ホルモンバランス? ストレス? 月経前の肌荒れの予防法7つ【臨床内科専門医に聞く】

ホルモンバランス? ストレス? 月経前の肌荒れの予防法7つ【臨床内科専門医に聞く】

月経前になると肌が荒れる、化粧ノリが悪くなる、吹き出物が出るなど、肌のトラブルに見舞われることがあります。また、気分が落ち込む、イライラするという精神的な浮き沈みに振り回されることもあるでしょう。

臨床内科専門医で女性外来がある正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長によると、「月経前の肌のトラブルも精神的な問題も、根本の原因は同じで、『ホルモンバランスの乱れ』からきています。生活環境や性格が原因ではありません。多くの女性は経験があるでしょう」ということです。そこで、月経前の憂うつな症状の改善法とセルフケア法を教えてもらいました。

月経前1週間は肌と精神が不安定になる

「毎月のように決まって肌トラブルに悩まされる」こともあり、月経前は憂うつになります。正木医師はまず、女性のホルモンバランスについて、次のように説明をします。

「女性ホルモンには『卵胞ホルモン(エストロゲン)』『黄体ホルモン(プロゲステロン)』の2種があります。この2つのホルモンの分泌量の変化により、『月経期(月経開始)』、『卵胞期(排卵前)』、『黄体期(排卵後〜月経前)』に分かれます。

月経期はどちらのホルモンも少なく、卵胞期は卵胞ホルモンの量が、黄体期は黄体ホルモンが多くなるというのが女性のホルモンバランスの周期です」

次に、それらのホルモンと肌はどのように関係しているのかというと、
「月経直後から1週間後ぐらいまでは卵胞ホルモンの量が多い時期で、肌はツヤやハリが出て調子がよくなります。

一方、月経前1週間ほどは黄体ホルモンの量が多くなります。この黄体ホルモンは男性ホルモンと似た働きがあり、皮脂が多く分泌されてニキビができる、毛穴がつまるなどで肌が不安定になります。同時に、精神面でも不安定になりがちです。この時期のこうした変化は、病気ではありません。日にちが経つにつれて軽快し、また好調の時期がやってきます」と正木医師。

月経前の肌や精神面の不調の原因は、黄体ホルモンの分泌が盛んになるからということです。

ホルモン分泌の周期を把握する

ここで「セルフケアのためにも、まずはホルモンバランスの周期について把握しておきましょう」と話す正木医師に、周期と体調について次のようにまとめてもらいました。

・月経期
月経が始まると生理痛や血液循環が悪化し、下痢、貧血、むくみ、だるさがあることも。精神状態は不安定。

・月経後から5~10日間
排卵前で、卵胞ホルモンの分泌が盛ん。肌も体調も良く、精神状態は落ち着いている。便秘しにくい。

・排卵後から5~10日間
卵胞ホルモンの分泌が減ってきて、黄体ホルモンの量が増える。眠気が強くなり、むくみやすく、イライラ、頭痛、だるさなどがあることも。

・月経前1週間
黄体ホルモンの分泌がピークになり、肌荒れ、ニキビ、むくみ、だるさ、頭痛、肩こり、また、精神状態はイライラや憂うつ感、怒りっぽいなどで、心身ともにもっとも不調な時期。

月経前のストレスは肌トラブルの最大の敵

では、黄体ホルモンが盛んな月経前の時期、肌トラブルや体調、精神状態の不調は受け入れるしかないのでしょうか。正木医師は、「そんなことはありません。不調の時期だからこそ、自分でケアしておきたいものです」と、セルフケアについて次の指摘をします。

(1)ストレスを溜めない
イライラやウツウツとしやすい時期にストレスがあると、さらにホルモンのバランスが乱れて精神の状態が悪化します。血圧や腸の調子に関わり、便秘をして肌の状態に影響を及ぼして悪循環となります。この時期のストレスは、肌にも体調にも精神面にも最悪です。

「月経前1週間は最不調期」だということを心得ておき、できるだけストレスをためないように、趣味などリラックスする時間を優先しましょう。

(2)便秘を改善する
この時期は便秘をしやすいと覚えておき、腸内環境に注視しましょう。食物繊維が豊富な野菜、キノコ類、海藻類、また乳酸菌や発酵食品を多めに食べて、栄養のバランスがとれた食事を実践しましょう。

(3)睡眠時間の確保
睡眠不足は普段から、肌荒れをまねきます。皮膚の細胞の再生(ターンオーバー)を促すために、少なくとも7時間は睡眠時間をとりましょう。

(4)軽い運動を続ける
(1)~(3)に関わることですが、ウォーキングやヨガなどの軽い運動を実践すると、リラクセーションや便秘改善、充実した睡眠につながり、ターンオーバーや精神の安定を促すでしょう。

(5)フルーツを洗うように丁寧に洗顔する
月経前は皮脂分泌が盛んになって肌がベタつくので、スキンケアでは洗顔が重要です。ただし皮膚のバリア機能が不安定になっているので、ごしごしと洗わずに、繊細なフルーツを洗うように、そっと洗いましょう。

(6)洗顔後は保湿を念入りに
皮脂が多い、ニキビが出たからと保湿を避ける人は多いのですが、逆効果です。皮膚のバリア機能を強化するには、脂分と水分のバランスがポイントとなり、乾燥は大敵です。普段から保湿を心掛けてください。

(7)化粧品は変えない
肌の不調に合わせて化粧品を変える人がいますが、肌が敏感な時期なので、新しい化粧品を使うと過敏に反応してトラブルが出ることがあります。使い慣れた化粧品で、丁寧なケアを心がけてください。新しい化粧品を試すなら、肌の調子がいい卵胞期にすると手応えを感じやすいでしょう。

最後に正木医師は、月経周期の乱れについて、こうアドバイスを加えます。

「仕事が忙しい、睡眠時間が短い、ストレスフルで、ホルモンバランスの乱れに悩む人は多くいらっしゃいます。月経が遅れたり早まったりするのは、ホルモンのバランスが乱れているサインです。悪化すると月経が止まることもあるので、サインを見逃さずに、これらのセルフケアを日ごろから試みてください」

肌荒れもイライラも、ホルモンバランスが原因で必然だということです。重要なのは自分にとってのそういった時期をあらかじめ知っておき、不調の時期を意識した生活習慣、セルフケアを継続することにあるようです。

(取材・文 堀田康子・品川 緑 / ユンブル)

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