「ワコール『重力からバストを守る』カンファレンス」が1月15日、ワコール本社(東京都千代田区)で開催されました。
バストは無重力状態にあると皮膚が伸ばされず丸くなるという研究結果が発表されたカンファレンスには、ワコール人間科学研究所主任研究員の坂本晶子さんと国際医療福祉大学三田病院准教授の奥田逸子先生が登壇しました。
そこで、「バストに関する疑問」に坂本さんと奥田先生に回答していただいた質疑応答の模様をお届けします。
昔と同じブラジャーはダメ?
——20歳の頃と同じブラジャーを着けるのはダメですか?
バストは加齢で変化するので20歳と40歳では同じブラジャーを着けても隙間ができてしまいます。バストの形状に配慮したブラジャーを着けるようにしましょう。(奥田)
——背中から脂肪を胸に寄せ集めるのはダメですか?
無理して背中から脂肪を胸に集めるのはやめましょう。クーパーじん帯を誤った方向に引っ張ってしまいます。「(背中から)寄せて上げる」は都市伝説です。(奥田)
サイズの選び方は?
——最近は「E70」のようなサイズ表記ではなく、SML表記のブラジャーも多いです。やはり細かいサイズ表記のほうがよいのでしょうか?
「E70」のようなサイズ表記のほうが細かく設定されているので、自分のバストにぴったりと合いやすいのが見つかりやすいです。ただ、Mサイズが自分の胸にぴったり合うのであればいいと思います。(坂本)
ノンワイヤーブラはバストのためによくない?
——ノンワイヤーやタンクトップ型のブラジャーが楽でよく着ているのですが、バストのためにはよくないのでしょうか?
画像診断学的に見ると、静止しているときはバストも保持されるので「今日はあまり動かない」というときはいいかもしれません。ただ、動くとバストが揺れて皮膚が伸びます。動きに合わせてどうバストを支えるかが大事になってくるので、シーンによって、例えば運動をするときはスポーツブラを着けるなど、バストが安定するブラジャーを適切に選ぶのがいいと思います。(奥田)
——ワイヤーブラのワイヤーが痛いことがあります。
20代と40代、60代で体形やバストの形が変わります。ワイヤーが痛いというのは、ワイヤーが胸壁に合っていない可能性があります。バストの下の形状(バージスライン)も体形や体格に合わせる必要があると思います。(奥田)
バージスラインの感覚は加齢とともに変わってくるので、ワコールでは20代用と40代用、60代用のブラジャーでは、同じサイズでも違うワイヤーを使っています。年齢に合ったブラジャーを着けるのも大事だと思います。(坂本)
大胸筋を鍛えるのはバストアップになる?
——クーパー靭帯を鍛えることはできないというお話でしたが、大胸筋を鍛えるのはバストアップにつながりますか?
乳房は大胸筋の上に乗った臓器です。大胸筋を鍛えるのは敷布団を厚くするようなものなので、確かに大胸筋を鍛えるとバストが大きく見えることはあると思います。乳房自体は大きくならないけれど、乳房の後ろの構造物を厚くして前に押し出すことはできると思います。(奥田)