私、逗子から東京に通う働き女子です 最終回

鎌倉で出会った「一緒に仕事をしたい」と思う女性たち 変わっていく自分と新しい生活

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鎌倉で出会った「一緒に仕事をしたい」と思う女性たち 変わっていく自分と新しい生活

こんにちは、柴田麻衣です。この連載もいよいよ今回で最終回となりました。

前回、現在妊娠中だという話をしました。出産予定日が近づくにつれて、逗子暮らしのこれからについても意識するようになりました。

自分はこれから、仕事や家族とどう向き合っていきたいか。自然と周りにいる女性たちに目が向きます。

たとえば、厳しいけれど大きな愛情を持って接してくれる自分の母親や、会社にいる笑顔の素敵な先輩、あるいは雑誌などで見つけたロールモデルにしたくなるような女性たち。憧れの女性の存在は、ただ「真似したい」というだけでなく、自分のこれからの生き方を見つめ直すきっかけにもなりますよね。

第1回:私が逗子に移住した理由
第2回:だから遠くに住んでる人は…と言われたくない
第3回:移住のために私が削ぎ落としたもの
第4回:鎌倉に小さな一軒家が欲しい…

40歳の私はどんな生き方をしている?

私は今33歳で、この春に子どもが生まれる。この子が小学校に上がる年にはちょうど40歳。その頃、私はどんな仕事をしているだろう?

そう考えた時、ITの仕事をバリバリ続けているイメージがあまり湧かなかった。もしかしたら、仕事を辞めることもあるのかもしれないな。逗子で暮らし始め、子どもができたことによって、今まで考えたことのなかった選択肢も考えるようになった。

「じゃあ私、何の仕事をしよう?」と思いをめぐらせ、浮かんだのがアロマやハーブに関わる仕事だった。

ITの仕事は好きだから、もしかしたら子どもが大きくなるまでずっと続けるかもしれない。でも、もしかしたら、途中で方向転換をする道もあるかもしれない。いずれにせよ、興味のあることは早めに学んでおいて損はない。そういうわけで、逗子から都内までの片道1時間45分の通勤時間を利用して、アロマの勉強をしてAEAJアロマセラピーアドバイザー資格を取った。

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アロマを学ぼうと思った3つの理由

アロマを学ぼうと思った理由はいくつかある。

1つ目は、昔から香りのするものがすごく好きだったことだ。雑貨店に行くと、アロマオイルやディフューザーなど、とつい香りのする小物ばかり手に取ってしまう。

2つ目は、休みの日に家のソファでのんびりしていた時、ふと物足りなさを感じたこと。好きな家で好きな家具に囲まれて、おいしいごはんもお酒もあるのに何かが足りない。「何が足りないんだろう……。あっ、香りだ!」。五感を満たすものがすべてそろっていると思っていたけれど、嗅覚だけ満たせるものがないと気付いたのだ。

3つ目は、憧れる女性たちと一緒に仕事がしたいと思ったこと。実は、これが一番大きな理由だ。葉山の「音羽ノ森ホテル」で挙式を行ってからもう2年ほど経つけれど、式の担当をしてくださったプランナーさんやメイクさん、フローリストさんとは、今でも交流がある。

全員、私より5〜10歳上の女性。それぞれ手に職があり、皆楽しそうに、けれどプライドを持って仕事をしている。40代になった時に、彼女たちのようなスタンスで仕事ができたらいいと、惹かれる部分が多いのだ。

憧れの女性たちと一緒に仕事をしたい

大げさに聞こえるかもしれないけれど、一緒に仕事をしたいと思う人との出会いは、生きる指針すら変えてしまうほど大きいものだ。

ただなんとなく「将来のために何かを学びたい」という知識欲だけで動いたなら、昔から好きだったフラワーアレンジメントや、インテリアを学ぶ道もあったかもしれない。でも、「彼女たちと一緒に働くこと」を前提に考えることで、いずれ協力して面白いことができるかもしれないアロマを学ぶことが最適な解だと思った。

たとえば、結婚式場のエントランスでブレンドしたアロマを焚いたり、挙式の打ち合わせの時にハーブティーやアロマの香りで癒やしてあげたり。勉強をしておけば、そういう仕事につながる可能性もある。

フローリストさんやプランナーさんは、今でも定期的に葉山でワークショップを結婚式場で開いていて、最近は「いつかアロマやかハーブで一緒にワークショップを開催したいね」という話もしている。

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10代の頃は自分の母親が理想だった

彼女たちのみならず、私の場合は昔から、10年後、20年後にこうなりたいと思う人が、周りにいることが多かった。

10代の頃、理想としていたのは自分の母親だった。母は今でいう「ワーママ」で、仕事をしながら子育ても家事もきっちりこなしてきた人。自分が当時の母と同じ年齢になってみて、改めて「デキる女性だったんだな」と感じる。母は仕事を辞めた今も、自分のペースでのんびりと楽しそうに生きていて、そういうところに、再び憧れを感じている。

社会人になりたての頃、年齢の近い先輩と折り合いが悪くて、会社に行けなくなってしまったことがあった。けれど険悪なムードの中で、周りの目を気にせず守ってくれたり、部署が変わり仕事上で関わりがなくなっても変わらず面倒を見てくれたりした先輩がいた。

母も、先輩たちも自分の気持ちに正直に選択し、行動しているようで、かっこよく見えた。20代半ばにどんな女性になりたいかを考えて、定時に帰ったり飲み会を減らしたりする練習を始めたのは、彼女たちの影響も大きい。

私にとって、本当に相性のいい土地

話はちょっと変わるけれど、うちのリビングの壁には、採光のために細長い窓が取り付けてある。そこからは隣のお宅の庭や、道路沿いの並木を眺めることができる。そういうふうに、景色を絵のように切り取って利用することを「借景(しゃっけい)」というのだそうだ。この窓のあり方は、なんだか私が憧れの女性たちに抱いている思いと似ているなと思う。

自分の母親や、会社の先輩たち、移住をきっかけに出会った人たち。憧れの女性は数多くいるけれども、「この人の1から10まで全部が素敵!」ということはあまりない。この言葉、この表情、この仕草というふうに「この人のここ、もらっちゃおう!」と、自分に取り入れたい部分を拝借するのだ。

私たちの式を担当してくださったプランナーさんは、仕事が大好きで、朝から晩までずっと仕事をしているような人だ。でもそのエネルギッシュな雰囲気が、周りを明るくする。何にどれだけ時間を使うかは人それぞれ。「自分は今これに夢中になっている」ということに、もっと自信が持てたらいいと、彼女を見ていて思う。

そのプランナーさんをはじめ、私が今一番憧れている女性たちとは、葉山で結婚式を挙げなかったら出会えなかった。連載初回から長々と書いてきたように、一軒家を持つことも、定時で帰る練習を始めたことも、私にとってはすべてが鎌倉や逗子や葉山一帯からスタートしていて、本当に相性のいい土地だと思うのだ。この土地での暮らしを続ける中で、仕事や生活がどう変わっていくのか。これからの変化が楽しみで仕方がない。

(構成:東谷好依、写真:青木勇太)

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