コロナ禍での自分メンテナンス③・止

自分を守るためのチームを作っておく…アフターコロナの人間関係の作り方

自分を守るためのチームを作っておく…アフターコロナの人間関係の作り方

長引くコロナ禍で、社会に大きな変化が生まれています。テレワークの推進により、在宅で仕事ができる人は出社する必要がなくなり、人と会う機会が激減……。プライベートでも、外食控えなどで人と話す機会も減りました。働き方やライフスタイル、私たちの意識もガラッと変わった3年間だったのではないでしょうか。

そこで今回、婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子(かわさき・たかこ)さんと、法人向けの訪問型ボディケアサービスを提供しているユラックスの代表取締役・山口建臣(やまぐち・たけおみ)さんに、「コロナ禍での自分メンテナンス」をテーマに対談していただきました。全3回。

無駄な努力をさせないのがプロ

——(ウートピ編集部)対談も今回で最終回です。今回は対談を振り返りながらお話を伺っていければと思います。第1回目でも話題に出ましたが、コロナ禍になってより話を聞いてほしいと思っている人が多くなったと感じているのですが……。

山口建臣さん(以下、山口):圧倒的に多くなったと思います。テレワークだったり、飲み会がなくなったり、人と会う接点がないですよね。特に、実家から離れて暮らしている人は、会話するタイミングがない。人間は言葉でコミュニケーションする動物なのに、言葉を発せない……。

要は、「コミュニケーションを取りたい」という欲求が抑圧されているんです。だから、久しぶりに人と会うと、それまで抑圧されていた分が発散されて、ブワーッと話し出すというか。話すことは、人間の本能なんですね。そして、会話を続けるために必要なのが、質問力なのです。

——質問力を高めるコツはありますか?

山口:まず、相手に興味を持てるかということ。興味を持たなければ、質問できないです。どういう感情でもいいから、相手のことを知りたいと思えば、必ず質問が出るはずです。例えば、野球好きの人に、「サッカーは見ないんですか?」「元々スポーツをしていたんですか?」「マネジャーだったんですか?」とか。ちょっと興味を持ったら、質問なんかいくらでも出るんです。要は、「人を好きになる」「人に興味を持つ」ことが、質問力を高めるコツなんじゃないかな。

川崎貴子さん(以下、川崎):カウンセリング依頼も当社比3倍で増えてるんですよね。それだけ問題を抱えている人が増えている、というだけじゃなく、話を聞いて欲しい人が増えている。話を聞くだけなら友人とzoom飲みとかでもちろんいいのだけれど、プロとアマの差は、相手の話をただ聞いているだけじゃなくてアタリをつけられるところかと。データがたくさんあるので。例えば山口さんの場合だと、「ここが痛い」って言われたら、「じゃあ、こことここがおかしいんじゃないかな」って実際に触ってみて、「やっぱりここだ」って見当がつけられるというか。

山口:まさしく、そうですね。

川崎:データ量の違いが、プロとアマの差だと思うんです。だから、プロに話したり、プロに体を見てもらうということが、こんな今だからとても大事。もちろん、絶大的に信頼している人に話すことも、セルフメンテナンスとしては大事ですよ。でも、プロがやる意味って、無駄な“遠回り”をさせないことなんですね。

例えば、前回のように、肩甲骨がまったく開いてないのに、間違ったやり方で肩を回して、本人はやったつもりになってて。そうではなくて、「先にプロに聞きましょう」と。そうすれば、もしかしたら「肩じゃなくて、腰を回したほうがいい」ということもあるかもしれない。その結果、すごく体調がよくなったりして……。プロは無駄な努力をさせないんです。それが、セルフメンテナンスなんですよ。

私にもカウンセラーはいます。カウンセリングをしているとたまってくるので、私自身も定期的に受けることによってニュートラルな状況を作っています。私のカウンセラーにもカウンセラーがいて、みんなそうやってメンテナンスしていますね。

山口:僕も、週に1.5回ぐらいのペースで、マッサージを受ける側です。施術していると、人からもらうというのが感覚で分かるから。パフォーマンスが落ちるのが嫌なので、自分でリセットしないといけない。体のメンテナンスという意味では、マッサージを受けるのも大事だと思っています。

川崎:施術者で体を壊しちゃう人も多いですよね。

山口:多いですね。医師とか、僕らの業界は短命です。ただ、短命な人は、自分のケアをしてない人だと思います。僕らのように、人の心や体をフォローする人間は、自分もそれ以上にフォローしないとパフォーマンスを出せるはずがありません。

違う分野で友人・知り合いをつくってみる

——友人でもパートナーでもない、第三者としてのプロがいるって大事だと思いました。

川崎:そうですね。人間関係の“ポートフォリオ”をつくることが大事だなって。今、働き盛りの人たちがたくさん引きこもって仕事してて……。動かないし、日も当たらないし、人との関わりもないから、ちょっとした病気でも孤独死しちゃうリスクが高いんです。だから、自分の周りに、友人や同僚、親族、パートナー、そして自分のメンテナンスに関わるプロをつくる。たくさんはいなくていいんです。親友は一人でいいし、会社の友人も一人でいいと思うし。でも、違う分野でそれぞれつくっていくというのを推奨したいですよね。

特にこのコロナ禍で、これが本当に生命線だなと感じています。例えば、彼氏との関係がダメになっても、友人もいるし、会社の人もいるし、何かあったらプロにも頼めるし、みたいな。「彼氏しか信用してない」「昔からの親友だけしか信用してない」ってなると、そこでトラブルがあると大変なんですよ。自分の人生全部を否定することになっちゃうから。

山口:“仲間のポートフォリオ”みたいな考え方はいいですね。僕もよく、「お抱えのセラピストがいたほうがいいですよ」って言うんですけど、まさしく今日のお話にあったように、セラピストは第三者ですよね。もちろん、近ければ近い関係ほど大切なのですが、そこがトラブルになったら大変ですから。

一方で、僕たちは、都合がいいと話せて、都合が悪いと話さなきゃいいだけの存在なので。そういうカウンセラーとか治療家みたいな第三者を、自分の駒として置いておくことは、精神衛生上、一番フラットに戻りやすいかもしれません。

自分を守るためのチームをつくっておく

山口:各分野のプロと仲良くしておくというのは、“個の時代”において余計にそうかもしれないですね。情報の発信の仕方も、企業というより、どんどん個人になってくるじゃないですか。そうなると、ヒューマンスキルが高い人じゃないと、生き残れない時代がくる。会社も守ってくれないから、自分を守るためのチームがないとつぶれちゃいますよね。心や体の部分もそうだけど、戦略的に生きるためには、仲間やチームが必要です。特に、これからのウィズコロナ、アフターコロナの時代は、自分の布陣を持たないと勝てないような気がしますね。

川崎:会社は、弁護士だったり、税理士だったり、語学やITスキルの高い人だったり、いろいろな能力を持つ人たちを集めますよね? でも、ただスキルフルな人というだけじゃなくて、水や空気が合うというか、プロとしてお互いに認め合っている関係性の集合体が理想と言うか。それって、自分の人生にも当てはまると思うんですよ。ただの飲み友達ではなく、リスペクトし合えて、自分に足りないものを持っていて、お互いに刺激し合い、補い合える関係性って、自分の人生を豊かにするためにすごく大事だと思います。

SNSで言えないことを話せる仲間の重要性

——仲間や信頼できるプロを見つけるためには、どうすればいいのでしょうか?

山口:それはやっぱり、Googleでは探せないと思います。だって、Googleにはいいことしか書いてないから。

川崎:(笑)。

山口:検索ワードに対して、立派に対応しているところしか上がってこないから。でも、それは僕にとって“できる人”ではない。そうなると、「自分はこういうチームを探している」ということを、仲間に伝えるのが一番早いと思います。これまでは、なかなか人にも会いづらかったけど、今後はどんどん外に出てほしい。人と会ってリアルな情報交換をすると、僕にないものを持っている人がいろいろ教えてくれるんです。その情報は、アルゴリズムとは一切関係ないし、信用できる人からの情報は価値があると思うので。そうやって、僕は自分のチームをつくりますね。

川崎:私も少し前にコロナが落ち着いたと思った時は、友人と外で人と会ったり、自宅に人を招いたりしていました。特に女性社長の友人って皆、教えたがりなんですよ。それに、好奇心旺盛でいろいろなことを試すので、「レストランはこの人に聞いたほうがいい」「エステ関係はこの人は間違いない」っていうのがあって。

SNSでは「ハイブランドのスパが……」とか言っているけれど、「あれは表向き、あそこは費用対効果が悪い」と言って、本当に良いお店を広報なの?っていう熱量で教えてくれる。で、本当に安くて良いお店なんですよ。リアル情報の信ぴょう性の高さ、やっぱりすごいですね(笑)

——確かに今は、SNSで言えないことを仲間内で共有している感じがします。

山口:そこが大事だということを、しっかり伝えていかないと。本当に人との接点がなくなっちゃうと、もうみんなロボットでいいじゃんって。

川崎:確かに。

山口:先ほども言ったように、言語というコミュニケーション方法を持っているのに、言語を使わないのはもったいない。この熱さだったり、ウザさだったり、匂いだったり、それをどう伝えていくかというのは、言葉の抑揚だったり、前のめりだったりするのがすごく重要なのに、その能力を使わないでいる。さらには、重力にも負けている。「じゃあ、人間として何するの?」みたいな。リアルに会って話すのは、本当に大事だと思います。

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