クリスマスも終わり、今年も残りわずか。人によってはすでに冬休みという方もいるかもしれません。
年末年始といえば「実家に帰る」というのが定番の過ごし方とされていますが、仕事でまとまった休みが取れることも少ない中、やっぱり「旅行を楽しみたい」、あるいは結婚している方なら夫の実家に帰るよりも、「家族でゆっくり過ごしたい」。そう考える人もいるのではないでしょうか?
4人に1人が「帰省しない」
なかには、さまざまな理由で「親に会いたくないな」と帰省を先延ばしにしている人もいるかもしれません。
株式会社マクロミルの「2013年~2014年 年末年始の過ごし方に関する調査」で帰省先がある人に帰省予定を尋ねたところ、「帰省する」としたのは63%、「帰省しない」と答えたのは26%となりました。およそ4人に1人が「実家に帰らず年末年始を過ごしている」ということになります。
年代別でみると、若いほど「帰省する」と答えた割合は高く、20代では73.2%、30代では70%、40代では62.5%となっています。また、帰省したい理由を尋ねたところ「両親や親族に会いたいから」(68.5%)、「恒例の行事だから」(54.5%)、「のんびりできるから」(32.3%)が上位3位に。
20代と30代で異なる「帰省する理由」
年代別で目立った回答を見ると、20代では「地元の友人に会いたいから」(23.7%)が、また30代では「自分の家族を両親や親族に会わせるため」(36%)が他の年代よりも上回ります。20代は進学や就職により離れた地元の友人に会うため、30代では結婚後に新しい家族を紹介するためと、年代によって帰省の理由は変化するようです。
しかし、気になるのは2番目に多い「恒例の行事だから」という理由。もちろん積極的に楽しんでいる人もいると思いますが、なかには「恒例行事だから仕方なく……」という人もいるかもしれません。
不動産大手のsuumo(スーモ)が2016年1月に、20〜39歳の一人暮らしをしている独身男女200人を対象に行った「実家との関係性に関する調査」によると、実家に帰りたくないと思う理由の上位2位は「交通の便が悪く、時間ががかる」「親が仕事や生活習慣について干渉してくる」に。
男女別の回答をみると、「親が将来や結婚について干渉してくる」「父親もしくは母親と仲が良くない」「実家の家事手伝いをしなければならない」を選択した人は、いずれも女性が上回っています。
親戚に会う機会が増える年末年始。何気ない会話であっても「結婚はしないの?」という話題になれば、やはりプレッシャーを感じてしまうもの。2012年のマイナビウエディングの調査によれば、独身時代に結婚について、親からのプレッシャーを感じたとした割合は30代以降で31.3%となっています。
一方でこの調査によれば年末年始に「実家に恋人を連れて行った」割合は24.8%、「恋人の実家に行ったことがある」は28.5%。働く男女にとって休みを合わせやすく、家族や親戚が一堂に会しやすいので、恋人を会わせる時期として年末年始を選ぶ人は多いようです。
女性は「旅行したい」、男子は「自宅でゆっくり」
では、結婚後の女性は年末年始にどのような過ごし方をしているのでしょうか?
都内在住の既婚男女1000名を対象にした「『年末年始休暇』に関する意識・実態調査」によれば、年末年始の過ごし方で多かったのは「自宅で過ごす」(69%)、「自分の実家に帰省する」(40%)、「パートナーの実家に帰省する」(31%)。意外にも帰省せずに「自宅で」という割合がもっとも高くなっています。
さらに同調査で「結婚してから年末年始の過ごし方が変わりましたか?」と尋ねたところ、男性の57%、女性の67%が「変わった」と答えています。結婚前は「恋人とデートする」(16%)、「旅行に行く」(14%)、「友人同士で集まる」(14%)と自由に年末年始を過ごしていた人も、結婚を機にパートナーの実家に帰省するといった新しい過ごし方が定番化していくようです。
ちなみに、同調査によれば「理想の年末年始」の過ごし方として、男性では「自宅で過ごす」(40%)が、女性は「旅行」(38%)がトップに。夫婦で年末年始に対する考え方も異なるようです。
「義実家がしんどい」理由は、会話
また、2016年11月に行われた株式会社アスカネットの「『帰省』に関する調査アンケート」によると、「義実家に帰るのは気が重い」とした女性は34.2%。男性(6.9%)の約5倍となっています。
アンケートでは義実家に対し気を使うポイントを尋ねていますが、女性の1〜3位は「義家族との会話」(60.5%)、「家事の手伝い」(57.9%)、「手土産」(36.8%)。一方、男性では「気を使うことがない」(31%)が1位となっています。「年末年始の過ごし方」だけでなく「帰省」についての考え方も男女では差が出てくるようです。
本当は大事に思っている家族でも、少し離れていたい時もあります。独身でも、既婚者でもそれは同じ。「実家に帰らなくては」と縛られ、リラックスできなければせっかくの年末年始も台無しです。自分や家族と向き合って、どんな過ごし方をしたいか素直に話し合ってみてもいいかもしれません。
(安仲ばん)