突然キレてくる人、怖いパワハラ、遠回しに悪口ばかり言ってくる人……。
人間関係は思い通りにいかないとわかっていても、困った人に遭遇するとうんざりしてしまいますよね。
あーうまく言い返してスッキリしたい! と思う気持ちに、心理カウンセラー・五百田達成(いおた・たつなり)さんは「こちらの気持ちのおもむくまま、がーっとイライラをぶつけたり、がむしゃらに反論したりしてしまうのはNG」と話します。
じゃあ、私たちはどうすればいいの? 五百田さんの最新著書『「言い返す」技術』(徳間書店)からメソッドを全6回で特別に紹介します。
最終回は「忙しいアピール」をしてくる人への対処法です。
忙しいアピールをするヤツには…
「いや、ここのところ忙しくてさ」
「今週なんて2時間しか寝てないよ、もうやばい」
「やること多すぎて、パツンパツン」
こうやって、なにかと忙しいことをアピールしてくる人、いますよね。忙しい、時間に追われている、寝てない。だからなんなのか。何を言いたいのかハッキリしないので、突っ込みづらい。そこがまたイラッとする理由です。
つい「だから、なに?」と問い詰めたり、「俺も忙しいんだけど」と張り合ったり、「充実してるんだね」とほめてみたり、「体調、だいじょうぶ?」と心配してみたりするわけですが、どうも相手はこたえている様子がありません。「いやー、忙しい」を繰り返すだけです。
なんなんでしょう、いったい。なにかスカッと言い返せるワザはないのでしょうか?
忙しいアピールはリア充アピール
忙しいアピールをする人の目的は、リア充を自慢することです。
仕事にプライベートに、毎日が充実している、人から必要とされている。そのことをほめてほしい、すごいと言ってほしい。そういう心理が「忙しい」に表れています。
これが仮に、「俺ほど仕事ができるヤツはいない」「大きな仕事を任されていて誇らしい」というまっすぐな自慢であれば、まだわかりやすいし、かわいげがあります。
ところが、それほどの素直さも、自信もない人が、「忙しい」というオブラートに包んで自慢してくる、というわけです。「充実した時間を過ごしている」「ぼんやりとした時間を過ごしている君とは違う」という、遠回しな自慢をしたいのです。
なので、「そんなに忙しいんだ?」と念を押すと、「そうでもないんだけどね」と濁して逃げるし、「すごいね」とほめると、「別に自慢したいわけじゃないし」と照れて逃げる。どこまでいってものらりくらり。話になりません。
少しだけほめてほしい。ガチで競いたくはない。ちょっとだけ心配してほしい。やんわりと尊敬してほしい。そんなとても繊細な承認欲求の表れが「忙しい」アピールの正体です。
どうです? こんなもの、まじめにつきあうだけ損だと思いませんか? うまく追い払う方法はないのでしょうか?