市場価値がなかった「アイゴ」を使ったスープを
背びれと腹びれに毒の棘を持ち、独特の臭いがあることから市場では値のつかない魚として「未利用魚」に分類され、釣れても廃棄されてきた「アイゴ」のだしを使ったスープが提供されるイベント『海の森、海のいま展 ー海のレシピプロジェクトと新たな航海のはじまりー』が8月3日(水)から表参道スパイラルガーデン(東京都港区)でスタートしました。
イベントは、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環で、海にまつわる「食」と「ものがたり」を通して海を伝えるウェブメディアを展開する「海のレシピプロジェクト」が開催。期間中はアーティストの作品展示、海をベースに活躍するゲストを迎えたトークイベントやワークショップ、音楽家によるライブが予定されています。

海洋プラスチックを使った松澤有子さんの舟のインスタレーション
今回、考案されたアイゴのスープは食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」が監修を担当した夏のブイヤベースで、来年に向けての商品化を目指しています。
「海のレシピプロジェクト」のディレクターを務める青木佑子さんは「アイゴは海藻を食べることから磯焼け(海藻が著しく減少してしまう現象。海水温の上昇により拡大すると言われている)の原因の一つとされています。でも、海に存在しているということは必要だから存在しているわけで、これまで”厄介魚”とされてきたアイゴの新たな一面に光を当てられたら。それが新しい食文化の発見や多様性の価値観に繋がっていくと思う」と話していました。
『海の森、海のいま展 ー海のレシピプロジェクトと新たな航海のはじまりー』は、12日(金)まで。11時~20時。
★直近のイベント
「海の森はごちそう−藻場とアイゴから教わること−」
8月5日(金)18時半〜20時
ゲスト:友廣裕一(シーベジタブル共同代表)
長谷川友美(映画監督)
松尾琴美(Soup Stock Tokyo 商品部 購買グループ グループリーダー)
※そのほかのイベントはHP参照。
(トップのスープ写真:高村瑞穂)