いよいよ2023年、卯年を迎えた。思い出してほしい。コロナ禍を経てここ数年間でこれまで普通とされていたことが変わり、経済状況は著しく変貌をした。大なり小なり、影響を受けた人もいたはずだ。
とはいえ新年は始まった。すがすがしい気持ちを持って進んでいきたいと、誰もが願う。私たちはどう進路を見いだせばいいのか? そのアドバイスを千葉県・長南町にある長福寿寺の住職・今井長秀(いまい・ちょうしゅう)さんに聞いた。日本一金運にご利益があるといわれる寺を守り、年間25万人の参拝客を迎えている今井さん。この寺を訪れる参拝客が次々に、宝くじ高額当選、昇進、収益増加と金運のご加護を受けているという。彼ならひょっとすると私たちに新しい道を導きだしてくれるのかもしれない。そんな淡い期待を抱きながら、長南町へ向かった。
未来が豊かに暮らせるのか、不安定になるのか。2月4日の決意が握る
——卯年……と言いますと、うさぎが跳ねるように運気も上がるといった期待を抱きます。金運に力を入れているこちらのお寺では、何か卯年にちなんだことをお話ししていらっしゃいますか?
今井長秀さん(以下、今井):実は長福寿寺では卯年のことをあまり重視していないのですよ。その理由に大きなシンボルとして、 “吉ゾウくん”と“結夢ちゃん”がいます。境内には大きな石像もあります。たった一年のシンボルではなく、いついらしていただいても彼らが迎えて、願いを叶える手伝いをしてくれるからですね。あとは今年の2月4日が金運に大きく影響する日なので、干支よりもそちらを重視して参拝客の方にもお伝えしています。
——2月4日、私たちに何かが起きるのでしょうか?
今井:仏教でいう新年です。先ほど長福寿寺では干支はあまり気にしていない……と申しましたが、昨年の五黄の寅年だけは特別でした。36年間に一度巡ってくる、強烈なパワーを持つ一年が過ぎ、今年はその流れを実働させていく一年です。それには2月4日に今後の自分がどうなりたいのかをきちんと決めておく。今後の一年どころか、一生の金運が決まるような日ですよ。卯年になにをしましょうか? というレベルではない。ここで細かな人生計画を立てるべき日なのです。
——アイデアフラッシュではなく、老後まで決めていくような人生計画ということでしょうか。
今井:そうなんです。それもできればノートに手書きで書いて脳にインプットさせたほうがいいでしょう。一度書いてまた書き直すことだってできます。でもまずは本気で書くことです。みなさん、本寺に参拝にいらっしゃるのはメディアで紹介された情報を見て「何か変わりたい」と思って、いらしてるはずなんです。誰にだって「豊かな生活を送りたい」「好きなことで稼ぎたい」といった金運を含んだ変身願望はあります。それを叶える日としては2月4日、最善、最良ですよ。
——金運というと……やはりこちらのお寺では宝くじに高額当選、連続当選する人が絶えないそうですが。すみません、やはり自分も当選したい! という欲望が出てしまうようです……。
今井:(笑)欲を持つことは悪いことではありませんよ。でも宝くじに高額当選することは金運が上がったとは言いません。金運はあくまでも自分の手でアップさせて行動を重ねていくことです。そのオプションが宝くじ当選でしょうか。お金がほしいと神様仏様におねだりをしただけでは、どうにもならないんです。
「金運を上げたいのであれば、笑顔であることは基本中の基本です」
——では私たちが金運を上げるためにまずやるべきことだけを教えてください。その先のことは本人が決断をして、人生を進めていくという前提です。
今井:これはねえ、笑顔なんですよ。
——……笑顔でしょうか? もっと難しいことなのかなと思っていましたけど。でも言われてみると私もそんなに笑っていないかもしれないです。
今井:この世で最良の運気を上げる方法です。経営者として成功している人を見てほしいのですが、みなさん笑顔なんです。仏頂面をしてのし上がった人なんていないんですよ。鬱蒼(うっそう)とした表情をしている人にいい情報も運気も集まってきません。まずはここ。例えばタレントの佐藤栞里さん、堺雅人さん。二人ともいつも笑っているイメージがありませんか? 明石家さんまさんにしても、売れている方は必ず口角が上がっています。
——笑顔を向けられて不快になる人もいませんよね。あ、ご住職も口角が上がっているのがマスクをしていても分かります。
今井:私にとって収益を上げていくために絶対に必要なベースは、笑顔です。そこに利他の心と、自分らしさが加わる。多くの人は他人の視線を気にしすぎてパワーを出しきれないことが多いです。これはもったいない。自分らしさ……長所ですね。ここを最大限に生かして行動していると金運は自然についてくるものです。
——こちらの参拝客で金運が変わった方はいらっしゃいますか?
今井:いらっしゃいますよ。長福寿寺で有名なのは田丸さんという男性で、仕事がうまくいかず、参拝にいらしたときは人の目が見られないほど自信を持つことができなかった。それが笑顔を意識して、自分だけではなく周囲も幸せにするんだという意識を持つようになって行動を始めてから、現在(12月26日)73週連続で宝くじが当選しています。それまで20年間も当選したことがなかったそうです。もちろん仕事もうまくいって、収入も上がっていますから。
——笑顔と2月4日に向けての計画を書き出すこと。これが新年を豊かな心で過ごせるカギになりそうです。
今井:そうです。でも2月4日当日に急に決めるものではなく、今から熟慮して決める。そのときは長福寿寺でもいいですし、神社仏閣へお参りしてください。仏様はいつでも平等です。「こっちの子には運をあげて、この子にはあげたくない」なんていう扱いをするわけがない。まずは「こうなりたいんです」と誓う。目標に向かって動く。自分のことだけ考えずに、周囲を巻き込んで幸せになろうとする。この繰り返しが圧倒的な金運につながるはずです。

今井長秀さんの著作(発行:文友舎)
(撮影:竹内洋平)