突然キレてくる人、怖いパワハラ、遠回しに悪口ばかり言ってくる人……。
人間関係は思い通りにいかないとわかっていても、困った人に遭遇するとうんざりしてしまいますよね。
あーうまく言い返してスッキリしたい! と思う気持ちに、心理カウンセラー・五百田達成(いおた・たつなり)さんは「こちらの気持ちのおもむくまま、がーっとイライラをぶつけたり、がむしゃらに反論したりしてしまうのはNG」と話します。
じゃあ、私たちはどうすればいいの? 五百田さんの最新著書『「言い返す」技術』(徳間書店)からメソッドを全6回で特別に紹介します。
第2回は「ダメ出しばかりする人に言ってはいけないこと」です。
ダメ出しばかりしてくるヤツには…
「今日のファッション、なんか浮わついてるね。またその色? 似合ってないよ」
「企画書、読みづらいな。主旨がぼやけてるし、フォントがよくないよ」
ダメ出しばかりしてくる人、いますよね。重箱の隅をつついてあら探しばかり。口を開けば、文句しか言わない。心底イライラしますよね。
否定ばかり繰り返されると、「じゃあ、どうすればいいっていうの?」と、怒りたくもなります。「代案のない否定はNG」というのは必ず習うことです。あるいは「僕ってほめられて伸びるタイプなんですよ」と甘えてみることもあるでしょう。
ですが、こういった対応はまったく意味がありません。「こういうのはどうかな?」と意見を言ってくれたり、「ここはよくできてるね!」とほめてくれたりすることはありません。「自分で考えろ」「どこをほめればいいんだよ」とキレられるのがオチです。
うーん、いったいどうしたらいいのでしょうか?
「ダメ出しモンスター」への、よい対抗策はないのでしょうか?
ダメ出しは気持ちいいので中毒になる
ダメ出しばかりする人は、それがクセになっています。そもそも、ダメ出しはクセになりやすい話し方です。まず、頭がよさそうに見えてかっこいい。ずばりずばりと欠点を指摘するのは、切れ者っぽくてクール。「いいんじゃない?」とニコニコするよりも「ダメだ!」と否定する方が、仕事ができるように見える。だから、ついやってしまうのです。
次に、忙しいときに便利。頭の中で「ほめたほうがいいんだろうな」とわかってはいても、忙しくて時間がないときはほめてるヒマがない。つい、改善すべき点だけを指摘して済ませてしまう。まあ、効率的といえば、効率的です。
そして、偉そうに振る舞える、というのも大きいでしょう。ダメ出しをすると、相手より上に立ったような気持ちになれます。だから、上司風を吹かせたいときには、否定的な物言いをしたくなるというわけ。
こうしてみると「ダメ出し」は、かっこいいし、楽ちんだし、偉そうだしで、どんどんクセになってしまう。禁断の果実、中毒性のある麻薬、それがダメ出しなのです。ですから、どれだけあなたが「ダメ出しはやめてほしい」「どうすればいいかを教えてください」と言っても、彼らの中毒はおさまりません。
挙げ句のはてには「お前のためを思って言ってるんだ」「ほめるのは簡単だけど、それではお前が伸びない」などと言って、自分を正当化します。
では、一度ダメ出し地獄にはまってしまった人は、どうしようもないのでしょうか? あなたはそれにつきあって、いつまでも不快な思いをするしかないのでしょうか?