「平成最後の夏」に観たいホラー映画・前編

「怖い」「グロい」だけじゃない…!平成最後の夏に観たいホラー映画【昭和編】

「怖い」「グロい」だけじゃない…!平成最後の夏に観たいホラー映画【昭和編】

今年は「平成最後の夏」。すでに夏休みを満喫している人も多いのでは? 帰省したり、旅行に行ったりするのもいいですが、おうちでゆっくりと映画を見るのもなんとも贅沢な時間。そこで、ウートピでは、「ホラー映画について語り始めたら一晩と言わず三日三晩語れる!」という映画ライターの石井隼人さんにウートピ読者にオススメのホラー映画を紹介ピックアップしてもらいました。コメディやヒューマンドラマは好きだけれど、ホラーはちょっと……という貴女にこそ見てほしい映画を紹介していただきます。

例年にない猛暑を記録中の今夏。クーラーも扇風機ももはや効果ナシ……と嘆く、そこのアナタ! 背筋ゾクゾクのホラー映画を観て、心の底から冷えてみるのはいかがですか?「血は苦手だから見ない!」という喰わず嫌いは今夏で終わり。「ホラー映画」と一口にいっても、そこには様々な文化やドラマがあり、恐怖と同時に教訓さえも得られたりするのです。しかも今年の夏は“平成最後の夏”として記録にも記憶にも残る瞬間!

そんなメモリアル・サマーの猛暑を“恐怖”でスッキリ吹き飛ばしてくれる「平成最後の夏に観たいホラー映画」を前後編に渡ってご紹介。前編では、ウートピ世代が生まれた頃の昭和名作ホラー映画3作品を厳選しました。

都会の喧騒を離れた郊外で襲われる恐怖

映画『悪魔のいけにえ』(トビー・フーパー監督、昭和50年/1975年公開)

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GWが終わった段階で夏休みの予定をしっかりと組んで夏休みを心待ちにしていた人も多いことでしょう。喧騒から離れて、心穏やかに過ごす昼下がり。満員電車に揺られる都会的日常から離れて、緑多い自然の中で涼をとる……というスタイルは一度はやってみたい夏の過ごし方なのではないでしょうか? ところが見ず知らずの土地に足を深く踏み入れたことで、厄介なことに巻き込まれてしまうケースも……。その戦慄を描いたのが『悪魔のいけにえ』です。

真夏のアメリカ、テキサス州の郊外。古ぼけた家屋を訪れた男女5人が、そこに住む狂人ファミリーの餌食となる……。この粗筋から醸し出される野蛮さもさることながら、1950年代のアメリカを震撼させた猟奇殺人鬼エド・ゲイン事件という実話がベースというのがもはや怖すぎ。

しかも狂人ファミリーにいたぶられるも、必死にサバイブするヒロインを演じたマリリン・バーンズが流す血がホンモノであるとか、若さ&無名&無知&無茶な低予算映画作りからくる化学反応がいたるところに発生。全編が緊張の連続という奇跡を起こしています。

顔には死体マスク、体にはエプロン、手には電気ノコギリという悪夢を具現化したような大男“レザーフェイス”というキャラクターの存在感も抜群。その後の映画史や文化、芸術に与えた影響も高く評価されており、オリジナル版のマスターフィルムはニューヨーク近代美術館に保管されています。

また、2017年に逝去したトビー・フーパー監督の最後のプロデュース作品で『悪魔のいけにえ』の前日譚となる『レザーフェイス-悪魔のいけにえ』 のBlu-ray&DVDも同時発売されるので合わせてチェックしてみては?

商品名:悪魔のいけにえ 公開40周年記念版(価格改定)
発売日:2018/10/17
価格:4700円(税抜き)
発売元:松竹
販売元:松竹
コピーライト:(C)MCMLXXIV BY VORTEX, INC.

インスタ映えブームを40年前に先取り? アート系ホラー

映画『サスペリア』(ダリオ・アルジェント監督、昭和52年/1977年公開)

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夏休みは日本を離れて海外へ! という非日常な過ごし方よりも、帰省したり自宅で日常をまったりと過ごしたいという人もいるでしょう。そんな女子にオススメなのは、芸術の秋を先取りして、アートに触れるホラー映画です。

「アート」といえば、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロを輩出し、世界遺産登録数世界最多というイタリア。芸術文化が成熟している国ゆえに、ホラー映画にも芸術志向が高く反映された作品が実は多いのです。そんなイタリアンホラーの中でも人気なのが『サスペリア』。

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ドイツにあるバレエ寄宿学校が実は魔女に支配されていた、という耽美系ホラーで、日本公開時には1000万円のショック保険や、“決して、ひとりでは見ないでください”というキャッチーコピー、さらに「本物の幽霊が写り込んでいる!」という噂が広まり、スマッシュヒットを記録しました。

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Suspiria

監督はイタリアンホラー界の巨匠ダリオ・アルジェント。室内を照らす照明や美術セットに原色を多用し、幾何学模様がデザインされた真っ赤な壁を背景にぶら下がる血まみれの死体、無数の針金に絡み取られる少女など、“ビビッド”かつ“インスタ映え”がトレンドワードになる約40年前に、美しくも残酷な幻想的世界を展開しています。

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傑作映画の例に漏れず、ハリウッド版リメイクも製作され、全米で今年公開予定。人気バンド「レディオヘッド」のトム・ヨークが映画音楽に初挑戦することも話題です。

作品名:サスペリア <HDリマスター/パーフェクト・コレクション> Blu-ray
発売日:DVD&Blu-ray発売中
価格:6800円(税抜き)
発売元:ハピネット/是空
販売元:ハピネット
コピーライト:(C)1976 SEDA SPETTACOLI S.P.A.DESIGN AND ARTWORK (C) 2004 CDE / VIDEA (C) 2001 MAGNUM MOTION PICTURES, INC. ALL RIGHTS RESERVED

ゾンビ映画のスタンダード 社会派ホラー

映画『ゾンビ』(ジョージ・A・ロメロ監督、昭和54年/1979年公開)

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“生ける屍”ことゾンビは、その数をワラワラと増やすように、2000年代以降、映画、テレビドラマ、小説、漫画、ゲームとポップカルチャーを席巻。安倍晋三首相も海外ドラマ「ウォーキング・デッド」が好きと公言するほど、ゾンビは死体権ならぬ民権を得ています。日々多忙で、そんなゾンビブームに乗り遅れてしまったという人も、夏休みを利用してブームの原点を押さえておきましょう!

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「生きている人間を襲う」「襲われるとゾンビ化」「脳みそを破壊しないと死なない」このゾンビ基本三原則を確立させたのが、ジョージ・A・ロメロ監督の映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)。それに続いて、ロメロ監督がショッピングモールを舞台にしたシリーズ第2弾『ゾンビ』が世界的なヒットを記録したことから、ロメロ監督発案のゾンビ基本三原則がゾンビ映画のスタンダードとして世界的に認知されるようになりました。

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ゾンビや人間たちによる目を覆わんばかりの人体破壊描写は、規制だらけの現代では考えられないほど大胆かつ直接的。しかしそういった即物的な恐怖以上に、本質的な恐怖として描かれているのが、消費社会に生きるエゴまみれの人間の醜態です。

資本主義を具現化したようなショッピングモールに、死してもなお集まる悲しき人間の性、滅びゆく世界を横目に物欲を捨てきれない人間たち。また男女3対1の中で生まれるヒロインの自立性は、1970年代に盛り上がりを見せた女性解放運動を反映させたかのよう。ホラー映画というフォーマットを借りながらも実は社会派。“ゾンビ”とは、意外と知的好奇心をくすぐってくれるモンスターだったのです。

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作品名:ゾンビ ディレクターズカット版<HDリマスター版> Blu-ray
発売日:Blu-ray発売中
価格:4700円(税抜き)
発売元:『ゾンビ』BD発売委員会
販売元:ハピネット
コピーライト:(c)1978 THE MKR GROUP INC. All RIGHTS RESERVED.

(映画ライター・石井隼人)

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