写真家 相澤義和さんインタビュー1

「こういう女であれ」という押しつけはしたくない【写真家・相澤義和】

「こういう女であれ」という押しつけはしたくない【写真家・相澤義和】

本心をわかった気になるのが一番怖い

——初対面から「記録」を続けてるんですね。

相澤:できれば、待ち合わせ場所で1枚撮ります。それが最初に僕に見せる顔なので。何回も会っていると表情がどんどん変わっていくんですよ。そういう表情の変化が、すごい物語になると思うんです。初対面では顔をこわばらせていた子が、3回目にはほぐれたやわらかい顔してたり。

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(写真上下)どちらも同じモデルだという/『愛情観察』より

上下どちらも同じモデルだという/『愛情観察』より

——そこまでほぐすのもすごいですね。どうやってコミュニケーションをとれば、そんなふうになるんですか?

相澤:相手にもよりますが、とりあえずは「僕は無害だよー」ということを理解してもらうようにしています。この容姿なので(笑)。たとえば、今日撮った写真は送るから、嫌なものは絶対にNGと言ってくれと伝えるとか。嫌だと思われるようなものを撮りたいわけではないので、そういうことは逐一言っています。あとは、昔の男の悪口とか聞きますね(笑)。

——それ、絶対盛り上がるやつですね(笑)。相澤さんのほうからも、昔つきあっていた女性の話とかをするんですか? 自己開示というか。

相澤:はい、します。「昔Instagramにあげていた子は彼女?」とか聞かれたりもするので、「そうだよ」とかそういう話をして。やらかしちゃった失敗談とかも(笑)。

——自己開示って大事ですよね。

相澤:そうですね、自己開示をできるだけ嘘偽りなくすることが大事です。心の開放度を広げてもらうためには。ただ結局のところ本心ってわからないじゃないですか。その本心をわかった気になるのが一番怖いんですよ。わかった気になるとか、思い込みとか、そういうのをできるだけなくすことを心がけています。

——たしかに、「この人、〇〇系だな」とカテゴリ分類すると、それで分かった気になっちゃうときってありますね……。

相澤:男も女もLGBTもすでにカテゴリじゃなくて、そこにあるのはグラデーションだけじゃないですか。だから個を見ないと。本心がどこにあるかわからないという前提のもと、個々に写った事実を見るといいますか……。

——上がった写真を見てはじめて、「本心を引き出せたな」とわかるんでしょうか。それとも、撮ってるその現場でわかるものでしょうか。

相澤:現場で「なんか出たな」という感じですね。ちなみに、「引き出せたなぁ」という感じではないです。カメラを向けていると、女の子が勝手に自分の美しさに酔っていって揺れていくんです。そこに対して何か引き出そうとしても、「邪魔しないで!」って感じじゃないですか(笑)。そういう余計なことをしないように心がけています。

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(取材・文:須田奈津妃、撮影:青木勇太、編集:ウートピ編集部 安次富陽子)

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