“猫ババア”になった能町さん
スー:ゆるい連帯って、よく言葉だけ走ってますけど、実際はどういうものなのか。その内容を伺いたいんですけど、猫の小町ちゃんの話から始めましょうか。猫を飼うこと自体にサムソンさんは反対はなかったんですか?
サムソン:僕自身が飼われている立場ですからね。能町さんが飼いたいなら反対はしません。
スー:フフフ。なるほど。そうすると新しい仲間がやってくるという感覚?
サムソン:ライバルとしてはどうかしら。でも正直、あんまり乗り気ではなかったですよ。
私、猫ババアが苦手なんです。
スー:あー、「ごはんでちゅよー」みたいな人か。
サムソン:猫だけを特別視するような猫ババアいるじゃない? 町内に一人は。
スー:はい。
サムソン:猫飼ったら能町さんは猫ババア化して、家にずっと猫ババアがいることになる。何よりも私が猫ババアになったらどうしようって。猫ババアになった自分なんて許せないと思っていました。それでちょっとシュンとした。でもいざ小町ちゃんが来たら、朝夕とりあえず一日5分くらいは抱きしめて。甘えん坊だからゴロゴロ喉を鳴らしてやってくるけど、とくに心が動くわけでもなく。
スー:愛情が深まるわけではなかった?
サムソン:なかったね。
スー:「うっざ」とか言いながら写真を撮ってSNSにあげていらっしゃいますけど、それは半分くらい小町ちゃんのかわいい自慢もあるのかなってほほ笑ましく見てましたが。
うっざ pic.twitter.com/qEM6hHa3KS
— サムソン高橋 (@samsontakahashi) November 6, 2021
サムソン:そう? 道具かな(笑)。
スー:え?! 「私をかわいく見せる」道具?
サムソン:です。能町さんは本当に猫ババアになっちゃったけどね。
スー:一方で、能町さんは小町ちゃんと一緒に写真を撮ることはほとんどないじゃないですか。
サムソン:奴は小町を道具として扱えないの。
スー:なるほど、そういうことか。
サムソン:能町さんがたまに小町ちゃんの写真を撮るんですよ。それが結構ブサイクで。愛情が邪魔するんです、何を撮ってもかわいいって思うから。私は逆に常に事務所の社長みたいな目で小町を見てて、「この写真OK」「この写真ダメ」って、ポートフォリオ作ってますから。だから私がツイッターにあげる小町の写真はかわいい。
スー:今日の一番大きいテーマですね。愛情が目を曇らせるって言いますものね。たしかに愛情というものが、時に、日常生活の足かせになることがありますね。
「本当にゆるい」能町さんとの共同生活
スー:ゆるい連帯についてさらに聞いていきたいのですが。
サムソン:本当ゆるいよ。三階建ての一戸建てに二人で暮らしてます。私が二階で、能町さんが三階。朝起きて飯作ったら「みねやんごはんよー」って声かけて。
スー:ご飯は二階で食べます?
サムソン:はい、二階がリビングです。私はロフトで寝てるんですけど。で、飯食って、「今日はどうすんのー」「夜はうちで食います」「何時頃?」みたいな感じです。なんやかんや言って一日の大部分は一人で暮らしてます。朝と夜と、夜食った後の1時間くらいを一緒に過ごす、みたいな感じで。
スー:ゆるいね。
サムソン:一緒にいるって言っても、たいてい二人でスマホをそれぞれ見てるので。たまに能町さんが「小町ちゃんどうしてそんなにかわいいのー」っていう、そんなゆるさです。
スー:サムソンさんのほうがそろそろ沖縄行きたい、タイ行きたいとなったら能町さんに言うんですか。
サムソン:1カ月くらい前には言うかな。「その間は出張とか入れないほうがいいわよー」みたいなことですね。
スー:小町ちゃんがいるからね。喧嘩(けんか)は?
サムソン:生活してて少し違うなと思うことはお互いありますけど、例えば私がガンガンゲップを吐くとか、そういう感じのコンフリクト。
スー:それコンフリクトですか?
サムソン:ちっちゃいことでいうと、わたくし一緒に暮らす前に能町さんが毎日バスタオルを変える人だとどうしようと思っていて。
スー:ハイハイ。
サムソン:面倒くさいなあと思ったけど、そういうタイプではなかったから。あと私はピザとか食べてて耳を捨てる子なんですよ。それを能町さんは「何をするのー」って言ってきますね。ちゃんとしつけされて育ったから、クリームパンのクリームがなくなったから捨てちゃうとかは許せないらしいです。
スー:なるほどー。食べ物はちゃんと全部食べなさいよと。そのくらいなんですね。