ウートピ・ワインラボ所長の浮田です。「飲みたいワインは自分で選べるようになりたい」というオトナの女性たちに向けて日々ワイン情報を発信しています。
今回は、前回に予告した「ファインズ チャリティ試飲会2017」の様子をレポートします。
100種類の逸品ワインが大集合
東日本大震災から6年目の3.11までちょうどあと1週間の3月4日、東京・恵比寿のイベントスペースで行われた「ファインズ チャリティ試飲会2017」に行ってきた。
このチャリティイベントはフランスを始め世界各地からファインワインを輸入・販売している株式会社ファインズが震災直後から毎年行っているもので、来場者の入場料と有料試飲、有料セミナーの料金は災害復興支援団体Civic Forceに寄付される。
7回目となった今年は「テロワールとの出会い 〜飽くなき挑戦をする生産者の饗宴〜」をテーマに、9つのワイナリーから11名の生産者が参加。いずれも逸品揃いの約100種類のワインが試飲ブースに並んだ。
来場したワイン愛好家は約300名。有料試飲のリストには〈ロマネ・コンティ1998〉〈シャトー・ラフィット・ロートシルト1995〉などといった超ド級のプレミアムワインも登場。いくつかの銘柄の試飲チケットは開場時間の3時間も前に売り切れたという。
女友だちと参加して
女性同士で来場したという2人に話を聞いた。
──どうやってこのイベントのことを知ったのですか?
Aさん(30代・女性):毎年参加しているという友だちから「こういう会があるよ」と教えてもらって。
──特に飲みたいワインや会いたい生産者があったのですか?
Aさん:名前を聞いたことはあるけど、飲んだことがないような有名な造り手さんのワインがたくさんリストにあったので、とにかく一通り飲んでみたくて。
──チャリティの会だという意識はありましたか?
Bさん(40代・女性):はい。それも参加したいと思った理由です。素晴らしいワインを飲むことができて、復興のお役に立てるのは素晴らしいことだと思います。
──参加してみて、入場料の5000円についてはどういう印象を持ちました?
Bさん:生産者の方と直接お話しすることもできて、すごく満足度が高いので、この値段は安いと思います。
日本のワイン好きは勉強家
来日した生産者の皆さんにも話を聞いた。
「アメリカでもチャリティイベントはたくさんありますが、ここまでインパクトのある会はなかなかないです。私もすごくやりがいがあるし、興奮しています」(ハイド・ド・ヴィレーヌ社長のジェイムズ・アイヤー氏)
「普段は私たちのワインを愛してくださる日本の飲み手の方に直接会うことはないですから、それだけでもすごく嬉しい機会ですよ」(チェレットCEOのジャコリーノ・ジッラルディ氏)
「日本のワイン愛好家の方はすごく勉強家で、ワインについての質問も細部にわたるので驚いています。ソムリエやワイン商の人たちよりも熱心かもしれませんね。それを知ったことはこの会に参加して得た大きな収穫です」(ドメーヌ・デュ・ノゼのシリル・ド・ブノワ氏)
「去年までは父が参加していましたが、今年から僕が代わって来ることになりました。直接消費者の方とお話しできる貴重な機会だし、世界中の造り手の方とこうして一堂に会するのもすごく刺激的です。イタリアでもこういうイベントをもっとやるようにしたいです」(マッツェイのエクスポートマネージャー、ジョヴァンニ・マッツェイ氏)
3時間半にわたるチェリティ試飲会は終始、笑顔と高揚感に包まれていた。「ワインは人をつなぐもの」という思いをあらためて強くしたイベントだった。
(写真=池田真理)