「超簡単なお弁当。でも母を誇りに…」スプツニ子!さんに聞く、がんばらない力

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る
「超簡単なお弁当。でも母を誇りに…」スプツニ子!さんに聞く、がんばらない力

マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教を務め、世界で活躍するアーティストのスプツニ子!さん。

2013年に出版した著書『はみだす力』(宝島社)ではスプツニ子!流の「自由に生きるヒント」を提示し、多くの女性から支持を受けました。

このほど「渋谷ヒカリエ」(東京都渋谷区)で開催されたイベント「ELLE WOMEN in SOCIETY(エル ウーマン イン ソサエティ) 2017」に登場しスピーチを行ったスプツニ子!さんに、同世代の女性について思うこと、自分で決断をすること、年齢を重ねて思うことなど、話を聞きました。

超簡単なお弁当でも母を誇らしく思っていた

——日本とアメリカを行ったり来たりの生活を送っていらっしゃると伺っています。日本に帰ってきて女性に対して思うことはありますか?

スプツニ子!さん(以下、スプツニ子!):日本の女の人のほうが「こうでなきゃいけない」と設定するゴールが高い気はしますね。仕事にしても家庭にしてもそれが負担になっているんじゃないかなと思います。

——具体的にはどんな場面でそう思いますか?

スプツニ子!:今、料理教室に通ってパンを焼いているんですけれど、日本の女性の料理って外国の女性のより手が込んでいるし、おいしそうなものを作っているんですよね。

アメリカの女性の料理って、結構適当なので(笑)。でもそれで成り立っているし、イギリスで日本の食事を出せば、かなり手が込んでいる部類に入りますよ。日本の「普通」って意識が高いんだなあと。

——確かに。最近はキャラ弁とかも流行ってますが、みなさんすごいお弁当を作ってますよね。それが子どもへの愛情のバロメーターとされて、追い詰められている人もいるんじゃないかと思います。楽しんでいる人はいいと思うんですが。

スプツニ子!:そうなんですよね。愛情がこもってがんばっているのはいいんだけど、うまくできなくてもそれはそれでいいんじゃないのって。

私の母は研究者で、ランチにピーナツバターとジャムのサンドイッチを私に持たせていたんです。超簡単な。専業主婦のお母さんを持っている友だちのお弁当はすごく手が込んでいたけれど、むしろ私は母を誇らしく思っていたんです。母は研究者として大学でがんばっているから、これなんだぜって(笑)。がんばりすぎないのは大事だと思います。仕事も家庭も。

「自分を責めない」だけで世界は変わる

——女性に対してよく「仕事と家庭の両立」って言いますよね。結構きついんじゃないのって思うんですが……。

スプツニ子!:両立しなくていいし、体力がない。だからがんばりすぎないこと。女の子は優等生が多いから、うまくできないと自分を責めちゃうんですよね。責めないようにするだけで、だいぶ世界は変わるし、やれることは増えるはずだなと思います。

——女性は知らず知らずのうちに「やりたい」と思う気持ちや、自分の欲求を抑えてしまっているのかも、とも思います。

スプツニ子!:自分のやりたいことより、やらなきゃいけないことのほうを優先している。日本は人種も文化も単一と言われていて、「何歳になったらこれをやる」「お母さんになったらこれをやる」って型にはめてしまいがち。それを気にしすぎちゃうんだろうな。「こういうものなんだろうな」って。

『はみだす力』という本でも書いたんですが、「はみ出しても大丈夫」と思える人が増えれば生きやすくなると思うし、女の人の強みがあるとすれば、迷い続けるということは一つのものを多様な視点から見ているということなんじゃないかな。

——確かに。ああでもない、こうでもないと考えるのっていろいろな面から物事を見ることですね。

壁を乗り越えないのも一つの決断

スプツニ子!:あとは、人生って与えられた課題をわざわざとかなくていい場面ってあると思うんです。

——どういうことですか? 普通は逆ですよね。「与えられた課題には全力で取り組め」っていうのが世間では“正解”とされている。

スプツニ子!:乗り越えなくていい壁を乗り越えないのも大事な決断の一つだと思うんです。私はたくさんの「この壁やめとこ」って思うのはありました。

——えっ、そうなんですか?

スプツニ子!:目の前の壁を乗り越えていたら、今の私はいない。おそらく普通に生きていると明らかな壁があると思うんです。大学受験、就職、結婚相手探して、とか。でも「この壁を乗り越えなくても良くない?」って思って、私は就職活動をしなかったんです。

壁を乗り越えないというのも一つの決断。そうすると自分の道が開拓できる。

大人、悪くないじゃん

——なるほど。今、32歳ということですが30代は楽しいですか?

スプツニ子!:まだ30代はジャングルの中ですね(笑)。まあでも楽しんでやっているけれど、改めて「楽しいか?」と言われるとジェットコースターのような毎日なので。

ただ、大学院出立ての25、26歳の頃は焦ってました。大人じゃなかったからでしょうね。でもいざ大人になったら「悪くないじゃん〜」「ノリノリじゃん〜」って思える。

——年齢を重ねることに対しては?

年齢相応のキラキラした女性ってたくさんいる。私も年齢相応の楽しさを知った大人になっていくだろうし、40代になるのも楽しみですね。

「Women in Society(ウーマン・イン・ソサエティ) 2017」はファッションメディア「ELLE(エル)」(ハースト婦人画報社)が主催。今年で4回目を迎えるイベント。今年は「Future is Yours~私らしい未来を作る」をテーマに、スペシャルセミナーやワークショップを開催。ゲストスピーカーとして、スプツニ子!さんの他、滝川クリステルさん、大宮エリーさん、小池百合子東京都知事や、映画監督の河瀨直美さんらが登壇しました。

(取材・文:ウートピ編集部・堀池沙知子)

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

「超簡単なお弁当。でも母を誇りに…」スプツニ子!さんに聞く、がんばらない力

関連する記事

編集部オススメ

後悔のない30代を過ごしたい。ありとあらゆる分野のプロフェッショナルに、40歳から自分史上最高の10年を送るために「30代でやっておくべきこと」を聞いていきます。

記事ランキング