売り上げ前年比1200%! 3万円の枕ヒットの理由は?

売り上げ前年比1200%! 3万円の枕ヒットの理由は?

コロナ禍の生活もそろそろ2年。予期せぬ環境の変化に戸惑いながらも、経験から得た知恵を絞り、「自分の健康は自分で守る」ことに向き合ってきた私たち。ことさら、免疫力アップにも大切な睡眠に対して意識が高まった人も多いようです。

睡眠医学とIT技術で最高の睡眠を追求する企業「ブレインスリープ」が、新型コロナウイルスの感染拡大となった2020年4月に行った調査によると、免疫力を高めるために「しっかり睡眠をとる」と答えた人は、実に全体の約6割を占めています。

実施期間2020年04月17日(金)〜2020年04月20日(月)・本調査サンプル数 973

実施期間2020年04月17日(金)〜2020年04月20日(月)・本調査サンプル数 973

同社が開発・販売している枕「ブレインスリープピロー」をはじめ、マットレスやピローなどの睡眠グッズの2021年上半期の売り上げが、前年に比べて約1,200%を記録しました。売り上げ全体の約8割を占めるのが「ブレインスリープピロー」で、約3万円と枕にしては高額。なぜ、それほどまでに人気なのか? その秘密に迫りました。

コロナ禍での生活や買い方の変化が3万円枕を後押し

睡眠グッズの売り上げ好調の背景について、ブレインスリープ広報担当者は「在宅勤務が定着した一方で、オンとオフの切り替えが曖昧になったという声はよく聞かれます。起床して通勤するという規則正しいサイクルがなくなったり減ったりしたことで、生活リズムが乱れて睡眠にも影響している人も多く、その結果、睡眠や寝具に対する意識が高まった」と分析します。その傾向はコロナ禍ですぐに表れ、2020年5月の売り上げは2019年5月の20倍にまで伸びたそうです。

その売り上げをけん引したのは、2020年5月に発売した「ブレインスリープピロー」。「リモートワークやおうち時間の増加による、睡眠環境の見直し、旅行等に行けない分の自己投資などが背景としてあります。睡眠環境を見直す際に枕が一番取り掛かりやすい」と話します。

とはいえ、3万円の枕というのは高額に聞こえますが……。

「コロナ禍前は人と会うために良いものを買っていたが、昨今は生活に直結するものにお金をかける、という消費行動に変化したことの表れと考えています。枕を気に入っていただきマットレスやコンフォーターを購入いただく方も増えています」。

ブレインスリープの商品は、店頭ではなくオンラインショップ販売がメインというのも特徴です。特に枕などの寝具は実際に寝たり触ったりして感触を確かめられる店頭のほうが売り上げも伸びるのでは? と思ってしまいますが、「コロナ禍で店に出かける機会が減り、お客様のECでの買い物に対するハードルが下がりました。ブレインスリープピローはコロナ禍でのデビューということもあり、実際に店舗に出かけて寝て選ぶよりも、使った感想やクチコミを重んじる傾向を重視しました」と言います。

現在はオンラインショップでの売り上げが全体の9割を占め、1割は百貨店などでのポップアップストアでの販売です。

深い眠りのポイントは「黄金の90分」と深部体温

では、2020年5月の発売から現在まで5万個以上を販売した「ブレインスリープピロー」は一体どんな枕なのでしょうか?

同商品を開発したのは、創業者の1人でスタンフォード大学の医学部精神科教授で同大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治さんです。『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者としても知られ、睡眠研究のパイオニアです。

スタンフォード大学の研究チームが注目したのは、深い睡眠のために必要なのは脳の深部体温を下げる、つまり脳を冷やすこと。深部体温が下がっていくことにより、だんだん眠くなって深い眠りに落ちることができるという理論です。

脳の深部体温を下げるために適した独自の素材と設計でスムーズな入眠を促し、眠り始めの90分の睡眠をしっかり深くします。重要なのは西野教授が「黄金の90分」と名付けた時間帯。眠り始めの90分は、美肌やダイエットにも関係する成長ホルモンの7〜8割が放出されるため、この時間の睡眠環境が非常に重要といいます。

健康や美容には入眠から90分間が大切

健康や美容には入眠から90分間が大切

通常枕に使われているウレタン素材やフェザー素材と比較しても、脳の深部体温をクールに長時間保つ効果が見られます。

サーモグラフィによる頭部表面温

サーモグラフィによる頭部表面温

また、寝具というと寝心地のほか洗いやすさも気になりますが、「ブレインスリープピロー」は枕ごと丸洗いできて清潔さを保て、100%リサイクルが可能な素材を使用しています。

最後に担当者に「前年比1200%の売り上げ」を通して見えることを聞きました。

「単純な商品の購入だけでなく、それ以上の付加価値を求めている傾向にあり、消費者の体験価値をどう生み出すかが今後考えるべきひとつの課題だと感じています。

今後も商品を売るだけでなく『睡眠』というキーワードを通してお客さまと幅広くコミュニケーションを図り、情報やサービスなどさまざまな角度からアプローチを進めていこうと考えています。住む場所、働き方がより多様化する今、さまざまなライフスタイルに合わせた新しい提案、プロダクトが必要だと思っています」

新しい年がスタートした今、健やかな日々のベースとなる睡眠に投資するというのもいいのではないでしょうか。快適なのはもちろん、長年の睡眠研究に裏付けされたメディカルピロー、試してみる価値は大いにありです。

■下記でポップアップストアを開催中 

二子玉川 蔦屋家電(東京都世田谷区) 展開中
軽井沢書店(長野県北佐久郡軽井沢町) 2022年1月31日まで
六本木 蔦屋書店(東京都港区) 2022年2月13日まで
b8ta(有楽町店/新宿店)2022年1月31日まで
伊勢丹新宿店(東京都新宿区) 2022年2月1日まで

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