ふたりで妊活を始めようⅡ vol.3

「性の健康」を考える企業にまじめに男女の性について聞いてみた

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「性の健康」を考える企業にまじめに男女の性について聞いてみた

妊活と聞くと、なんとなく「女性が頑張るもの」というイメージがありますが、パートナーも一緒に頑張ってほしいのが本音です。そもそも男性の妊活はどのようなことをするのか、お互い「ラク」な気持ちで妊活するにはどうすればいいか。

「性にまつわる諸問題を解決すること」をミッションに掲げるTENGAヘルスケアの代表・鈴木雅則さんと、男性の性や妊活について考えていくこの企画。

最終回は、TENGAヘルスケアが、さまざまな性の悩みにどう向き合っているかについてお話を伺います。

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【第1回】妊活に対する男性の本音は?
【第2回】妊活経験者だから見えたこと

「性の健康」を考えるリーディングカンパニーとして

——TENGAヘルスケアは最初、社内ベンチャーという形で立ち上がったと聞いています。きっかけは何だったのでしょうか?

鈴木雅則さん(以下、鈴木):TENGAの創業時に、予想していなかった方面からお問い合わせをいただくことが多かったんです。そのうちの一つが、身体障がい者・知的障がい者の福祉施設でした。障がい者が性を楽しむために、TENGAが有効なのではないかと考えてお問い合わせくださったんですね。また、泌尿器科のドクターから「射精障害の治療にTENGAを使えないか?」と相談を受けることもありました。

TENGAにそういったニーズがあるというのは、私たちの想像の範囲外でした。性を楽しむだけでなく、セクシャルウェルネス(性的に健康な状態)にアプローチできる製品を作ったら、きっと世の中のためになる。そのリーディングカンパニーを目指そうということで、TENGAヘルスケアが立ち上がったんです。

——TENGAグループがこのような事業を行っていると知って、正直、驚きました。どうしても「男性向けのセルフプレジャーグッズを開発している企業」というイメージが強くて……。

鈴木:2016年11月にスタートしたばかりで、まだまだ認知されていない事業なんですよ。「性を楽しむ」ブランドとしてTENGAがある一方で、「性の悩みを解決する」領域についてはTENGAヘルスケアがしっかりカバーしていきたいと考えています。

ゆくゆくは、女性用の製品も開発していきたいですね。TENGAの女性向けブランド「iroha」に「iroha Fit」というバイブレータがあるんですが、この製品 はイギリスだと保険が適用されるんです。

——保険適用?

鈴木:がんの治療を受けることで、腟萎縮が起きてしまう患者さんがいるんです。そういった方にリハビリをしてもらうための「腟ダイレーター」という医療機器があるんですよ。iroha Fitは、それに代わるものとして認可を受けているんです。

——へえ! セルフプレジャーアイテムがそんなふうに使えるというのは驚きですね。

鈴木:海外の展示会に出展すると、製品を見たドクターからさまざまな問い合わせを受けます。医療技術者の発想に驚きますし、「性の領域にはこんなに可能性があるのか」と希望を感じますね。

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シニア世代にも性欲はある

——先ほど、障がい者の性というお話がありましたが、最近ではシニアの性が話題になることもありますね。

鈴木:いま我々が関わっている介護施設でも、女性職員に抱きついてしまう男性がいたり、ナースコールのボタンでマスターベーションを始めてしまう女性がいたりするという話を聞いています。超高齢社会を見据えて、シニアの性というのは、考えていかなければならない問題だと思っていますね。

——性欲というのは、10代からシニアになるまで、ずっとついてまわるんですね。

鈴木:性欲は何歳になってもあります。この間、60代前半〜半ばの男性にアンケートを取ったところ、平均で週1回マスターベーションをしているという結果が出ました。

——男性にとって、セックスとマスターベーションってどう違うんですか?

鈴木:セックスはコミュニケーション、マスターベーションはレジャーという感覚の方が多いようです。マスターベーションをよりポジティブに楽しむためのグッズとして、TENGAが開発されたという経緯があります。

——ミッションである「性を表通りに」でしょうか?

鈴木:はい。なかなか理解しづらい方もいらっしゃるとは思うんですが、男性にとって、セックスとマスターベーションは別モノという場合が多いです。TENGAも女性器を模しているわけではなく、あくまでマスターベーションをより楽しむためのプロダクトなのですが、「TENGAは女性の代用品」というふうに、あまり愉快ではないイメージを持っている女性もいるかもしれませんね。

TENGAは女性の代用品?

——「私がいるのになんでマスターベーションしてるの?」みたいな……。特に妊活中の女性の中には、マスターベーションによって精子を無駄遣いしているように感じてしまう人もいるかも。

鈴木:精子は、髪の毛と同じように、新しく作られたものと退化していくものが混在しています。精子が生まれ変わるサイクルは74日。古い精子が精巣に溜まってしまうと、前立腺肥大などの症状につながってしまうこともあるそうです。そのため、定期的にマスターベーションをしている人のほうが、健康状態や血液検査の結果がいいといわれています。これについてはいま、エビデンスデータを集めているところなので、あくまでも一説によると、ではありますが。

——「男性は生理のつらさをわかっていない」「男性が妊活にコミットしてくれない」って、男性側の知識不足ばかり糾弾しがちだけど、女性側も知識不足によって誤解していることがあるのかもしれません。

鈴木:性の話題というのは、日本ではタブー視されがちです。ウェブには情報があふれているから、こっそり調べることもできるけど、間違った情報もたくさんあります。

知識不足や誤解によって、パートナーとの関係がギクシャクしてしまうのは悲しくないですか? 妊活が原因で離婚を経験した私としては、同じような思いをする人が増えてほしくない。そのためにも、TENGAヘルスケアというブランドを確立させて、きちんとエビデンスのある性の情報発信をしていきたいですね。

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(取材・文:東谷好依、写真:大澤妹)

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