“稼げる女性”を増やしたい 谷脇しのぶさんインタビュー最終回

ママだから戦力外なんて思わないで。年収600万を目指すためにできること

ママだから戦力外なんて思わないで。年収600万を目指すためにできること

株式会社へノブファクトリーとウェブノ株式会社の2社を経営する谷脇しのぶさん。彼女が活躍し続ける背景には「稼ぐこと」への圧倒的な意欲と、そのノウハウを伝えて「女性でも、ママでも、地方在住でも、年収600万円以上稼げる人を増やしたい」という思いがあります。

第1回目は高校卒業から独立までの経緯を伺いました。第2回目は、社長業5ヶ月目の妊娠発覚を乗り切った際の気付きについて、第3回目は自分の価値の高め方について。そして最終回となる今回は、ママでも地方在住でも年収600万円稼ぐためにできることを伺いました。

taniwaki4-1

時間に制約があるからこそ丁寧に

——今回は「ママでも年収600万円」というところに迫っていきたいのですが、谷脇さんは創業と妊娠が重なって苦労をされていましたよね。その後も子育てを続けていらっしゃる。どのように収益性を維持したのでしょうか?

谷脇しのぶさん(以下、谷脇):妊娠中はつわりなどの体調不良があったので、仕事をする時間に制約がありました。そこで自分の業務を営業に絞って、ひとつひとつをより丁寧に取り組むことにしたんです。会社のメンバーとも話し合って、「良いサイトを作って、しっかり稼ごう! そのためにできることはプレゼンだ! 数はこなせないのだから、しっかり受注できる企画書を作ってプレゼンも本気で望むぞ!」と。提案資料をお客さまごとにすべてオリジナルで書き起こしたり、企画書の中に担当者の名前を入れて「あなたの課題を解決します!」と強く訴えたり。

——熱いですね。丁寧に取り組むと余計に時間もかかってしまいそうですが、大丈夫なんでしょうか?

谷脇:確かに、ひとつひとつは時間がかかりますが、たくさん営業しても不成約が続くほうが時間のロスになると思ったんです。それならば「これで決めるぞ!」って全力投球した資料でプレゼンして、確率を高めていったほうがいい。「ママは時間がないのでスキルアップできない」と考えている人もいると思いますが、そんなことはありません。時間がないなら、時間がない中でいかに効率よくするか絞ることも大切だと思うんです。

地方在住の社員を採用する理由

——谷脇さんの会社では、東京本社のスタッフ以外にも、積極的に地方在住の正社員をリモート採用していますね。

谷脇:はい、そのとおりです。現在は東京以外に盛岡、神戸、熊本、沖縄の宮古島に社員がいます。リモートのみで面接し、採用後もリモートワークで働いてもらっています。

——みなさん、自分の価値を高めようと邁進していらっしゃる?

谷脇:これまでの実績から、私たちのスタイルでスキルを上げていけば、ママでもリモートワークでも十分に暮らしていけることは証明済みです。「年収600万円」というのは、指標として価値がマックスになっている状態を表しています。みんなそれぞれ、制作スキルや、ライティングスキル、マーケティングスキルをもって入社してくるので、その上に新しいスキルを上乗せすることで価値を最大化していくお手伝いをしているのです。

ただし、どのくらい早く年収600万円の状態にたどり着けるかは個々の社員の努力や適正によっても変わってきます。うちは給与体系も、どうやったら給料が上がるかもすべて社員に開示しています。なので、どうすれば年収が上がるかみんなわかっている。さらに、教育する環境もある。あとは自分との戦いになります。

——具体的な例を聞いてもいいですか?

谷脇:はい。実際に子育てのために時短勤務で働いている35歳の女性スタッフや、高校生と幼稚園生の2人のお子さんを育てながらバックオフィスを切り盛りしている40歳の女性マネージャーも、ともに年収600万円を実現しています。

それはなぜかというと、ジェネラル(多面的)に動き、そのスタッフが動くことで物事が最後まで完結するからです。時短でも、人に指示を出したり現場を切り盛りするスキルがあれば、十分にやっていけます。

また、彼女たちは、リモートワークも活用しています。幼稚園に子どもを送った後に、自宅で仕事をしたり、アポイントの後に家の近所で働いたりしてからお迎えに行くなどです。限られた時間でも、そういった働き方をすれば家庭と仕事は両立できます。会社としてそれらの動きを認めているのは、彼女らのスキルが会社にとっても、クライアントにとっても必要だからです。

taniwaki4-3

根性論ではなくスキルの徹底

——女性活躍を掲げている会社の中には、根性論を社員に押しつけている会社もありますよね。そういった会社と御社の違いは何なのでしょうか?

谷脇:私は、「根性」とか「頑張る」ということではなく、「スキルをあげる」ということの徹底で年収アップの方法を示しているつもりです。やみくもに働かせているのではなくて、「あなたのスキルにこのスキルを足したらもっと良くなる」ということを示していますし、スキルを上げて稼げる人材に育てられる自信もあります。

もちろんスキルを身につけるためには努力も必要です。元々素質がある人と、そうでない人とでは、習得できるまでの時間が変わってくるでしょう。ただ私は、その機会を、「ママ」でも「リモートワーク」でも均等に与えたいと思っています。

例えば、神戸在住のシングルマザーの社員がいるのですが、彼女は「子どもの人生のためにスキルを上げてバリバリ稼いでいきたい」と本気で思っています。私はその意欲に応えたいし、過去の自分の経験から、彼女のスキルをあげる方法もわかっています。ノウハウをしっかり教えて、稼げる人材になる伴走をしたいのです。熊本にも、子育て中のママさんがいますが、しっかりスキルも身に着けて、お客さまを任せられる状態になっています。

——根性論を強いるのではなく、ゴールまでの道筋を示して伴走しているわけですね。とはいえ、谷脇さんは情熱的でストイックな方なので、ご自身の理想を社員に押しつけそうになるときはないのでしょうか。

谷脇:あります。「なんでできないのよ!」と言いたくなるときが(笑)。でも、それを言ったらダメだっていうのもわかっています。で、最近よい言い方を思いついたんです。

——よい言い方! どんな言い方ですか?

谷脇:「私たちはweb業界のレアル・マドリードになるんだよ!」です。

taniwaki4-2

——レアル!(笑)。

谷脇:そうです。そもそも私は、へノブファクトリーをただのweb制作会社じゃなく、世界一のプロ集団にしようとしています。今までもそれを社員に伝えてきたつもりでしたが、ちゃんと伝わっていないことに気づいたんです。で、「わかりやすく伝えるにはどうしたらいいだろう? そうだ、レアルだ!」となったわけです(笑)。

「レアル・マドリードの選手は『ほらみんな、練習して!』なんて言われないよね? みんなもレアルなんだよ。そして、練習して一流になれば、ちゃんと対価が出るんだよ」と言ったら伝わったように感じます。

人がその道のプロとして稼げる時間は限られています。で、そこでちゃんと実績を出せばスター選手になります。一度スターになって自分の価値を築けたら、選手で続けていくことも、そのあとコーチになることもできます。どこでもなんでも稼げるようになるし、一生仕事が続けられるようになるのです。

(取材・文:落合絵美、撮影:青木勇太、編集:安次富陽子)

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

ママだから戦力外なんて思わないで。年収600万を目指すためにできること

関連する記事

編集部オススメ

仕事と恋愛、キャリアとプライベート、有能さと可愛げ……女性が日々求められる、あるいは自分に求めてしまうさまざまな両立。その両立って本当に必要?改めて問い直すキャンペーンが始まります。

後悔のない30代を過ごしたい。ありとあらゆる分野のプロフェッショナルに、40歳から自分史上最高の10年を送るために「30代でやっておくべきこと」を聞いていきます。

記事ランキング