パリジェンヌのオシャレやライフスタイルをつづったイラストエッセイが人気を博しているイラストレーターの米澤よう子さん。4年間、パリに滞在してパリジェンヌを観察し続けたからこそ見えてきた彼女たちの恋愛観をつづります。何かに縛られることをもっとも嫌う彼女たちの生き方から恋愛や人生のヒントが見つかるかも?
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皆さんもご存知、アムール(愛)にあふれているパリの街。まさにカップルのためにあるような街、パリっ子たちはどんな恋愛をしているのでしょうか?

パリに住んで私がまず思ったのは、みんな経験豊富だということ。恋愛感情が芽生えたら逆らわない。臆さず、サラッと流れに乗って、なんとなくよければそのまま続行。短かろうが長かろうが、どれもひとつの「経験」として、人生の一部にしているのです。経験の「場数」が概して多めなのはなぜでしょう?

パリ

失敗を恐れるよりも可能性! 「条件」なんてない

「だってそれはパリだから!」と思う人もいるかもしれませんが、機会や環境の違いだけではない気がします。

彼女たちと私たち日本に住む女性との目に見えない「差」があるとすれば、それは事前に頭で描くイメージ。はじまる前の先入観。自分の「キャラ」設定だったり、相手への条件や好みのタイプだったり。

そういった「絞り込み」は、失敗を防ぐためにも思い描いて損はないはず!と考えるも、その感覚自体がパリジェンヌたちにはないようです。失敗を恐れるよりも可能性を信じる。その方が刺激的でもあるから。だからといって、無防備なわけではないところが彼女たちのすごいところ。

例えば、「すてき」と思うお店。奥のプライベートゾーンにはいくつかの部屋を通過しなくてはたどりつけない。そこで最初から「私の入るところじゃない」と決め付けず、入店してみる。「いいな」と思ったら奥へ進むし、「違うな」と思ったら店を出る。店側のルールは気にしない。自分のアンテナで入ったお店がとてもすてきだったら、ときめきますよね?その上、自信もつきます。恋愛も同じこと。まずは先入観を持たずに自分のアンテナを信じて行動してみる。それがパリジェンヌのスタイルです。

パリ2

「恋愛力」は日々アップデート

先入観を取り払い、自分のアンテナを信じていれば「ビビビ」の直感も冴えるというもの。パリジェンヌといえば年齢にかかわらず、生涯現役で恋愛をするのも有名ですよね。直感から入る恋愛は垣根もないため「引退」の機会すら逃すようです。年齢を重ねるたびに「恋愛力」をアップデートするからこそ、恋愛をシンプルに新鮮に楽しめるのだと思います。

単身で渡仏した私自身の経験では、パリで知り合った友人に「ヨーコも恋愛しなくっちゃ!」と言われたことを思い出します。誰かよい人を紹介してくれる流れになったものの、最後まで「好みのタイプ」は聞かれずじまい。双方を知る彼女の「フィーリング」任せ? 結局私は帰国することになったため、実現はされませんでしたが!

次回は、パリの「出会い方」についてお伝えします。

(米澤よう子)

米澤よう子(よねざわ・ようこ)
東京生まれ。女子美術短期大学卒業。大手企業広告のグラフィックデザイナーとして勤務したのち、イラストレーターとして独立。化粧品パッケージや広告キャンペーン、女性ファッション誌、CMなどで多数の女性イラストレーションを手がけたのち渡仏。パリの高級百貨店、LE BON MARCHÉでの個展を開催するなど、パリでの4年間の活動を経て現在に至る。新刊「パリジェンヌのように少ないモノでスッキリ暮らす」(SBクリエイティブ)が好評発売中。 公式ブログ:パリ流ダイアリー(Petit journal de YOKO)