注目を集める「高機能野菜」って? 好調の理由を聞いてみた

健康志向の近年、「高機能野菜(機能性野菜)」が注目されていることを知っていますか?
「高機能野菜」とは、研究や技術開発によって、もともとの野菜に含まれる栄養素を増大させた野菜のこと。リコピンが多いトマト、βカロテンが多いニンジンやカボチャ、ケルセチンが多いタマネギ、ビタミンCが多いピーマンなどが開発され、市場に流通しています。
1日に必要な野菜は350グラムとされていますが、毎日忙しく働いている人は、それだけの量を食べるのはなかなか大変です。普通の野菜よりも栄養価が優れている「高機能野菜」を食べれば、1日に必要な栄養素を効率よく摂取することができそうです。
その中でも、三井物産とタマネギ育種家の岡本大作農学博士がタッグを組み、2014年に商品化した高ケルセチンのタマネギ「さらさらゴールド」の販売が好調です。
最初の2年は約100トンだった生産量が、今年は約400トン、来年の生産量は1,000トンを見込んでいます。
ポリフェノールの一種であるケルセチンは、がんや動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の予防が期待されている栄養素。「さらさらゴールド」を使った「オニオン・ソイソース」などの関連商品も発売しており、女性消費者を意識したオシャレなパッケージで注目を集めています。
そこで、三井物産の石川英一さんに好調の理由を聞きました。
開発のきっかけは?
――開発のきっかけを教えてください。
植物育種研究所の岡本博士が、「これからは作り手が作りやすい野菜(大量生産が可能など)のみを供給するのではなく、消費者にとって健康面などで顕著なメリットが出る野菜も選べる時代がくるべきである」という理念のもとに、「さらさらゴールド」を研究し、そのコンセプトに共感した三井物産が博士とともに共同開発を行いました。
女性からのニーズを意識
――「オニオン・ソイソース」など関連商品もオシャレなパッケージですね。女性消費者のニーズについてはどう考えているのでしょうか?
石川:美と健康を「高機能野菜」によって獲得していきたいという女性からのニーズを意識しています。
――好調の背景にあるのは?
石川:サプリメントなどからではなく、野菜そのものが持つ機能性成分によって、健康を維持し、アンチエイジングを進めていこうという考え方が少しずつ広がってきたことが背景にあると思います。
――「さらさらゴールド」のおすすめの調理方法を教えてください。
石川:じっくりと加熱することにより、硫アミノ酸が旨味成分となり、さらにおいしくなります。水分が飛ばされることで元々高い糖分の濃度がより高くなって甘みが増します。
(編集部)