コロナ禍での自分メンテナンス①

家族でも友達でも同僚でもなく…自分に合った“セラピスト”の見つけ方【コロナ禍での自分メンテナンス】

家族でも友達でも同僚でもなく…自分に合った“セラピスト”の見つけ方【コロナ禍での自分メンテナンス】

長引くコロナ禍で、社会に大きな変化が生まれています。テレワークの推進により、在宅で仕事ができる人は出社する必要がなくなり、人と会う機会が激減……。プライベートでも、外食控えなどで人と話す機会も減りました。働き方やライフスタイル、私たちの意識もガラッと変わった3年間だったのではないでしょうか。

そこで今回、婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子(かわさき・たかこ)さんと、法人向けの訪問型ボディケアサービスを提供しているユラックスの代表取締役・山口建臣(やまぐち・たけおみ)さんに、「コロナ禍での自分メンテナンス」をテーマに対談していただきました。

話を聞いてほしい人が増えている?

川崎貴子さん(以下、川崎):私は、個人カウンセリングや企業のメンター代行で、いろいろな人と話す機会が多いのですが、コロナ禍になって感じるのは、皆さん息せき切ったように話し出すというか。おそらく、これまでは職場で、飲み会で当たり前に話していたし、ネイルサロンや美容室、マッサージをしてくださる人とかが、話を聞いてくれていたんですよね。でも、コロナ禍で、行くのをちょっと控えるようになって……。だから、どこかで話さないともたない。

それくらいだったら全然いいのですが、「あれ? 大丈夫かな?」と、心配になるケースもあるので、自分自身で意識的にコミュニケーションを取ることや健康そのものをコントロールしていかないと心身ともに危ないな、と最近よく感じていますね。

山口建臣さん(以下、山口):まったく同感ですね。

川崎:やっぱり、ここ3年のコロナ禍でガラッと生活が変わった。テレワークで誰にも会わない。会わないからオシャレもしない。洋服や化粧品も買わない。外に出ないから、心や身体のメンテナンスにも行かない。もちろん、そういう生活のほうが自分に合っているという人もいますが、気分的にハレが少ない分、自分で自覚してハレの機会をつくる必要があると思っています。

ハレの機会のつくり方

山口:川崎さんはハレの機会をどんなふうにつくっていますか?

川崎:昔、「ハレ」と言えばすてきな外食とか、特別な場所に行くことだったりしましたが、もはや外出は全部「ハレ」です(笑)。

だから、ジムに行くのも「おでかけ気分」であり、先にスケジュールに組み込むことにより、「億劫(おっくう)なことじゃないんだよ」と自分の脳をだましながら……。そんな感じで今はプール&サウナを週一で。終わった後のビールまでが「ハレ」だから。よりおっさんに近づいてます(笑)。

山口:“サ活”ですか。今、はやっていますよね。ジムやメンテナンスを中心に予定を立てているんですね。

川崎:私の場合、「イベント」とか「仕事」というモチベでスケジュールに入れないと後回しにしてしまうというか。そして、サボるとすぐ腰とか肩にくるので。でも、「ちょっと我慢すれば」の連続が命取りになったりするじゃないですか。「腰、慢性的になんか痛い」っていうのはいろいろ怖いですよ。もう、お年頃的に。

山口:痛みは、身体からの危険信号ですから。

川崎:本当にそう。山口さんは、そういう人を診て、「この人はこういう傾向があるんだろうな」ってたぶん分かると思うんですけど。私もカウンセリングをしていて、「この人はもしかしたら体調が悪いのかな?」と思って聞くと、「こことここが痛いです」って返されることが多いのよ。でも、「今は出費が怖い」「知らない人との接触が怖い」「個室が怖い」という理由で控えている人多いんですよね。

山口:確かに、この2年間で、マッサージ店が大打撃を受けました。でも施術者は元々マスクをしているし、カウンセリングも5分ぐらい。お客さんは基本的にうつぶせ状態ですし、もちろん毎回消毒も行っております。でも、密室で知らない人と会うということで、怖がられてしまって……。

川崎:だからこそ、山口さんの企業訪問型のボディケアサービスはいいですよね。テレワークに慣れてしまうと、出社するのが嫌になるじゃないですか。それに今は、通勤がなくなって、社員の運動不足が問題になってるわけじゃない? だから、企業側が福利厚生として、出社日にこういうサービスを受けられるようにする。そうしたら、「週に1回は出社したい」っていうモチベーションになりますよね。 そういうコロナ社会ならではの福利厚生を、企業はやるべきだと思います。

すごく家賃が高いところに、人がいないガラガラのオフィスがたくさんあるじゃないですか。せっかく家賃を払い続けてるわけだから、有効活用をして社員の健康やメンタルの改善に取り組んでほしいと思っていて。毎日出社することで愛社精神を測るのではなく、みんな良いパフォーマンスを上げることが最終目標だとしたら、そういうベネフィットがあるといいですよね。

家族でも友達でも同僚でもない“セラピスト”の存在

川崎:コロナ禍は、誰も経験したことがない3年間だったので、肉体的にも精神的にもみんな、自覚している以上に実はキツいんだろうと思っています。ベースには不安があって、その上に、運動不足だったり、人と話さない環境がある。いつの間にかそれが普通になっちゃったから受け止めている気がしているけど、身体と心はそうじゃないから危険だな、と。

山口:今後も、テレワークが続いて出社日が減ると思うんですよね。だから、出社したときに、カウンセリングやマッサージを受けて、心も身体も健康になれるような福利厚生が必要だと考えています。いきなり心療内科に行くのはハードルが高いという人もマッサージの先生なら話しやすいかもしれない。運動不足の話や人と会話をしていないという話を引き出してあげて、できればカルテをカウンセラーと共有できたらいいですよね。

かなり参っていそうな人って、背中を触ると鯉が水面でパクパクしているような呼吸になっています。つまり、呼吸が(酸素が身体に)入っていかない。ストレス過多になると、自律神経が優位になる。戦に行くときのような興奮状態になっているのです。

川崎:まさに戦国武将のような状態なんですね。

山口:例えば、重要な会議が控えていたり、苦手な上司がいて不快に感じていたりしているときも交感神経が優位になります。苦手な上司がいても、面と向かって「あなたのことがストレスです」なんて言えないから、ガードするでしょう? そうすると、奥歯を食いしばって、ずっとイライラしているから、身体が硬くなるのです。筋肉がグッと収縮して、肺の周りの筋肉も硬くなるから、酸素が入っていかないんですよ。

川崎:身体も反応するんですね。

山口:人間関係で悩んでいる人はだいたいそうです。企業に訪問して施術をしていると、いろいろな話が飛び出してくる。みんな本当にしゃべるんです。でも、話すってとても大事で、解決しなくても吐き出すだけで落ち着くんですよね。僕ら治療家は、企業内部のことは変えられないけど、話を聞いてあげることはできると考えています。

川崎:私もそうだけど、「なぜマッサージの施術者やセラピストに、プライベートなことを話すのか?」というと、やっぱり身体を任せている安心感があるんでしょうね。それに、友人や同僚のような近すぎる人間関係じゃないので、すごく落ち着くんです。都合が悪くなったら、セラピストを変えればいいだけだし。

例えば、ネイリストに「うちの子がこうで……」って深刻な事も話せるけど、子供の同級生のママには言えないですよね。吐き出せる場所を意識的に確保するのはとっても大事。みんな客商売なので、「そうなんですね~」って聞き上手な人も多いしね。

いいセラピストの特徴は?

川崎:山口さんのように、「何で疲れてるんですか?」「運動不足なんですか?」って聞いてくれると、「そういえば、何もやってないな」「最近、ストレスがたまることが多かったな」って自分自身のことを考えることができるんですよね。はやりものや表面的な話をするのも全然いいんですけど、自分を振り返ることができるようなプロにつくことが大事だなって。

山口:僕は、傾聴力よりも、質問力と察知力だと思っています。マッサージスキルと傾聴力はあって当たり前なので、質問力と察知力がないセラピストは辞めたほうがいいって言っちゃうくらい。質問しないで一生懸命話を聞くだけでは、その人の身体のことは絶対に分からないです。深堀りしてあげないと、その人の疲れの原因は見えてこない。たとえゴッドハンドだと言われたとしても、それはたまたまその人に合った手技だっただけで、心の中までは見えないですから。僕らは神様じゃないし、意識的に聞き込まないといけないですよね。

それは、過去のケガが原因かもしれないし、人間関係のストレスが原因かもしれないし、遺伝的なことが原因かもしれないですが、普通は自分からそこまで話さないですよ。「肩が凝った」「疲れが取れない」「デスクワークで目が痛い」といった目に見えてくることをベースに、質問力を使って話を聞いて、質問したときの目線とかを考慮した察知力がないと、その人の身体は治りません。

正直、僕の手技は普通だと思うのですが、おかげさまでお客さんが途切れない理由は、質問力と察知力だと思っています。特に、経営者を施術することが多いので、話を聞いていると、「こういう人材を紹介してよ」「この商材を売りたいんだけど、協力してくれないかな?」って。

これが実は、その方の悩みなのです。そこを解決したら、背中が軽くなる可能性があるので、僕はそういうお手伝いをやったりしていて。いわゆる解剖学や運動学にはないところが、凝りの根源だったりするんですよ。特に、女性は人間関係の悩みが多いなと感じています。

自分に合ったセラピストの見つけ方

——(ウートピ編集部)自分に合ったセラピストを見つける方法はありますか?

川崎:私は、古典的だけど口コミかなぁ……? そして、実際にやってもらって。

山口:セラピスト業界のサイトだったり、おのおののホームページを見ても、キャリア何年目とかしか書いてないので分からないですよね。だからやっぱり、口コミだったり、トライしてみて自分に合うかどうかを見極める。一歩目を踏み出さないことには、難しい気もしますし……。

ただ、自分の身体は自分しか守れないし、痛みは身体からの叫びなので、それに応えてあげたほうがいい。「これぐらい平気」「知らないから大丈夫」ってみんな思うんですけど、身体の不調に対して真摯(しんし)に向き合って、自分の身体を大切にする意識は大事ですよね。そして、身体の不調を言える仲間がいたほうがいいので、相談相手を見つけることは重要だと思います。だから結局、外に出て人と会話をすることを怠ってはいけないと思うんです。

川崎:やっぱり、外に出かけることが大事。以前は、外でランチや会食して、そういう情報交換もしてたじゃないですか。私の友人たちは経営者で50代が多く、たまたまその日は私以外男性だったのですが、「初めてボトックスやった」「VIO脱毛した」とか。これが50代のおじさんの会話かと(笑)「私もまだやるのためらってんのに、何でやってんの!?」みたいな(笑)。経営者は人に見られる機会も多いし、健康とか美容に敏感なんですよね。「脱毛はあそこがいいよ」「ジムは〇〇がお薦め」とかね。

山口:そうですね。意識が高い人は、いろいろな場所に情報を取りに行きますよね。

川崎:だから、そういう意味でも、「外に出て友達とランチに行きなさい」ということですよね。ただ、またコロナがはやってきてしまった…。有象無象のネット情報から取捨選択は難しいから、信用している人たちの投稿をマメにチェックするとか、フォロー先を開拓するとか工夫が必要ですね。

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