「摂食障害って何?」第4回・止

「摂食障害かも」と思ったら…自分に合った病院や医者の選び方

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「摂食障害かも」と思ったら…自分に合った病院や医者の選び方

女性誌を開くと毎号のようにダイエット特集が掲載され、スマホを開くと「〇〇が激やせor激太り」といったネットニュースの見出しがおどっています。

“女性の体型”は女性自身だけではなく、どうやら他人や世間にとっても「放っておけない」案件のようです。

一方、自らを振り返って見ても体重を気にして無茶なダイエットをしてみたり、ストレスがたまって暴飲暴食してしまったりした経験はあること。しかし、「さすがに異常かも……」と自分の食行動に疑問を持ったことはありませんか?

普通に食事をとることができない「摂食障害」という病気があります。大きく「拒食症」と「過食症」に分けられ、行きすぎたダイエットや、意志が弱い食いしん坊の症状だと誤解されがちですが、厚生労働省が難病指定する精神疾患です。実は女性の約1割が何らかの食の悩みを抱えているといいます。

その背景にあるのは、上手くストレスに対処できない性格や、こだわりの強さ、まわりに気をつかう敏感さなど、誰にでも心当たりのあるちょっとした無理の蓄積。

「なんだか変な食べ方しちゃうんです」——決して他人事ではない食の悩みについて、一般社団法人「日本摂食障害協会」の理事を務める政策研究大学院大学保健管理センター教授の鈴木眞理先生にお話を聞きました。

【第1回】摂食障害ってどんな病気?
【第2回】摂食障害に母娘の関係は影響する? 発症しやすい人のタイプ
【第3回】“新橋のおじさんメンタル”を見習おう…「摂食障害の私」を責めすぎないで

摂食障害の啓発活動のために考案されたリボン

摂食障害の啓発活動のために考案されたリボン

「摂食障害かも…」と思ったら

——食や美容に対してこだわりが強く、「ヘルシーなものしか食べたくない」という“意識高い”女性もいます。

鈴木:無農薬とか、無添加にこだわる人には、昔から摂食障害の人が多いわよ。この「こだわりの強さ」も発症の要因のひとつなの。「ちょっとしか食べないんだから、ものすごく良い物を食べたい」みたいな、「0か100か」という性格の人。

だから、アスリートも摂食障害のハイリスク群です。こだわりがないと上達しないけれど、そこをちょっと間違ってしまうと、食行動がおかしくなってしまう。

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——「もしかして私、摂食障害かも…」と思った時には、何科を受診したよいのでしょうか?

鈴木:一般的には、心療内科や精神科になりますね。

——以前、私も心療内科に通ったことがあるのですが、簡単に一週間の症状を聞き「じゃあ薬を増やしましょう(減らしましょう)」と3分程度で診察は終わり。改善するとは思えず、行くのをやめてしまいました。

鈴木:それ、記事に書いておいてください! 実際、ほとんどの心療内科や精神科の先生がそんな感じで、「内科のほうがよくお話を聞いてくれる」って言われて驚いたくらい。

——かといって、個別カウンセリングなどを探すと、保険適用外で経済的な負担が大きい。

鈴木:過食症なら、認知行動療法ができる臨床心理士や精神科医がいいですね。保健収載されるようになりましたから。

拒食症なら、心療内科に行かなくても、まずは内科や、産婦人科、小児科でもいいと思います。先に体を整えないと頭が正常に働かないので、カウンセリングに行っても効果がないんですよ。皆あまりそれを知らないんだけど、20キロちょっとでカウンセリングに行っても、お金をドブに捨てるのと同じ。

あと、あまりに過食嘔吐が激しいときも頭が回っていないので、入院して強制的に過食嘔吐の回数を減らしてから、頭をクリアにして治療を始めるのはいい方法だと思います。

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医者の見分け方は?

——摂食障害の治療にいいお医者さん、悪いお医者さんの見分け方があれば教えて下さい。

鈴木:前大阪市立大学医学部精神科教授の切池信夫先生が、「相性のいい先生なら、何科でもいい」とおっしゃっています。今までのかかりつけ医でも、学校医でも、小児科でも、産婦人科でも、相性が良くて、正直に話せる医者だったら何科でもいい。

その先生が専門でなくても、信頼できる医者なら、自分の手に負えなければ専門医を探すか、自分が学ぶかしてくれるんですよ。そうすると、患者さんはちょっと嬉しいですよね。一緒に向き合ってくれるから。

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——話をちゃんと聞いてもらえるだけでもいいですね。

鈴木:医者が摂食障害の行動を止めたり、太らそうとしたりすることはできません。行動するのは患者さん本人。でも、本人が少しでも「止めよう」という気持ちをアシストできる医者なら誰でもいいんです。いつもあなたのことを思っていて、一生懸命相談に乗ってくれて、何もできはしないけど一緒にいてくれる。そういう存在がいれば、回復につながっていくと思います。

——摂食障害への誤解がいろいろ解けました。ありがとうございました。

(取材・文:新田理恵、写真:矢野智美)

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