体のコンプレックスに「そのままでいいじゃん」って言われても…

体のコンプレックスに「そのままでいいじゃん」って言われても…

自分のカラダが好きになれない。

これは、働くアラサーのためのニュースサイト「ウートピ」の編集部でも、いつかは扱いたいテーマとして何度も企画会議に出されたテーマだった。

太すぎるふくらはぎ、年々だぶついてくる二の腕、逆にペタンコのおしりや小さな胸……みんな、それぞれに自分のカラダの「嫌いな部分」はあるもの。そりゃ、もう、いいオトナだから、毎日鏡の前で一喜一憂していた20歳前後よりは、ソイツとうまくやっていく術は身につけたけれど、完全に受け入れられているかといえば、そうでもない。SNSでO脚矯正やおっぱいが大きくなるサプリの広告が流れてきたらやっぱり気になる。ことさらに盛ったり、隠したりはしないけど、内心「私を見ないで!」と思う。

そういう、女性が抱える体にまつわるコンプレックスを、メディアとしてどう扱うべきか? 議論が繰り返されたものの、解決策が見つからず、企画会議に出てはペンディングになり続けているテーマのひとつだったのだ。

たとえば、よく海外メディアがやっているように、嫌いな部分を堂々として美しいポートフォリオ写真にして掲載しても、つまり「そのままでいいじゃん」というメッセージを発信しても、悩みの渦中にいる女性には届かないだろう。「そのままでいいじゃん」と言われても、素直に「そうだよね」とは、全然思えない。むしろ、「そのままでいいじゃん」というメッセージに、「そりゃ他人事だもんね」と軽い敵意さえ覚えてしまうものだ。

「自分のカラダを受け入れる」とは、女性にとってはことほどさように難しい。なかなか答えが見つからない問題なのだ。

「ポチャ」の女性4人を招いて

私がコメンテーターと出演している「Wの悲喜劇 〜日本一過激なオンナのニュース〜」では今回「みんなホントはポチャが好き!」というテーマで、ポッチャリの女性4人をスタジオに招いて話を聞いた。

いらしてくださったのは、シングルマザー芸人の「ももち」こと柏崎桃子さん、ポッチャリ女性向けのファッション誌『la farfa(ラ・ファーファ)』専属モデルのももさん、AKB48とSDN48の元メンバーの野呂佳代さん、そして婚活アドバイザーの大西明美さん。

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スタジオに入った瞬間、「おもしろな」と感じたのが、「ぽっちゃり」にもすごく幅があること。ももちさんは冒頭で自分から「ポチャの域は超えている」と断言するほど大柄だし、野呂さんは、公称ウエスト58センチの女性がウヨウヨいる芸能界にあっては「ポチャ」に分類されるのかしれないけれど、第一印象としては、元気いっぱいのザ・健康優良児という感じ。

その“開き”から「ポッチャリ」の定義って何だろう?というテーマでトークを展開中、ラファモ(『la farfa』のモデル)のももさんが「明るく生きようとしているのがポッチャリ」という名言を吐いた。ももさんいわく、自分の体型を受け入れてポジティブに生きているのが「ポチャティブ」で、コンプレックスに感じてネガティブに生きているのが「ネガデブ」とのこと。「ポチャ」と「デブ」の違いは、体重やBMIではなく、生きる姿勢にあったのだ。

「廊下の男の子」を心に飼うな

ももさんの定義に従えば、スタジオの4人は本物の「ポチャ」だった。

全員、ごくナチュラルに明るい。デブはおもしろくなきゃダメという世間の空気などからは遠くかけ離れて明るい。ももちさんは109の店員を捕まえて「この服、伸びますか?」と聞くというし、野呂さんはテレビのダイエット企画で制作サイドから求められたように痩せられず番組をクビになったというエピソードを披露した。彼女たちの口から経験談が語られるたび、スタジオが笑いに包まれる。

ああ、そうか、答えは「明るさ」か。

それも、他人を意識しない「明るさ」。良いと言おうと、悪いと言おうと、他人の声は責任をとってくれない。自分のカラダを受け入れるかどうか、ポジティブな気持ちで生きていくか、ネガティブな気持ちで生きていくか、決めるのは全部自分なのだ。

子供時代、学校の廊下ですれ違いざま「デブ」とつぶやいてきた男の子。その子を心の中で飼い続けるのを、彼女たちはどこかでスパッとやめていた。自分の人生は、自分で責任をとろうと決めていた。その潔さには圧倒的に説得力があったのだ。

愛のない「そのままでいいじゃん」にうんざりしたら

「そのままでいいじゃん」

口で言うのは、簡単だ。誰でも言える(とはいえ、それさえ言えない男性がこの世にはたくさんいる事実が、収録では明らかになったのだけれど)。

番組内でももちさんが「その(体型の)ままでいいじゃん」と言ってくれた女友達が、実は彼女自身の体型のことを「そのままでいいじゃん」とは全然思っていなくて信じられなくなった、と話していたけれど、ホントにそうだ。

体のコンプレックスを軽くしてくれるのは、言葉ではなく、明るい生きざまだ。

この回は、ポチャに限らず、私のような万年ガリでも、チビでも、貧乳でも、短足でも、ついでにいえば、ハゲでも、白髪でも、そんじょそこらのコンプレックスは、容易に吹き飛ばしてくれるくらい明るい(毎回ですけど!)。愛と真心のない「そのままでいいじゃん」にうんざりしているみなさん、必見です! 放送は本日23時から。お見逃しなく!

(ウートピ編集長・鈴木円香)

■番組情報
『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』
男子は見なくて結構! 男子禁制・日本一過激なオンナのニュース番組がこの「Wの悲喜劇」。さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聴きだします。「そんなことテレビで言っちゃっていいの?」…いいんですAbemaTVですからタブーに挑戦します。
放送日時:2017年8月12日(土)23:00~23:45
視聴予約

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