リモートワークの座業ケアツボ・第2回

リモートワークの肩こり・腕こりツボ&簡単エクササイズ【内科医が教える】

リモートワークの肩こり・腕こりツボ&簡単エクササイズ【内科医が教える】

リモートワーク中の心身の不調のツボケアについて、3回にわたって臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長に尋ねています。第1回の「リモートワークの座りっぱなしで腰が痛い…ツボケア4つ」では、座りっぱなしでの仕事で生じる足腰のツボケア法をご紹介しました。

今回の第2回目は、背中や肩、腕、あごなどの上半身の痛みをケアするツボと簡単トレーニングを聞きました。

重心が前に倒れて血流やリンパ液の流れが悪化

第1回の記事に続き、正木医師はリモートワークで長い時間の座業が続くことについて、こう警告をします。

「特にパソコンやタブレットの操作に集中すると、上半身が画面に向かって前へ傾いてきます。すると、重い頭を支えようとして重心が前に倒れないよう上半身の筋肉を使い、無意識に首や肩、胸、あごの筋肉や骨、血流、リンパ液の流れに大きな負担がかかります。当然、肩、首、腕、背中にこりや痛みが生じます。

そこで、座っていても行える上半身のツボ押しや簡単トレーニング法を紹介します。仕事のブレイクタイムや思い立ったときにいつでも行ってください。ツボの位置がわかりにくければ、周囲のイタ気持ちいいところを探しましょう」

胸を開いて筋肉をほぐし、上半身のこりや痛みを緩和

(1)ツボ・天宗(てんそう)を刺激する

東洋医学ではかつて、ヒトの体のおへそより上を「天」、下を「地」と区別していたそうです。「天宗」の「天」は上半身を、「宗」には集まるという意味合いがあるとのことです。

天宗は背中全体の筋肉をほぐします。また、血流を促して肩や腕の痛み、こりを改善します。頭痛や顔のむくみをケアする際にも用いられます。

<ツボ「天宗」の位置>

天宗320

けん甲骨の中央にある、少しくぼんだ部分。左右にあります。

<刺激法>
刺激する天宗とは反対の手のひとさし指となか指を揃えて、ひと押し5~10秒、3~5回をくり返します。つまり、右のけん甲骨の天宗を刺激する際には、左の手の指で刺激をします。片方ずつ行いましょう。

(2)ツボ・中府(ちゅうふ)を刺激する

「中府」の「中」は肺の下にある横隔膜からおへその間の腹部、「府」は東洋医学において体のエネルギーの源とされる「気」が多く集まる場所を表します。腹部から上に向かう気が集まるところを意味するツボです。

肩から胸にかけての痛みを改善し、上半身の血流を促して胸の筋肉をほぐします。

<ツボ「中府」の位置>

中府320

鎖骨の外側のきわからおや指の幅1本分下がったところにあるくぼんだ部分。左右にあります。

<刺激法>
右の中府を刺激するときは左の手で指圧します。おや指以外の指で肩をつかむように持ち、おや指でこりこりと上下に揺らしたり、回したりしながら、ひと押し5~10秒を3~5回くり返します。同様に左の中府も刺激しましょう。

(3)ツボ・手三里(てさんり)を刺激する

「手三里」の「三」は、肘(ひじ)の横じわの外側からおや指の幅1本分上がったところのツボ「肘髎(ちゅうりょう)」から三寸の位置にあることを表し、「里」は道のりや居場所という意味だということです。つまり「手三里」という名称は、肘髎から三寸の場所にあるツボという位置を示しています。

上半身の血流を促し、肩や首のこり、肘の痛みの緩和、また、胃痛や胸やけ、めまい、頭痛、イライラや不安感などの改善にも働きかけます。

<ツボ「手三里」の位置>

手三里320

肘の横じわの外側にもう一方の手のひとさし指を置き、なか指とくすり指を揃えたときにくすり指が当たる部分。左右にあります。

<刺激法>
おや指以外の指は肘を支え、おや指で強めにもみ込むようにひと押し5~10秒を3~5回くり返しましょう。一方の手ずつ行います。

(4)胸の筋肉を開いて手のひらと肘まわし

デスクワークで縮こまっている胸を開き、かたまっている筋肉をほぐします。血流やリンパ液の流れを促し、首や肩のこり、背中のはりを和らげます。

まず、両方の腕を左右に広げて、肘を90度に曲げます。肘は肩の高さにくるようにし、手のひらは内側の自分の頭に向けましょう。そのまま手のひらを内側から外側に軽く8回、回転させます。腕や肩など体に力を入れないこと、小指を伸ばして軸とすることを意識しましょう。

次に、手のひらを内側に向けて、肘を背中側(後ろ)に8回、まわします。これを1セットとして3・4セットくり返しましょう。

(5)肩とあごを脱力

20~30分に1回は肩の力を抜きましょう。パソコンのキーボードから手を離して目を閉じて、両方の腕を床に向かって降ろし、あごの力も抜いてだらーんと脱力します。立ち上がってするとさらにこりケアに有用でしょう。

さらに正木医師は、長時間のリモートワーク時に心がけたいことについて、こうアドバイスを加えます。

「集中していると、あご、首、肩、腕、背中に力が入っていても自分では気づかないことが多いのではないでしょうか。痛みやこりを感じる前にケアすることも心がけましょう」

聞き手によるまとめ

実際に試してみたところ、口や首、肩まわりがすっきりとし、腕も軽くなりました。2週間ほど継続すると、リモートワーク中に肩や首がこりにくくなったように感じます。仕事に集中するほど筋肉は緊張するとのことで、力を抜いてこまめにケアを行っていきたいものです。

次回・第3回では、リモートワークによるストレスをケアするツボを紹介します。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)

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