犬山紙子・劔樹人 夫婦対談(前編)

妻が大黒柱になってみた…バンドマン主夫と人気コラムニストの結婚生活

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妻が大黒柱になってみた…バンドマン主夫と人気コラムニストの結婚生活

妻だからって家事も頑張るべき……。という考え方にとらわれている働き女子も多いのではないでしょうか。

家事より稼ぐことの方が得意なら、外でバリバリ稼いで夫に家事を任せて、自分は家計を支える「大黒柱女子」という選択肢もあるはず。

今回、ウートピは、出産までに浮かんだたくさんの悩みを綴った『私、子ども欲しいかもしれない。』を上梓したコラムニスト・犬山紙子さんと、兼業主夫生活を描いたコミックエッセイ『今日も妻のくつ下は、片方ない。〜妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました〜』を出版した犬山さんの夫・劔樹人さんの夫婦対談を企画しました。

妻が稼ぎ、夫が主夫を務めるという結婚生活がスタートした経緯や、主夫へ向けられる周囲からの反応とは……?

犬山紙子さん(左)と劔樹人さん(右)

犬山紙子さん(左)と劔樹人さん(右)

「バンドマンの彼の月収は6万円」

——妻である犬山さんが稼いで、夫の劔さんが家事をサポートする。そんな結婚生活が始まった経緯を教えてください。

犬山紙子さん(以下、犬山):付き合っている頃、つるちゃんに「月収はどれくらい?」って、聞いてみたんです。そしたら、「6万円くらい」って返ってきて(笑)。

——びっくりしませんでした?

犬山:つるちゃんのお財布に300円しか入っていない日もあったし、まあ想定内でした。私は仕事が好きだし、一生稼ぎたい。私が生活費と家賃を負担する代わりに、家事を夫にやってもらうのは自分にとってもすごくありがたいなあと。それで彼に打診したら、OKを貰えたので、この生活がスタートしました。

劔樹人さん(以下、劔):付き合いだした時、ちょうど会社との契約が歩合制になったタイミングで、一番お金がなかったんです。僕も仕事は大好きだけど、妻と違ったのが、稼ぐことに執着がなくて。彼女の提案を受けて、流れに身をまかせることにしました。

——もともと、劔さんは家事も苦手だったとか。

:苦手というか、独身時代は万年床と万年コタツと、洋服が渾然一体となった生活をしていましたね。つまり、家事とは無縁でした。でもまあ、自分のためにやるとの誰かのためにやるのは違いますよね。

犬山:つるちゃんは、得意というより家事を楽しそうにやっていますね。私も子育てはしたいし、子どもが大好きだから、育児はふたりでやる。けど、家事は本当に大っ嫌いで。

二人とも家事が苦手なら外注してもいい

——もし劔さんも家事が大嫌いだったら大変でしたね。

犬山:そうですね。でも、もしつるちゃんが一度主夫を受け入れてくれても、「家事に追い詰められて、イヤイヤやるようだったら、即撤回しよう」と話していました。彼も仕事をしていたし、一番優先してほしいのは彼のやりたい仕事。だからやりたい仕事で忙しくなったら「家事は外注しよう」って。

:僕は外注する気にはなれなくて。自分で一生懸命やったほうが生きてる感じがするんです。僕が動くことで生活が整うなら、多少苦になっても自分でやろうと思ってしまいますね。

——夫婦の家事分担で後から揉めるケースは、とても多いです。最初から外注も含めて、きちんと話し合いがあったんですね。

犬山:結婚する時に、将来への不安要素を全て書き出して、解決方法を考えました。「家事代行サービスも1時間1500円くらいからあるよ」とか。私は家事が大嫌いなので、とにかくそこから逃げたくて。そこまで嫌な思いをするくらいなら、そのぶん仕事した方が私は生き生きするなあと。

:僕は根性論で乗り切りたいほうで。人を使うより、自分が動くほうが気持ち的にもラクなんです。

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——天性のマネジャー気質!

犬山:それは心配な面でもあって。放っておいたら睡眠時間は削るは、体が動かなくなるまで働くはで。つるちゃんは、自分の中のSOSを見逃しちゃうことがあるなあと。「家を出て友達と遊んだり、趣味の場に行ったり、ちゃんと寝たりして欲しい」と言っているんですけど。

「主夫は羨ましい」って言われることもあるけど…

——主夫をしていることに対して、周囲からの反応はどうでしたか?

:羨ましがられることはあります。「働かないでいい人」みたいな。楽しそう、というかラクをしてそう、という感じなのかな。僕も仕事しているんですけど、好きなことだけをしているように見えるみたいです。忙しさで言えば以前とは変わらないのですが、好きな仕事ができる比率は増えました。

犬山:私の方が働いているように見えるけれど、つるちゃんも執筆依頼が増えているし、忙しそうにしています。

——働く時間でいえば、出産を経て、生活も一変したかと思います。稼ぎ頭である犬山さんの収入が途絶える産休・育休期間は不安もあったのでは?

犬山:幸い連載は続いたけれど、4ヶ月間収入がなくなるのは大きかったですね。お金がなくなることが本当に怖くて、以前から出産に向けて、しっかり貯金をしていました。今は、貯金を切り崩して生活することもありますね。

:それでも妻には、「私が働けないんだから、もっと働いてよ!」とは言われなかったですね。むしろ「育児も追加になるし、ふたりで子どもに集中するためにも家にいて欲しい」と。

犬山:ただ、全部つるちゃんに任せてしまって、彼のメンタルを潰すようなことは絶対にダメだと思っていて。赤字覚悟でも、心の健康第一。今は家事を行政のサービスで週2回お願いしたり、食事は基本外食かデリバリー。大戸屋とか安くていいのあるんですよ! そのお金を払うのが私なりの家事分担です。子どもが3歳になるくらいまでは、かかるお金も必要経費かなと割り切っています。

——貯金が減っていくことよりも、メンタルキープが大事なんですね。

犬山:うちの場合、子どもが生まれた瞬間、家族がチームになったんです。私だけじゃなくて、つるちゃんもどうにか時間を作ってリフレッシュしないとダメ。我慢して、体調を崩したり鬱々としてしまったらチームとして大打撃ですし。遊ぶときは、罪悪感を持たずに、思いっきり楽しんで、ふたりでニコニコ子育てしたいなと思います。

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(撮影:青木勇太)

【後編はこちら】家事は女の仕事?「妻が稼ぐ」がフツーになってもいい

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