点眼型の目を洗う人工涙液が新登場! 花粉症の目のケア法を専門医に聞く【後編】

点眼型の目を洗う人工涙液が新登場! 花粉症の目のケア法を専門医に聞く【後編】

花粉症による目のあのトラブル、かゆみ、充血、乾燥、ゴロゴロ感、痛み、まぶたの腫れ、涙や目やに、皮膚のただれ。鼻の症状だけではなく目もここまでつらいことが続きます。その対策について、次の記事「目がかゆい、涙が出る…すぐにしたい花粉症のアイケアを専門医に聞きました【前編】」で紹介しました。

今回は同記事の「後編」として、点眼薬の使い方や眼科での治療法、受診のタイミングなどについて、引き続き、眼科専門医でみさき眼科クリニック(東京都渋谷区)の石岡みさき院長にお尋ねしました。

目をこする、水道水で洗うのはNG

——目のトラブルでとくに気になるのが、目のかゆみです。ついごしごしと手でこすることがあります。それが原因なのか、目が腫れる、周囲の皮膚が荒れる、痛むことがあります。

石岡医師:目がかゆいとこすってかく人は多いと思いますが、目の表面や周囲の皮膚を傷つけることになるため、こすってはいけません。それに、化粧品が目に入って炎症が悪化する、目が腫れる、目に強い衝撃を与えて視力低下につながることもあります。こすっても目のかゆみの解決にはならないことを覚えておいてください。

また、目に入った花粉を流そうとして、目を水道水でじゃぶじゃぶと洗うこともしてはいけません。水道水に含まれる塩素が目の表面を傷つけることがあるためです。(詳しくはこちらを参考になさってください→「水道水で目を洗うのは間違い! 眼科専門医が教えるケア法とは?」

目は人工涙液の「点眼型の洗眼薬」で洗う

——水道水で洗ってはいけないのであれば、目がかゆいときはどうすればよいのでしょうか。 

石岡医師:市販の人工涙液の点眼薬(目薬)を使用して目を洗いましょう。人工涙液とは涙に近い成分でできている医薬品で、市販のものは目の表面に傷をつくることもある防腐剤の塩化ベンザルコニウムが入っていません。

これまではドライアイの症状に使われる人工涙液で目を洗ってもらっていましたが、先ごろ点眼型の洗眼薬も登場し、市販されています。こちらも塩化ベンザルコニウムは入っていません。花粉は眼の中に入って破裂することでアレルギーを起こしますが、この洗眼薬は花粉の破裂も抑えるとされています。

塩化ベンザルコニウムが入っていない人工涙液はコンタクトレンズ装着時にも使用できて、数滴を目にさすだけで目を洗うことができるタイプです。

カップを使って目を洗うタイプは、まぶたも一緒に洗うことになるため避けてください。まぶたに付着した花粉がカップに移って眼球に入り込むことになりかねません。また、目元の皮膚は薄いので、肌荒れを起こす可能性も高くなります。洗うのは「眼球だけ」にしましょう。

目薬は左右の目に1滴ずつで十分

——目がかゆい、異物感があるときなどによく目薬をさしていますが、適切な方法と言えるでしょうか。

石岡医師:目の症状が気になっても、点眼薬は1日に何度も使ってはいけません。点眼薬は、先ほどお話しした洗眼薬以外は、1滴で目に十分に染みわたります。1度の使用につき、左右の目に1滴ずつさすようにしましょう。

1日に何度もさすと、涙に含まれる菌の繁殖を防ぐ成分や目の潤いを保つ油分を洗い流して、目の乾燥や異物感をまねきます。1日の使用回数は5・6回までとしましょう。

——人工涙液の点眼薬が手元にないときや、あまり効きめがない場合はどうすればいいのでしょうか。

石岡医師:冷たいタオルやタオルに巻いた保冷剤をそっと目にあてて、冷やしてください。また、点眼薬を冷蔵庫で冷やしておくのもいいでしょう。かゆみを緩和することができます。

眼のかゆみ、充血などがつらければ眼科へ

——花粉症で目のトラブルがある場合、眼科を受診したほうがいいのでしょうか。

石岡医師:どの診療科でも点眼薬の処方は可能ですが、先ほどの質問にあった、目のかゆみなどの症状が強くてつらいときは眼科を受診してください。内服薬(飲み薬)のほうが効果が強いと考え、目のかゆみに内服薬だけを使っている人も見かけますが、目のかゆみには点眼薬が治療の基本です。

——眼科を受診した場合、どのような治療が行われるのでしょうか。

石岡医師:明らかに花粉症だとわかることが多いのですが、シーズン中であってもウイルス性の結膜炎やドライアイの症状のこともあり、まずは診察をします。アレルギーだと分かると、患者さんの症状に応じて、点眼薬、点鼻薬、内服薬を処方します。ただし、すべての眼科が点鼻薬や内服薬も出すとは限りません。

点眼薬の場合はかゆみを抑える「抗ヒスタミン薬」が処方されることが通常です。これらは眼科以外でも必要に応じて処方されます。

ただし、それを点眼しても症状が緩和しない場合は、目のかゆみや充血を抑える作用が高いと考えられる「ステロイド点眼薬」を処方します。この薬は、副作用として眼圧が上がり緑内障となる可能性があり、眼科での眼圧検査が必要です。

点鼻薬は、鼻だけでなく目の粘膜の反応も抑え、目の症状も緩和します。鼻の症状と目の症状の両方が気になる場合は、点鼻薬を処方します。

点眼薬、点鼻薬で鼻の症状が緩和しない場合は、抗ヒスタミン薬である、「アレグラ」「アレジオン」「クラリチン」「ジルテック」「ザイザル」「ビラノア」「ルパフィン」などの内服薬を処方します。

——眼科を受診するタイミングはいつがよいのでしょうか。

石岡医師:3月から4月中旬ごろまでは花粉の飛散がピークになります。花粉症は治療が遅れると重症化するので、とにかく早めの受診がポイントです。

毎年花粉症の症状が出るという人は、花粉が飛散し始める約2週間前の1月末に受診しましょう。「初期療法」と言って、抗ヒスタミン薬の点眼薬や内服薬、ステロイド点鼻薬を花粉飛散予測日の約2週間前から服用する治療を行います。そうすると症状の程度が軽減され、期間も短くなります。ピーク時に慌てて医療機関に駆け込むより、体の状態はずっと楽になります。次のシーズンでは初期療法を試みてください。

——眼科の受診にあたって、注意する点はありますか。

石岡医師:例年症状がある場合で眼科を受診するときは、自分の症状の特徴や期間、現在あるいはこれまでに服用した薬の種類、コンタクトレンズを使用している人はその種類を医師に伝えてください。おくすり手帳があるとより伝わりやすいでしょう。

ありがとうございました。目がかゆくてもこすらない、目薬を何度もささない、水道水ではなく人工涙液でそっと洗い、目の症状が激しい場合は、早めに眼科を受診しようということです。

※2019年3月15日現在の情報です。

【前編は…】目がかゆい、涙が出る…すぐにしたい花粉症のアイケアを専門医に聞きました

(取材・文 藤原 椋/ユンブル)

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