「人生 100 年時代の健康とフレイルに関する調査 2022」第1回

人生100年時代を「健康に」生きたいですか? 40代以上の男女の意識調査

人生100年時代を「健康に」生きたいですか? 40代以上の男女の意識調査

このたび、健康総合企業の株式会社タニタが、「人生 100 年時代の健康とフレイルに関する調査 2022」を実施し、全国の40歳以上の男女2,500人から回答を得ました。

調査の結果、「人生100年時代」と言われるものの、理想より早く日常生活が制限されると考えている人が多い実態が明らかになりました。調査結果を3回にわたって紹介します。(全3回の第1回)

健康寿命の予想と理想の差は4.40歳

調査ではまず、調査対象となった男女に「健康寿命の理想と予想」について質問。その結果、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活したいと思う年齢(健康寿命の理想)では、「90歳~94歳」(23.2%)や「80~84歳」(20.3%)に多くの回答が集まり、全体の平均は86.27歳でした。人生100年時代に向けて、寿命を全うする年齢まで可能な限り健康を保ちたいと考える人が多いようです。

一方で、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できると思う年齢(健康寿命の予想)では、「80歳~84歳」(19.5%)や「85歳~89歳」(19.1%)、「90歳~94歳」に回答が集中。全体の平均は81.87歳でした。

2つの調査結果を比較すると、健康寿命の理想に比べて、健康寿命の予想のほうが4.40歳短くなることがわかります。病気・怪我といった問題によって日常生活が制限される老後の健康リスクを想定している人も多いのではないでしょうか。

また、健康寿命の予想が健康寿命の理想を下回った割合は全体で55.4%となり、半数以上の人が、理想よりも早く日常生活が制限されると考えていることがわかりました。

寿命を全うするまで日常生活を制限なく送ることは難しい?

厚生労働省が2021年に発表した「健康寿命の令和元年値について」によると、平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳。これに対して、健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳であり、平均寿命と健康寿命に男性8.73歳、女性12.07歳と大きな開きがあることが判明しました。

この厚生労働省の調査結果(以下、統計上)と、タニタの調査結果を比べると、男性では統計上の「平均寿命」とタニタの「健康寿命の予想」がほぼ一致。一方で、統計上の「健康寿命」はタニタの「健康寿命の理想」を12.87歳下回りました。

女性では、統計上の「平均寿命」がタニタの「健康寿命の予想」を5.01歳上回りました。一方で、統計上の「健康寿命」はタニタの「健康寿命の理想」を11.61歳下回っています。

この結果から、男女とも、平均で見ると寿命を終える間際まで日常生活に制限がなく過ごしたいと考えている一方で、それは難しいことだと予想している姿が読み取れます。

「フレイル」の認知率はまだまだ低い

タニタは続いて「フレイルという言葉を知っているか」と質問。フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、加齢に伴い心身の活力が低下するとともに、社会的なつながりが薄れている状態のことを指します。

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調査結果は、「内容まで知っている」が15.8%、「聞いたことはあるが、内容は知らない」が26.1%。「聞いたことがない」は58.1%となりました。

フレイルの認知率を年齢別に見ると、75歳以上では半数を超えたのに対し、55歳未満では3割未満にとどまりました。

フレイルになると認知症リスクや転倒リスクが高まる

フレイルについて、「内容まで知っている」と回答した15.8%(395名)に、フレイルになると起こることとして知っているものを聞いたところ、「認知症リスクが高くなる」と「転びやすくなる」がいずれも83.8%で、突出して高くなりました。フレイルになることにより、認知症リスクや転倒リスクが高まることを知っている人は多いようです。

次いで高くなったのは、「病気の回復が遅くなる」(58.0%)、「疲れやすくなる」(57.7%)、「怪我の回復が遅くなる」(54.4%)でした。

フレイル検診の受診状況、3人に2人が「受診していない」

今回の調査に参加した75歳以上の人(750名)に、「後期高齢者医療制度で行われる健康診査(フレイル健診)を受診したか」聞いたところ、「受診した」は23.1%、「受診していない」は66.8%となりました。

フレイル健診とは75歳以上の人を対象に行われる健康診査で、実際の健診では、フレイルの状態になっているかどうかをチェックする質問票が用いられます。2020年4月に制度がスタートして2年が経過したものの、まだ受診していない人が多いようです。

男女・年齢別に見ると、「受診していない」と回答した人の割合は、75~79歳男性が76.8%と特に高いことがわかりました。

高齢者が要介護状態になるのを遅らせ、健康な状態を長く保つためには、フレイルを早期に発見してケアすることが大切です。第2回では、自身や親がフレイルになることの不安や、予防・改善のサポート状況についてお伝えします。

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