あたそ日記〜香港編③〜

活気にあふれた香港の選挙と猫が寝そべる漁村【あたそ】

活気にあふれた香港の選挙と猫が寝そべる漁村【あたそ】

投票率7割を超える選挙に感じた活気

朝からかっこいい階段を見に行く。この階段は、「砲台山站(フォートレス・ヒル)」という駅のすぐそばにあり、なだらかな4つの階段が組み合わさっている。目に優しい緑のタイル、そしてべたべた貼られているチラシも、人の生活のなかに溶け込んでいるようですてきだ。

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この週末の香港は、区議選があった。バスから外を眺めていると小学校に長い行列ができていて、のん気な私は「授業参観かな?」と思ったが違っていた。

後日知ることになるが、投票率は7割を超えたらしい。もちろんさまざまな状況があるけれど、ほとんどの候補者は若く、7割を超える選挙はこんなにも活気にあふれているんだと思った。とにかく、未来のある空気をひしひしと感じた。日本人もこれくらい政治に興味を持てるといいんだけど。私も含めて。

少し早めのお昼ごはん。紙に並ぶさまざまなメニューに丸をつけ、カスタムしていくスタイルのお店だ。

香港では必ず食べるようにしていて、以前フォロワーの方に「カレー肉団子みたいなやつ、おいしいですよ」と言われて注文し、本当においしかったので再びオーダー。もちろん英語メニューはなく、すべて広東語。漢字なのでおおよその予想はつくけれど、頼んだものが一体何なのか、実際に出てくるまで分からない感じも好き。そして大体うまい。何か野菜を頼めばよかったと若干の後悔。

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現地の人の暮らしを見るのが好き

昨日は、夕日を見に行くのに失敗してしまった。この日は、「三門仔村(サンムンツァイ・ヴィレッジ)」という漁村に行くことにした。また漁村か……と思ったけれど、観光地やインスタ映えスポットよりも、現地人の暮らしを見ている方が好きだし、興味がある。

この村へも、地下鉄を乗り継ぎ、ミニバスで向かう。香港は、交通面が本当に便利だ。エチオピアで現地の子どもとアリの巣をほじりながら1時間半バスを待ったり、インドでヒッチハイクをしまくったりしたときとはわけが違うのだ。都会のすばらしさを噛(か)みしめる。

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街中はこんなペイントであふれていた。テレビで見た光景は本当なんだ、とその度思い知らされる。三門仔村へ行くには、「大埔墟(タイポーホイ)」という駅で降りる必要がある。

その手前に大学駅というなんとも雑なネーミングの駅があるのだが、香港中文大学があるため、この名が付いている。1週間前も激しい抗争が起きていたようで、デモの最前線のひとつと言っていいのかもしれない。

つい最近ポケモンの「ソード&シルバー」が発売されたため、広東語版のCMが電車内で流れていた。

CMの内容もさることながら、「違う国の人でもこうして同じゲームをプレイできるのは素晴らしいな……」と感動していると、急に電車がゆっくりになり、大学駅を通り過ぎる。なぜか、止まらない。駅の名前をアナウンスすることもなかった。大学駅の構内には、白い幕が引かれ、警備員が2人ほど立っている。位置情報を把握していなかった私は、ここで、デモの深刻さみたいなものにようやっと気が付くのだった。

「香港のモン・サン=ミシェル」を目指して三門仔村へ

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三門仔村に無事到着。ここは、「香港のモン・サン=ミシェル」と呼ばれる建物があるのだが、写真奥に見えるのがそうらしい。普通だ。あまり惹(ひ)かれなかった。どうやらこの施設は老人ホームらしい。老後、海外で過ごすことはできるのだろうか? たくさん貯金して、この施設に住むのもいいな……。そんなことを考えながら、村の中を歩き回る。

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家の造りはどちらかというと台湾の高雄辺りに似ている気がする。暑いところなので、通気性も確保しながら、外で涼むことができる空間もある。おじいちゃんが白昼堂々とのんびりお昼寝をしている姿は和むね……。

香港の人は猫が大好きなので、至るところにいる。そして、人懐こい。毛並みもよく、人見知りする猫がいない。かわいがられているんだろうな。

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少し奥に進んでいくと、さらに面白い形をした家を見ることができた。海沿いにキッチン、通路を挟むとリビングなどがある。この辺りの人は漁業を生業(なりわい)としているのだろうか。

海側にせり出した専用の船着き場に船を止め、そのままキッチンに運んで調理をし、リビングで食事をする……という、理にかなった造りになっていて、とても面白い。去年行った「大澳(タイオー)」では、棚家という独自の水上住宅だったので、また違った文化を形成していて興奮した。

これくらいの規模の村に行くと、必ず麻雀をしている人たちを見かける。楽しそうでいい。

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村は基本的にひとつの道しかなく、途中に階段がある。何があるんだろう? 読めない。なので、行ってみることにする。暇だしね。

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階段を上っていくと、墓地があった。初めてみる形だ。家族でひとつの墓を持ち、骨壺を並べるらしい。どのお墓も、海の方を向いている。あの老人ホームで死んで、ここに私の墓を建ててもらうのもいいかもしれない。

さらに進んでいくと、道の至るところに紙が落ちている。拾ってみると、「天上銀行発行」的な文字が書いてあり、はあ~なるほどね。天国で使ってくださいということなのでしょう。持ち帰りたかったけれど、バチが当たりそうなのでやめる。

もっと進んでいくと、このような光景が目の前に広がる。私はこれが見たかった! 船の上で生活をする人たちで、現地の言葉では「蛋民(タンミン)」というらしい。

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昔の香港映画ではよく見ることができるけれど、今はもうほとんどなくなってしまった文化だそうで。この人たちは蛋民なのだろうか? よく見ると、太陽光パネルを載せていたり、洗濯物を干したりしている。船が家というより、海の上に村があり、移動手段に船を使っていると捉えたほうがよさそうな気もする。

行き止まりまで行こうと思っていると、ユネスコに登録されているらしい地層公園に着いた。えー全然知らなかった……そして地層……そんなにすごいのか。全然わからないな。とにかくまだ奥には行けそうなので、草木の生い茂る島をどんどん進んでいく。ちなみに、すれ違う人は皆ガチの登山ウェアだったのに、私だけTシャツスキニーというラフないでたちだった。

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謎の貝殻や謎の実もある。これは何なんだろう。植物や動物に詳しいと、旅行も更に楽しくなるのかなといつも思う。部長へのお土産にしようかなと考えた瞬間、口では感謝しつつも引き気味の感情を醸し出す部長の迷惑そうな顔が思い浮かんだ。割れてしまいそうだし、やめておく。

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パイナップル……ではなさそう。一体なんなんだろう、この実は。

パイナップル……ではなさそう。一体なんなんだろう、この実は。

やっぱり海はいいね……。ここはこれだけ自然豊かなのに、ふと向こう岸を見ると高層ビルが立ち並んでいる。不思議だ。地層など何もわからないが、確かに場所によって地面の感じが違っているような気がする。これがユネスコか……!

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対岸側でヨットをたくさん見かける。どうやら、香港の大学生たちらしい。そういえば、ヨットは乗ったことがないな。楽しいのかな。

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なんだかんだ行き止まりまで行ったため、5時間ほど滞在してしまった。いい村だ、ここは。そして海外で飲むコーラはなんとうまいことでしょう……! 日本ではまったく飲まないのに、旅行中はいつも飲んでいる気がする。

私は海外のコーラには何かしらの依存物質が入っている説を唱えているのだが、誰も本気にしてくれない。

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疲れたので、デザートを食べ、街をふらふら。気になる骨董品屋に行ったり、金魚街を歩いたり。初めて見たときは衝撃だったけれど、もう見慣れたものです。

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このときは閉店時間も間際で、締め作業の一環として箱に放り込むように雑に扱っていたのが印象的だった。香港の人からすると、魚は物であり、インテリアみたいな感覚なんだろうか? 

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犬猫はあれだけ大切にするのに。その線引きってどこなんだろうと思いながら歩いていると、「餃子専門店」という文字が目に飛び込んでくる。現地の人がたくさんいる。よさそう。入ってみよう。

英語がまったく通じないけれど、4種類の餃子が入ったスープと、芋を何かであえた名前が「酸辣湯(サンラータン)」みたいなサイドメニューを注文する。酸辣湯麵好きなのでね……。

日本で餃子というと焼き餃子を想像するけれど、中国圏での餃子といえば水餃子。とんこつっぽいスープとの相性もよく、餃子の中は葉っぱやエビやら肉やらが入っておりました。おいしい。

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早く帰ろうと思っていたのに、この日もなんだかんだ夜10時を回ってしまった。これは、お客さんの荷物の上でくつろぐ猫です。かわいいけど、ずうずうしいな。これくらいの感じで私も生きていきたい。

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