私、逗子から東京に通う働き女子です 第4回

鎌倉に小さな一軒家が欲しい…「夢見がち」と言われた夢を叶えるまで

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鎌倉に小さな一軒家が欲しい…「夢見がち」と言われた夢を叶えるまで

こんにちは、柴田麻衣です。

連載も4回目となりました。これまで、逗子に移住した理由や、逗子から都内に通うために仕事や生活習慣を変える練習をしてきたことについて書いてきました。今回は、ちょっと方向を変えて、私たち夫婦が建てた「家」についてお話ししたいと思います。

皆さんが家を建てるなら、どんな条件を優先しますか? 広い庭のある家、防音効果の高い地下室のある家、屋上でBBQができる家……。こんな家に住みたいと考えるだけで、夢が膨らみますよね。

私たち夫婦は、2016年に、逗子に家を建てました。地下スタジオも屋上もない、2階建ての2LDKです。家を建てた時、私たちが最優先に考えていた条件とは……?

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第1回:私が逗子に移住した理由
第2回:だから遠くに住んでる人は…と言われたくない
第3回:移住のために私が削ぎ落としたもの

なぜ一軒家にこだわったか?

家を買うなら高台の一軒家。

言葉にすると「なんて夢見がちなの!」という感じだけれども、家を買うと決めた時から、“一軒家”と“高台”という条件は譲れないと思っていた。

一軒家にこだわっていたのには、色々な理由がある。例えば、マンションで隣や上下の部屋に気を遣いながら生活するのは窮屈だと思っていたことや、自分の庭で好きなだけ植物を育てたいと思っていたこと(今の家には庭がないのでこの望みは結局叶っていないけれど)。でも、そうした理由以上に大きかったのは、地震や津波が来ても、安全を確保できる家に住みたいという思いだ。

私は仙台生まれで、祖母や親戚も仙台に住んでいる。東日本大震災の時、東京にいた私は被害を受けずに済んだけれど、震災後に祖母や親戚に電話をすると「あの時は大変な思いをした」と、みんなが口々に震災直後の様子を教えてくれた。余震におびえ、インフラが機能しなくなり、食料の調達もままならない……。身近な人から聞く当時の状況は、テレビのニュースで見たり、新聞で読んだりするよりも、ずっと過酷だった。

子どもを守れる家を建てたい

地震は、いつ起きるか予測ができない。私は今、妊娠中で、この先子どもが成長すれば、ひとりで留守番をすることもあるだろう。その時に運悪く地震が起きる可能性もある。子どものためにも「せめて家にいれば安心」という状態をつくっておきたいと思ったのだ。

これは家の購入を検討し始めてから知ったのだけれど、震災の時に安心・安全を確保できる土地に住みたいという思いは、私より夫の方が強く持っていた。だから、鎌倉・葉山・逗子エリアで家を探し始めた時も、私たちはハザードマップに引っかからない場所を念入りに調べた。鎌倉周辺は、ハザードマップで見るとリスクの高いエリアもいくつかある。特に人気の海沿いや、駅の目の前の標高が低い土地は、基本的にハザードマップで見ると色がついてしまうのだ。そうした土地を候補から消していくと、私たちの条件を満たす場所はそれほど多くなかった。

特等席からリビングを眺める

初めて逗子の土地を見に来たのは、秋も終わりかけの頃だ。広い道路に面した、鎌倉や葉山や逗子の近辺では珍しい土地で、ひと目で気に入った。並木にはもう緑があまり残っていなかったけれど、春になると桜の花がいっせいに開くと聞いて、ここで暮らしているイメージがすぐにできたのだ。

想像通りの桜並木だった/本人撮影

想像通りの桜並木だった/本人提供

地盤の強い土地を探すことのほかに、私たちがこだわったのは、耐震設備などの注文にとことん応えてくれるハウスメーカーに家の建築をお願いすることだった。家の間取りは、キッチンとリビング、寝室、子ども部屋が1つ。ほかには、やたらだだっ広い納戸があるだけだ。背の高い家具は部屋に置かず、モノはできる限り納戸に収納することをルールにした。

家の中では、何といってもキッチンが私のお気に入り。間仕切りのない対面型のキッチンにしたのは、リビングの様子を眺めながら料理をするというシチュエーションに憧れていたからだ。リビングの窓の下にはちょっとした段差を設けてあって、これは友だちがたくさん来た時に、段差に座っておしゃべりできるようにするためだ。

こだわりの空間

こだわりの空間

逗子に移住して初めて迎えた今年の夏は、友だちを大勢呼んでホームパーティーを開催した。みんなで段差に座って、食べたり飲んだりおしゃべりをしたり。そんなリビングの様子を、キッチンに経ってうっとり眺めていた私は、世にも幸せな顔をしていたに違いない。

春には子どもが生まれる

「逗子に家を建てようと思っているんだ」

そう話した時、千葉に住んでいる両親からは「遠いんじゃない?」と言われた。でもすぐに「私たちはいずれ仙台に帰るかもしれないから、あなたの好きな土地を選ぶといいよ」と言ってくれた。

実家では犬を飼っていて、私たちも逗子に引っ越してから犬を飼い始めた。だから、両親が逗子に遊びに来ると、犬を連れて海岸に行くことが多い。散歩をしていると、母は毎回決まって「やっぱりこの辺りは雰囲気もいいし、毎日楽しめていいね」と言う。住宅関連の仕事をしていた母の目で見ても、土地の安全性は“星5つ”だそうで、最近は「子育てにもいい場所を選んだね」と言ってくれる。

愛犬と散歩/本人提供

愛犬と散歩/本人提供

春には、私たち夫婦にとって初めての子どもが生まれる。仕事や生活を、この先も今と同じように続けるのは、きっと難しいだろうと感じている。

じゃあ、10年後や20年後、私はどんな人生を歩んでいたい? そのためにはどんな練習が必要? 子どもができたと知ってから考え続けてきたこの問いに、まだおぼろげながら、答えのようなものが見えてきた。最終回となる次回は、そのことについて書いてみようと思う。

(構成:東谷好依、写真:青木勇太)

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