わたしのキャリアの選び方【前編】

大手損保からベンチャーへ ミレニアル女子に聞く「わたしのキャリアの選び方」

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大手損保からベンチャーへ ミレニアル女子に聞く「わたしのキャリアの選び方」

社会人経験を数年積んで、新人のころとは違う景色が見え始めたとき、このまま今の仕事を続けるのか、あるいは転職したり別の仕事に挑戦するのか、自分のこれからについて悩んだり迷ったりするのは多くの人に心当たりがあることなのではないでしょうか。

決めるのは自分だけれど、みんなはどうやって自分のキャリアや働き方を決めているの?

最近は「ミレニアル世代」と括られることも多い、30歳前後の女性に「キャリアの選び方」を聞きます。

スタークス株式会社の髙橋優奈さん

スタークス株式会社の髙橋優奈さん

仕事の軸は「社会的意義があること」

ベンチャー企業「スタークス株式会社(以下、スタークス)」で法人向け営業のセールスコンサルタントという肩書きで、社内では営業チームのマネジメントも担当している髙橋優奈(たかはし・ゆうな)さん(26)。

ちょうど1年前の2017年の4月に大手損害保険会社から「スタークス」に転職しました。

スタークスはテクノロジーとアイディアで社会課題を解決することを目的に事業を展開しているベンチャー企業です。

例えば、去年から今年にかけて「物流危機」という言葉をニュースで聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

同社は「物流危機」という社会的課題に対して、AIによって事前に荷物の需要を予測し、倉庫の拠点を分散させることによって、配送コストを抑えたり、長距離ドライバーの負荷を軽減したり、正確なシフト管理を組むことができるクラウド型の物流プラットフォームサービスを主力事業として提供しています。

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学生の頃から「社会的意義のある仕事をしたい」と思っていたという髙橋さん。そんなふうに考えるようになったきっかけは髙橋さんが大学1年生のときに起こった東日本大震災だったと言います。

「震災が起こったときは大学1年生のときで東京にいたんですが、出身が福島県で、実家は津波の被害はなかったものの私が通っていた高校は半壊状態で古い家も倒壊してしまって、私が知っている地元と様変わりしてしまったんです。地元愛というか、地元に対して何かをしたいという気持ちが湧いてきたのを覚えています」

福島第一原発事故の影響もあって、髙橋さんが帰省したのは震災から1ヶ月後。地元では誰もが「これからどうすればいいのか」と途方に暮れていたと言います。しかし、そんな中、髙橋さんのまわりで唯一動き回っていたのが父親でした。

「父は地元で保険代理店を経営しているんです。地震保険も取り扱っていて、震災が起こってからお客様の元に行って保険金の請求の仕方を一軒一軒回って説明していたんです。実家にはお客さんからのお礼の手紙やお菓子や果物がたくさん届いていて、そんな光景を目の当たりにして『父親はすごく必要とされている仕事をしてるんだな』と思いました。

と同時に、私も『あったらいいな』ではなくて、お客様にとって必要なときに本当に必要なものを提供できる仕事をしたいなあと強く思ったんです。当時は学生で、父親と比べたら自分は何もできない存在というのをひしひしと感じていたので、より一層強くそう思いました」

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大企業ならではのメリットは?

大学3年生になって就職活動の時期になり、具体的にどんなことを仕事にしたいのかを考えた末、大手損保に就職します。

「大手の損害保険会社で実際に働いてみて、よかったなと心から思ってます」と振り返る髙橋さん。

「伝統のある大企業なので、その会社の名前があるからこそ、お付き合いができるお客様もいるんですよね。名前があるからこそ知れるステージを味わえたので、経験としてはよかったかなと思います。

また、よくも悪くもしっかりとした縦割りの社会なので、その中で最低限のマナーというか、ビジネスマンとしての立ち振る舞いについては厳しく指導してもらえました。自分の基礎となる部分、ビジネスマンとしての基礎となる部分は前の会社から教えてもらったかなと思いますね」

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働いていく中で感じた違和感

営業支社内では初の“女性営業”として教育され、会社からの髙橋さんに対する期待も大きかったと言いますが、就職して2年が経過した頃に自分が考えている「社会的意義のある仕事」と損害保険の営業という仕事に価値観のズレを感じ始めました。

「仕事をしている中で気付いたことが二つありました。まずは保険という商材自体なんですが、保険というのはお客さんに買ってもらって、そのときから商品の真価を発揮できるわけではないんですよね。

震災のように、『いつか来る』ものに備えて、万が一きたときに効力を発揮するものなので、ほとんどの人が使わずに終わるんですね。もちろん、何事もないのが一番で、そもそも保険は多くの人から少しずつ集めていたものを、誰かに還元するという相互扶助の考えから生まれているものなので、それ自体の仕組みはすごく社会的意義があるなとは思うんですけれど、自分の中ではやりたいのはそこじゃなかったって気付いたんです。

商品を買ってもらったお客さんには必ず『Win』の状態になってほしいという思いがあって。保険の営業をしていて営業の仕方がどうしても、『こういうことがあったら、こういう損失があって、会社潰れちゃいますよ』という言い方で買ってもらう。リスクヘッジの考え方なので仕方がないのでしょうけれど、やりがいがだんだん薄くなっていったんです」

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「もう一つは、大企業なので業務が細分化されていて、自分ができる仕事の幅がすごく狭い。新人だからというのもあったのかもしれないんですが、自分の裁量権が本当に少ししかなくて。

裁量権がないとそれだけ自分の成長のスピードも遅いなと思い、このままのスピードでいったら30歳になったときはどれだけ成長しているんだろう? と思ったら『このままでいいのかな』という不安が湧き上がってきたんです。焦りというか、恐れに近いような気持ちを抱いたのが(転職の)きっかけですね」

こうして髙橋さんは転職活動をすることに。後編では、髙橋さんがどんなふうに転職活動をしたのかについて聞きます。

(取材・文:堀池沙知子)

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