佐藤友美・『女は、髪と、生きていく』イベントリポート 前編

「似合う」と言われるけどしっくりこない。“髪型迷子”になるのはなぜ?

「似合う」と言われるけどしっくりこない。“髪型迷子”になるのはなぜ?

日本初のヘアライターとして活躍する佐藤友美(さとう・ゆみ)さん。20年弱のキャリアの中で約4万人、200万カットの撮影に立ち会ってきました。

佐藤さんは、ヘアの世界をライター目線で見て実感した「髪と人生の密接なつながり」を伝えるため、2016年に『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)を刊行。人生を変えたいと願う女性や美容業界に従事する人々までに支持され、8万部以上を売り上げました。

そして今年の11月26日に最新作となる『女は、髪と、生きていく』(幻冬舎)を発売。同月28日、幻冬舎1号館イベントスペース(東京都渋谷区)にてトークイベントが開催されました。イベントの内容を再構成して前後編でお伝えします。

『女の運命は髪で変わる』で出し切ったと思っていたけれど…

イベントの冒頭で、前作から3年経って続編を執筆することにしたのは、講演会などで全国を回るうちに、「髪型迷子」の女性たちが多くいることに気づいたからだと話します。

「前作では、ヘアケアや髪型について『ここさえ押さえておけば、みんなが幸せになる!』というくらい、出し切れたと思っていたんです。でもトークショーの終わりには、『いい美容師さんを紹介してください』、『そもそも私はどんな髪型が似合うの?』と質問が続出。

しかも、そうやって質問してくる女性のほとんどが、私から見ると “似合う髪型”をしていたんですよ。それなのに似合っていないと感じる“髪型迷子”に陥ってしまうのはなぜだろうと考えたのが、今回の執筆に繋がりました」

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似合っているのに「失敗」と思ってしまう理由は?

髪型に関する悩みを聞くうちに、本当に似合う髪型を手に入れるには3つのポイントがあることに気づいたという佐藤さん。まず、「顔だけでなく“心”に似合うこと」が大切だと言います。

「『似合う』には、まず“他人から見て”似合う髪型があります。その人の顔の形や髪質に合わせた髪型のことです。美容師さんはお客さんを見ると、似合う髪型を瞬時に10通りくらいは思いつきます。つまり『おまかせ』とオーダーして提供されるのは、その中から選ばれた髪型なので、周りから見ると十分、似合うわけです」

それなのに“しっくりこない”と思ってしまうのはなぜなのでしょうか。

「ある日、私の友人が『カットに失敗した』と連絡をくれました。彼女はモデルの吉川ひなのさんに似た、とても美しい人。『似合うように』と美容室でお願いしたところ、前髪をパッツンにされて、気に入らなかったと言うのです。

私の目には、当時45歳だった彼女が30代前半にも見えたし、とてもよく似合っていて、私が美容師だとしても、その判断をするだろうなと思いました。それなのに、彼女自身は『失敗だ』と思っていたのです。

なぜなら、彼女は仕事で社長や役員クラスの方と会う機会が多いので、年齢相応の落ち着いた雰囲気を求めていたのに真逆の髪型になってしまったから。つまり、髪型は顔だけではなく、心にも似合っていることが大事なのです」

「本当に似合う髪型」を見つけるためのポイント

「本当に似合う髪型」を見つけるためのポイント/©︎南 夏希

また、佐藤さんは美容師さんとの付き合い方について、スライドを用いて説明します。「『顔・髪質に似合う』髪型はプロの美容師さんが提案してくれますが、『気分、気持ち(心)に似合う』髪型はあなたが伝えなければ、美容師さんはわかりません。みなさんが『失敗』だと思う原因の99%はここ。気分や気持ちを共有できていなかったからです」

髪型が持つキャラで印象は変わる

“髪型迷子”を卒業し、本当に似合う髪型を手に入れるためのポイントの2つめは「髪型が持つキャラ」を理解することだと言います。

「美容室でオーダーする時、単純に『ボブに切ってください』とだけ伝えていませんか? ボブと言っても、ふんわりとしたかわいらしいボブ、前下がりのクールなボブ、水平ラインのおしゃれボブなど、美容師さんはテイストによって少しずつデザインを変えています」

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デザインによって印象が変わる/©︎南 夏希

「以前トークショーでこの話をしたとき、そのことを知らない一般のお客さんと、お客さんが知らないことを知らない美容師さんたちが、お互いに驚いていたのが印象的でした。つまり、すでにお互いの認識にズレがあるんですよね」

髪型が持つキャラを知っていると、「第一印象をどう見られたいかを自分で決めることができます」と佐藤さんは言います。さらに、髪型が与える印象について、アイドルと政治家を例に挙げました。

「日本の女性アイドルの髪型は、前髪がパッツンで黒髪ストレートのロングヘアが多いと思いませんか? これも、髪型に宿るキャラクターを上手に使っている例です。黒髪ストレートロングには清楚感や誠実さ、短い前髪には幼さが感じられます。彼女たちはそこで『彼氏のいない少女です!みんなのアイドルです !』というイメージを作り上げているのです。

一方、歴代の日本の女性閣僚の髪型を調べると、40人中38人がショートやボブヘアでした。年齢による髪質の問題でショートしか選べないという方もいるかもしれませんが、30代でショートの方もいます。つまり、彼女たちは選んでショートヘアにしているということ。ショートヘアには強そうな印象やリーダーシップがありそうといった性格があります。その性格をうまく使って、支持を集めているのです。一方で、区議会議員になるとミディアムヘアやロングヘアが多くなります。(国会議員と比較すると)より身近な親近感のある髪型のほうが票を集めるのでしょう」

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そして、佐藤さんは「なりたい自分になるために髪の力を使いましょう」と言います。「自分がどんなキャラになりたいのか、言葉にしなければ、美容師さんは顔や髪質の方に似合わせます。美容師さんは髪のプロではあるけれど、エスパーではないことを忘れないでくださいね。どうなりたいか、どう見られたいか、キーワードだけでも言葉にできるようにしてほしいと思います」

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