有川真由美さん『女子が毎日トクをする人間関係のキホン』第1回

「女子の人間関係=モヤモヤ」はもう古い ストレスフリーな“ごきげん”生活のススメ

「女子の人間関係=モヤモヤ」はもう古い ストレスフリーな“ごきげん”生活のススメ

人間関係というと、すぐに「モヤモヤ」「ギスギス」とした言葉をイメージしてしまいますが、本当にそうなのでしょうか? これまでの職業経験を生かして、働く女性へアドバイスを送る、作家の有川真由美(ありかわ・まゆみ)さんに、これからの時代の人間関係について全4回に渡ってつづっていただきます。

有川さんは「人間関係って、メンドウなことばかりじゃない」と言います。人間関係をチャンスに繋げる視点を持つには?

日常的な悩みの9割は人間関係

「人間関係って本当にメンドウ……」。上司や同僚、家族、恋人や友人、ママ友など他人の言動は、「どうして、あの人はああなの?」とこちらの想像を容赦なく超えてくるもの。

職場でもイライラ、家に帰ってもモヤモヤ……。人間関係がもとで、仕事を辞めたり、異動させられたりと、キャリアに影響が出ることも少なくありません。日常的な悩みの9割は、人間関係からくるといっても過言ではないでしょう。

暗い話からはじめてしまいましたが、お伝えしたいのは、人間関係って、メンドウなことばかりじゃないってことです。むしろ、ありがたく恩恵にあずかっていることのほうが遥かに多い。人と付き合う魅力をもっとイメージできれば、トクすることがさらにたくさん生まれてくるのです。

不機嫌になっても、自分がソンするだけ

かつての私も、「人間関係ってメンドウ」とネガティブなことばかりを考えている一人でした。

ある職場では、嫌いな上司がいるだけで、一日が憂うつ。つい不機嫌な態度をとったり、話したくないから連絡を怠ったり。当然、仕事もうまくいかず、互いに責任をなすり合うばかりで、上司がさらにイヤになるという悪循環でした……。

でも、あるとき、同僚の女性から、こう言われたのです。

「不機嫌になっても、自分がソンをするだけよ」

あぁ、たしかにと、ぱっちり目が覚めたようでした。相手の態度は自分の鏡。不機嫌な態度をとるのは、天に向かって唾を吐くようなものなのです。

その同僚は、悪意のあることを言われても「あら、そうですか」と受け流し、「まぁ、あの人もいいところがあるしね」と、自分に都合のいい情報だけを選んで受け取っている。だから、どんな相手にもご機嫌でいられるし、彼女のまわりはいつも笑顔があふれているのだろうと、心からナットクしたわけです。それからというもの、私はできるだけご機嫌でいようと心がけてみました。

お互いさまだからしょうがないと認めてしまおう

ご機嫌でいるためには、相手のいいところを見ようとすること。欠点があっても「まぁ、お互い様だからしょうがない」とあっさり認めること。

極めて単純なルールですが、欠点や嫌なところを見ていれば、嫌いになるし、長所やいいところを見ていれば、好意的に思えてくる。「何かしてあげたい」という気持ちにもなってきます。

どんな相手にもそんな視点をもつことが、「やさしさ」であり、「大人になる」ということなのかもしれません。

そんなふうに、自分がご機嫌でいることを心がけていると、あら、不思議。職場で「よくできてるね」「がんばってるね」と評価されたり、「手伝おうか?」と助けてもらえたり。新しい環境でも、すぐに人の輪に入れたり、情報を与えてもらえたり、なにかと声をかけてもらえたり……と、トクすることが劇的に増えてきます。

人間関係が好循環していれば、お互いの理解力が深まって、「それ、やってほしかった!」と求めていたことが与えられるようになってきます。

人間関係でトクしようと欲張らない

ただし、注意してほしいのは、トクをするために無理して人とうまくやろうとする必要はないということ。人間関係に悩んでいる人の多くは、「“みんな”に合わせなきゃ」「“あの人”からこんなことを言われた」などと、“他人”を中心に考えているから、人に振り回されて、しんどくなってしまうのです。

うまくやろうとがんばるほど、「わたしはいいの。あなたがよければ」と我慢や自己犠牲で成り立つ人間関係になりがちです。深い関係を築けないばかりか、人つき合いがどんどんメンドウに思えて、人を避けるようになってしまうでしょう。

無理して「うまくやろう」「いい子になろう」とするよりも、 できるだけ正直になって、“自分”の毎日の生活をご機嫌に保とうとすることのほうがずっと大事。

「“私”は、こんなことがしたい」「だから、みんなに助けてもらいます」と、まわりに感謝し、“自分軸”をもって前へ前へと進んでいくイメージができていれば、人間関係にあまり悩むことはありません。

「女社会=モヤモヤ」はもう古い!

「女社会はモヤモヤして面倒くさい」と考えるのは、もう古い。これからは、「みんな一緒」や「和を乱さない」という関係も時代遅れになっていくでしょう。

一人ひとりの女性が、それぞれの個性や能力をもって道を切り開いていく現代は、いい意味で「人は人、自分は自分」の境界線をもっていて、「お互いさま」で助け合う関係が求められています。

同じ意見の人や、なにかと合わせてくれる人には、安心感をもつものですが、それでは進歩がない。自分と違う意見の人、違う立場の人こそ、力を合わせて補い合ったり、刺激があったりするはずです。

それには、先に書いたように、どんな相手も好意的に受け入れる“寛容さ(やさしさ)”が必要なのです。

「ご機嫌な人=前向きな人」といえるかもしれません。いつも明るいほうを見ている人は、一緒にいて心地よくて、貴重な存在。友だちでいてほしいと思うものです。

自分がそんな人になったら、人生が好転すると思いませんか?

*次回は5月8日(火)公開予定です。
(有川真由美)

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