日本一ちっちゃな働きかた改革 第27回「チームの見える化」座談会1

「私ってリーダーに向いてる?」 性格診断で自分と向き合ってみた

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「フリー編集長」と「社畜プロデューサー」というまったく異なる立場から、ウートピ編集部というチームを運営している鈴木円香(34歳)と海野優子(32歳)。

脱サラした自営業者とマジメ一筋の会社員が、「心から納得できる働きかた」を見つけるため時にはケンカも辞さず、真剣に繰り広げる日本一ちっちゃな働きかた改革が現在進行中です。

海野P(左)と鈴木編集長(右)

海野P(左)と鈴木編集長(右)

どの職場でも「人間関係」に悩んでしまうことはあるはず。人間関係がギスギスして「転職」という選択肢が浮かんでいる人もいるかもしれません。

そこで「まさに個性が強くて、ぶつかり合うことも度々ある」ウートピ編集部を全員招集。それぞれの「個性」と「チームの相性」を性格診断のプロに聞き、改善策を考えてみることに。

聞き手は、編集部の中でも真面目な社畜、安次富がお送りします。

まずは編集部のメンバー紹介から。

鈴木:34歳、ウートピ編集長(フリーランス)。頭がキレ、PDCAを回すのが早い。冷静でビジネスライクな印象を与える反面、実は優しい。

海野P:33歳、プロデューサー。自称「生徒会副会長」タイプ。社畜と呼ばれながら日々奮闘。ときどき、チーム運営や自身のリーダーとしての適性に悩む。

堀池:35歳、編集者。ストイックな性格で、規律に厳しい。北村の奔放さに頭を抱えることもある。

安次富:33歳、編集者。空気を読んで自己主張できないことがままある。本音と建前の間で葛藤して、ストレスを溜め込みやすい。

北村:30歳、編集者。パリピ気質で事務作業などルールを守るのが苦手。楽しいことが大好き。

今回、ウートピ編集部のチームワーク分析に協力してくださったのは、「ディグラム・ラボ」の木原誠太郎(きはら・せいたろう)さん。ディグラムは性格診断テストの一種で現在、数十社で採用や配置の判断材料としても使われています。

左から(海野、鈴木、木原さん、北村、堀池、安次富)

左から(海野、鈴木、木原さん、北村、堀池、安次富)

無理すると、周囲まで疲れる

安次富:木原さん、本日はよろしくお願いします。

木原誠太郎さん(以下、木原):フルメンバーでようこそ!

一同:よろしくお願いします!

木原:さて、どこから始めましょう? せっかくなので、まずは個々のメンバーの分析をして、次にこのメンバーでどんなチームワークを目指していけばいいかについてお話ししたいと思っています。今、一番お悩みが深いのはどなたでしょうか?

安次富:みんな、それぞれ悩んでるんですけど……(笑)。「深さ」で言えば、海野Pかも。

海野P:そうなんです。基本が「頑張る」が自分の一番の強みだと思っているので、チームのリーダーとして「社畜」と呼ばれようと、ただただ一生懸命やってるんですが、正直空回り感があって……。

安次富:そう。努力がすごいんですよ。「THE 気合と根性の人」なので、同じ熱量で応えられなくてスミマセンって、時々しんどくなる時があるんです。

木原:海野さん、安次富さんの診断結果からするとそうなりますね。

鈴木:(すでにいろいろ見抜かれている……!?)

木原:リーダーシップや、コミュニケーション技術などの情報は世の中にたくさん溢れていますが、それが万人に有効だったらみんな悩みから解放されていますよね。人はそれぞれ、生まれつきの性質や、育ってきた環境、経験が異なります。同じ問題に直面した時にどう捉えるかもそれぞれです。

安次富:はい。そこで木原さんの「自分の性格を制するものは、人生を制する」という言葉を思い出しまして。「性格を変える」前に「性格を知る」のも大事だと思ったんです。

木原:そうですね。僕はこれまで、37万人以上の性格を見てきましたが、ほとんどの人が「理想の自分」に目を向けて、「現在の自分の性格」を見ようとしないことがわかりました。なりたい自分ばかり追いかけて、自分の性格に合わないことを選んでばかりいると「無理している感」がにじんできて、本人も周囲もツラくなるんですよ。

「2人以上」で組織になる

木原:ディグラム診断は、「エゴグラム」という性格診断法と大量のデータを合体させて生まれた、心理学と統計学による性格診断です。「人の深層心理をグラム単位で測るように、細かく、性格に診断する」という意味を込めて僕が命名しました。

海野P:20問の質問項目に答えただけで、性格がわかっちゃうんですね。

木原:人の微妙な心のゆらぎが可視化されるので、人間関係を診断するのにも向いています。1000人でも、10人でも、人が2人以上集まると組織になります。組織のリーダーとかマネジメントという意味では相性ですよね。昨今では、採用や人事、チームビルディング、人材教育などの場面でディグラムを活用したいと企業からの依頼も増えています。

海野P:なるほど。

海野Pは「生徒会副会長」?

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木原:では、海野さん。自分ではどんな性格だと思いますか?

海野P:自分の性格について人に言われるのは、情熱的でちょっと暑苦しい。あと、私自身が感じているのは、人を引っ張っていくより、サポートのほうが得意。でも目立ちたがりの面もある。一言でまとめると「正義感の強い生徒会副会長」かな。

木原:おお。素晴らしい。僕も同じことを言おうと思いました。これが海野さんの性格です。

CP(厳しさ)、NP(優しさ)、A(論理性)、FC(自由奔放さ)、AC(協調性)

CP(厳しさ)、NP(優しさ)、A(論理性)、FC(自由奔放さ)、AC(協調性)

海野P:なんだか極端ですね。

木原:通称「人間サンドバッグ」です。

一同:(爆笑)。

海野Pの性格をさらに深ボリすると…

木原:詳しく見ていきましょう。NPは優しさの指標ですが、ここがめっぽう高い。優しすぎるのかもしれないですね。極端に低くなっているAというのは、論理性の指標です。つまり、優しさが高くて論理性が低い人なので、情に厚すぎる。

海野P:わかるー……(しみじみ)

木原:「副会長」と言っていましたが、「滅私奉公」の精神も強い。どんなに疲れていても「ありがとう」とか「海野さんがいてくれてよかった」って言われると疲れがふっとぶタイプです。

一同:(そんなに単純?)

海野P:ああ、それは本当にそう!

一同:(そうなんだ!)

木原:ただ、飽きっぽさも強い。

鈴木:それはどこでわかるんですか?

木原:NPの高さですね。心が敏感で相手に同調しやすく、論理性が低いので、「これ面白いかも」と思ったら止められないんです。感動をすぐに伝えたいとか、すぐに具現化したいと思ってしまう。そういう意味では、勘も鋭いし、スピード感があっていいタイプなんですけどね。

鈴木:なるほど。性格を可視化すれば、その特徴をどう捉えるかも考えられるんですね。

木原:その通りです。ディグラム診断って、人生の戦略を立てる時に使えるんです。リーダーに向いているかは後に話すとして、海野さんのこの波形は、NPトップやN型というものです。その中で、自由奔放さを指すFCがちょっと高くて協調性を指すACはやや低い。

海野P:協調性が低いのはショックです……。

木原:チームワークというと協調性という話になりがちですけど、ショックを受ける必要はありません。なぜなら、リーダーとして大事な素質って協調性が0点だったりするんですよ。

協調性がない方がリーダーに向いてる?

一同:えぇ!? 意外!

木原:リーダーシップにもいろんな定義があるのですが、協調性が0点の方がいいのは、会社の経営者。ベンチャー企業で経営の舵を取るとか、メンバーの生き死にを背負うというリーダーシップですね。

海野P:確かに、みんなに合わせて優柔不断になっていたら、会社がグラグラになりますね。

木原:そうですよね。ただ、この編集部のように少人数のメンバーをまとめようとした時、協調性が0だと「専制君主」になってしまいます。中間管理職としてのリーダーなら、海野さんの結果はちょうどいいと思いますよ。

海野P:なるほどー。

チーム・ウートピは「動物園」

木原:では次に鈴木さんの波形を見ていきましょう。海野さんと鈴木さんの波形は似ていました。その中で、まったく違う結果になったのは……。

海野P:きっと論理性だと思います。論理性がずば抜けて高くて、優しさが……。

安次富:低い?

一同:コラ!

海野P:優しさは意外とあるんです。こう見えて!

鈴木:(あんまりフォローになってないよ。海野P)

木原:このやり取りはとてもいいですね。自分たちはこう思っているけど、科学的に見たらこうだって調べるのは、見えないものを「見える化」する作業です。マネジメントに向いているか知るなら、どんなチームのマネジメントを行っているのか理解することも大切ですからね。

編集長の性格を見える化

木原:鈴木さんのグラフがこちらです。

CP(厳しさ)、NP(優しさ)、A(論理性)、FC(自由奔放さ)、AC(協調性)

CP(厳しさ)、NP(優しさ)、A(論理性)、FC(自由奔放さ)、AC(協調性)

木原:鈴木さんの場合は台形型1という波形です。あるいはAトップとも言います。海野さんの論理性が低い部分を鈴木さんが補っているという関係ですね。

海野P:たしかに。すっごく助けられています。

鈴木:私としては、思いつきで言ったことも全部「いいね」「やりましょう、すぐに!」って言うからちょっとブレーキの役割もしてほしいんですけど(苦笑)。

木原:そこは2人でよく話していただいて(笑)。海野さんは直観的、鈴木さんは合理的なタイプ。ただしお互い優しさが高くて厳しさが低い傾向があります。

鈴木:厳しさが低いのは意外でした。

木原:自分で思っていなかった自分が出てきますよね。波形だけ見ると、ある意味では鈴木さんのほうがリーダーに向いています。でも、海野さんのリーダーシップの取り方は、人格に溢れているタイプの優しさがある。それもリーダーには大事な素質ですよ。

鈴木&海野P:そうなんだ……。

木原:さらに言えば、2人ともリーダーに多い波形です。2人でいると海野さんがアクセル、鈴木さんがハンドルという関係になるでしょうね。

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最強のリーダー「鈴木優子」誕生!

海野P:これはもう、2人で「鈴木優子」ということで!

木原:いいですね(笑)。ディグラムでは男女のマッチングなど、恋愛に関する診断も多く実績があるのですが、2人が異性だったら、最も相性のいい組み合わせですよ。世帯年収も高い波形だし、俗にいう「リア充夫婦」になる。

一同:ほぉー!

次回は、個性派ぞろいの編集部員の性格を「見える化」していただきます。木原さん、引き続きよろしくお願いします!

(構成:ウートピ編集部・安次富陽子、写真:青木勇太)

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脱サラした自営業者のウートピ編集長・鈴木円香と、社畜プロデューサー海野Pのふたりが、時にはケンカも辞さず本気で持続可能なワークスタイルを模索する連載です。

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