社会人5、6年目以降のアラサーから30代の女性の間で、海外留学を考える人が増えています。前回までは留学の心得をお話ししてきました。留学の意志が固まったら、早速準備に取りかかりましょう。
優先する点と妥協点をクリアにすること
期間と渡航先の国を決めて、学校を選びます。すぐに気に入ったものが見つかればラッキーですが、2、3パターン見積りを作成してもらって比較し、納得した上で申し込みをするのがいいでしょう。
この段階が、事前準備の中ではもっとも頭を悩ませるかもしれません。学校選びのポイントは、何を優先して何なら妥協できるかクリアにしておくこと。
授業内容、生徒の国籍割合、学費、寮やホームステイなどの滞在方法先、渡航スケジュールなど、決めなくてはいけない項目はたくさん出てきます。
海外留学のEF(イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン)のマーケティングディレクターの伊丹麻衣子(いたみ・まいこ)さんは、学校を選ぶ際には、まず生徒の年齢層をチェックしておくことをすすめます。
「落ち着いて勉強したい人は、年齢層が自分と近い学校を選ぶことが多いですね。時期によって変動はありますが、大まかな特徴はそれぞれの学校にあるので、できるだけ情報を集めておくのがいいと思います」
例えば、授業以外の時間に行われるアクティビティが豊富な学校の場合、20代の学生が多い傾向があります。勉強だけでなく余暇も楽しみながら海外の生活を満喫したいという生徒の割合が多いようです。また、夏休みシーズンはどこも10代の学生が急増します。どのクラスに入りたいか事前にリクエストを出しても、定員ギリギリで理想通りにならないことも。あらかじめ、そこは考慮しておくべきでしょう。
ご自分の目的によって優先順位をたて、授業の質や通う学校の傾向、年齢層なども情報収集するのも重要ですね。
もちろん、結局は好み次第。10代に囲まれてにぎやかに学ぶのも楽しいかもしれませんが、自分が集中できる環境を慎重に選ぶのがいいでしょう。友だちやコミュニケーションの幅を広げやすいのも同年代なので、そのあたりも考慮して選びましょう。
そして費用についても、当然考えなくてはなりません。伊丹さんによれば「期間によって大分差はありますが、1週間から数週間の短期であれば、2ヵ月ほど前から渡航計画をたてる人が多いですね」とのこと。
もし6ヵ月や1年などの長期で検討しているなら、留学資金獲得にもっと前から貯金をしなくてはならないでしょう。行先や期間によってまちまちなので、公開されている予算例を参考にたり、コンサルタントに気軽にご相談するのはいかがでしょうか?
滞在先でお小遣いが足りなくなって行動が制限されるなんて、悔しい思いは避けたいもの。十分な蓄えを用意した上で、申し込むようにしましょう。
次回は、帰国後のキャリアについて考えます。
(奥浜アリサ)