脱・頭痛持ち…タイプ別症状とセルフケア/第3回 

頭の片側がズキンズキン…片頭痛の特徴と見分ける方法は?【脳神経外科専門医に聞く】

頭の片側がズキンズキン…片頭痛の特徴と見分ける方法は?【脳神経外科専門医に聞く】

頭痛で悩む人は日本では4,000万人…と言われます。そこで「脱・頭痛持ち…タイプ別症状とセルフケア」と題し、脳神経外科専門医でいのうえクリニック(大阪府吹田市)の井上正純院長に連載でお話しを聞いています。

第1回では三大慢性頭痛として、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛があること、第2回では緊張型頭痛の症状とセルフケアについて紹介しました(リンク先は文末を参照してください)。今回は、片頭痛の特徴や症状について尋ねます。

井上正純医師

井上正純医師

頭の片側がズキンズキンと痛む

——「片頭痛」という言葉はよく耳にします。第1回で、日本では15歳以上で840万人、それ以下の年齢層も含めるとおおよそ1,000万人が悩んでいること、また、10代から増えてきて20~40歳代で発症すること、女性に多いことも教えてもらいました。

井上医師:片頭痛は緊張型頭痛よりは患者数は少ないのですが、それでも日本人の10人に1人が悩んでいるということになります。激しい痛みを感じて生活や仕事に支障をきたしやすいことが特徴のひとつなので、つらいことと思います。

——第2回では緊張型頭痛は頭重感や頭を締め付けられるような感覚があるとのことでしたが、片頭痛の場合は確かに、「ガンガン痛む。吐き気もある」と訴える人が多くいます。

井上医師:片頭痛は、緊張型頭痛とは明らかに違う特徴があります。主に次のような症状があります。

□頭の片側に痛みが起こる。
□ズキンズキンと脈打つように痛む。
□歩く、走る、階段の昇降など動くと痛みが増す。
□吐き気やおう吐を伴うことがある。
□頭痛の時、光や音をわずらわしく感じる。
□頭痛の前に、生あくびや首すじの張り、空腹感などの予兆を伴うことがある。
□頭痛の前に、食欲不振、イライラ、憂うつ感などの予兆を伴うことがある。
□頭痛の前に、目の前にギザギザした光(閃輝暗点:せんきあんてん)が見えることがある。
□頭痛がするとき、普段よりにおいに敏感になることがある。
□女性は月経前や月経中に起こりやすい場合がある。
□仕事や家事に支障をきたすような強い痛みが起こることがある。

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週に2回~月に2回の頻度で起こるつらい痛み

——片頭痛とは、頭の右か左かどちらか片方が痛むのですね。両方が痛むことはないのですか。

井上医師:片方だけが痛むことが多いのですが、実際には痛みかたは多彩で、両側が痛むケースが4割もあります。また「ズキンズキン」という痛みが特徴的ですが、ひどくなると持続的に痛んだり、拍動性でなかったりということもあります。痛みかたを尋ねて、ほかの症状と合わせて診断します。

——そのような激しい痛みはどのぐらいの時間、続くのでしょうか。

井上医師:数時間でおさまることもあれば、3日ほど続く場合もあります。痛みは自然に消失しますが、この間、市販の鎮痛剤を服用しても完全に痛みが消えずに仕事や勉強が手に付かないという人もいます。

——痛みが消えると、元気でいられるのでしょうか。

井上医師:痛みがないときは、けろっとして日常生活が送れます。このことは、国際頭痛学会の診断基準でも明記されています。

——そうすると、先ほどの特徴の一覧にあったように、生あくびや首すじの張りなど、何らかの予兆が現れてから、急にズキンズキンと発作的に痛みだすのでしょうか。頻度はどうなのでしょうか。

井上医師:予兆はない場合もあります。片頭痛は、週に2回から、月に2回ぐらいの頻度でくり返す発作的な頭痛です。また、「思春期に頭痛が激しかったけれど、いつしか自然におさまっていた。でも再び30歳ぐらいから激しく痛むようになった」という人もいます。

片頭痛かどうかを判断する方法

——緊張型頭痛との見分け方として、光がつらいとか、何らかのにおいが不快に思ったときは、自分の頭痛は片頭痛なのだと判断することができるということでしょうか。

井上医師:そうです。それに、片頭痛では体を動かす振動とともに頭がズキンと痛むことがあります。少し深めに頭を下げてみる、おじぎのかっこうをしてみる、また、階段をトントンと降りてみるなどしたときに頭痛がする場合は片頭痛でしょう。

緊張型頭痛ではこうした症状は起こりません。ただし、緊張型頭痛と片頭痛の「混合型」のタイプもあります。片頭痛の症状ばかりではなく、たまに頭を締め付けるように痛む緊張型頭痛も起こるという人もいます。

——「混合型」タイプとは、どのような症状なのでしょうか。

井上医師:混合型では、「慢性片頭痛」となることがあります。慢性片頭痛と聞くと、片頭痛が断続的に起こるとイメージされるかもしれませんが、そうではありません。片頭痛がかなり頻回に起こり、一部の痛みでは典型的な片頭痛の特徴が消えて、緊張型頭痛のようなだらだらとした痛みが続くように変化するのです。
片頭痛と緊張型頭痛では、原因も痛みが起こるメカニズムも違います。治療法も予防法もセルフケアも違ってくるので、いずれかを見極めることが重要です。

聞き手によるまとめ

片頭痛とは、数日に1回の頻度で発作的に起こりやすい、激しい痛みだということです。光や音に敏感になり、動作で悪化するなどの特徴が明確なので、自分で「これは片頭痛だ」と判断することも可能といいます。思いあたる人はこうした特徴をまず把握して、自らの頭痛が片頭痛かどうかを確認しましょう。次回・第4回は、片頭痛が女性に多い理由、月経との関係、片頭痛の原因について尋ねます。

(構成・取材・文 藤井 空/ユンブル)

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