職場で、友人同士で、合コンで……オンナの人間関係って、どうしてこんなに疲れるの?
巻き込まれるのは面倒くさいからイヤだけど、無視されたり、仲間はずれにされたりするのは困る。ほどほどの距離を保ちながら、付かず離れず上手に付き合いたい。それが本音ですよね。
「女同士のやっかいな人間関係に巻き込まれたくないなら、服の色を見直して」そう言うのは、“色”というツールを駆使してこれまで3万人をプロデュースしてきた、カラーキュレーター®、七江亜紀(ななえ・あき)さん。
女同士の人間関係と服の色。
一体どんな関係があるのでしょうか?
第1回はこちら:「また会いたくなる人」が持つ色気の正体とは
第2回はこちら:スランプに陥ったら「白い服」を着よう
「服の色」で相手にイラッとさせているかも
——服の色が人間関係に影響してるって、いまいちピンとこないんですが、本当なんですか?
七江亜紀さん(以下、七江):みなさん、あまり意識されたことがないと思うんですが、実はそうなんです。人の気持ちって、思いのほか、色に動かされているんですよ。
似合わない色やその場にそぐわない色の服を着ていると、周囲に違和感を与えてしまいます。それで、周囲はなんだかそわそわ、イライラするんだけど、それが色のせいだとわからないから、言葉にトゲが出たりして、だんだん人間関係がギクシャクしてきちゃうんです。
——服の色のせいもあったとは……。
七江:例えば、女同士の見栄の張り合いや、嫉妬が起こりやすいシチュエーションってありますよね。久しぶりの同窓会とか、女子会とか、はたまたママ友同士の食事会とか。そういう時は「緑色の服」を着るといいんですよ。
——どうしてですか?
七江:緑は「ほどほどの印象」を与えてくれる色だからです。自己主張はしないけれど、地味でもない。女同士の間で無視はされないけれど、敵意も抱かれない“中立”のポジションを得やすくなる色なんです。
いうなれば、緑の服を着ることで「部屋の中にたたずむ観葉植物」になるんです。そばにいるだけで、なんか心が和む。そういう存在になっちゃえばいいんです。
——そう、そういうポジションが欲しかった(笑)。
初対面に着るべき色とは?
七江:女子同士の人間関係以外でも、緑はおすすめの色です。知り合ったばかりとか、まだお互いのことをよく知らない段階には、特に有効です。相手の情報が少ない分、色から感じるメッセージが強くなっちゃうので、無難に緑を着るのがいいんです。
だんだん距離が縮まって、コミュニケーション力を上げていきたいならオレンジ。黄色と赤の中間色なので、それぞれのマイナス面である「やかましさ」と「強い主張」が調和された、バランスのいい色なんです。
逆に、避けたほうがいい色は、黄色。目立つ色なので、目をつけられやすくなります。紫もミステリアスな印象が強いので、微妙な距離感の相手と会う時に着ると“不思議ちゃん”だと思われる可能性が大です。
——「黄色」と「紫」は避けた方がいいんですね。覚えておきます!
七江:ポイントは「相手との距離感」なんです。TPOによって、相手との適切な距離感って違いますよね。
女子同士、初対面、仕事のミーティング、合コン……それぞれのシチュエーションで「距離を保ちたい時」「距離を縮めたい時」があります。
例えば、合コンに黒づくめで行くのはNGです。合コンは「距離を縮めたい時」ですから、相手に強い拒絶を感じさせる黒は絶対に避けたい色。親しい間柄なら全身黒でも「この人はこの色が好きだから」とわかってもらえるかもしれませんが、初対面の人はわかりませんよね。
上司の服の色、覚えてますか?
七江:「自分の服の色」も大事ですが、「相手の服の色」も大事なんですよ。
——どういうことですか?
七江:例えば、上司の服の色って、意識したことありますか?
——ないです……。
七江:相手とうまく人間関係を築いていきたい時、自分が何を着るかではなく、相手の色使いに意識を向けてみるんです。色とりどりの華やかな人なのか、黒一色の人なのか。バランスが良いか悪いか。
例えば、いつもきれいにしている上司が、ちぐはぐな色の組み合わせをしてきたら、余裕を失っている状態。そんな時はさっとサポートに回ってみる。
色が発しているメッセージをキャッチすれば、相手の求めていることがわかり、コミュニケーションが円滑になります。そうなれば自然と評価も高くなります。
——自分と相手の色をよく観察して、心地のいい人間関係を築いていくんですね。ああ、でも私は優柔不断なところがあるので、あれこれ考えすぎて疲れてしまいそうです(苦笑)。
七江:バリバリ頑張るのも素敵だけど、余裕を失って、身なりや自分の顔色が分からなくなったら本末転倒ですよ。そんな時はリセットの白を取り入れてください。無理して色に縛られなくていいんです。
疲れた時は白で余白を作る。人とのお付き合いも距離を置くことで関係が改善されることがよくありますよね。色も同じ。おやすみすることが大事なんです。
着るべき色を見つけるのも、苦手な人と付き合うのも、本質的には同じこと。十人十色という言葉があるように、人の数だけ色がある。その色を受け入れる余裕を持つことが、人としての成長につながるんですよ。
【1】女同士の人間関係に疲れたら緑の力を借りる
【2】関係が浅い人と会う時は黄色と紫の服はNG
【3】疲れた時は白で気持ちをリセットする
(安次富陽子)