)玄米ごはんの上にのりをちぎってたっぷり敷き、漬けておいたまぐろを乗せる。
「美しいパプリカマリネ」
【材料(作りやすい分量)】
パプリカ(黄)…………………………………………………1個
パプリカ(赤)…………………………………………………1個
ピーマン …………………………………………………………2個
たくあん…………………………………………………………5~6枚
ごま油……………………………………………………………大さじ4
【作り方】
(1)パプリカとピーマンはヘタと中の種を取り、細切りに切る。たくあんも細切りにする。
(2)ボウルにパプリカ、ピーマン、たくあんを入れてごま油を加えてよくあえる。30分以上なじませたほうがおいしいが、すぐ食べてもOK。日持ちは5日程度。
たんぱく質を基本としつつも、ビタミン類が有効であることを覚えておくと、ワンランク上の美髪を目指すことができるでしょう。ここでご紹介したお好みの食材を無理なく選びながら、アレンジなども気軽に楽しんでみてくださいね!
(スギアカツキ)
■参考文献・サイト:
吉田企世子、松田早苗監修『新しい栄養学』(高橋書店)
浅尾貴子著『美人になる栄養学』(メディアファクトリー)
花王「髪の知識」